南海8300系 | 車内観察日記

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鉄道の車内の観察する日記ですよ。目次に記載した「☆お願い☆」をご一読の上、ごゆっくりどうぞ。


個人的には8000系の後に突如として登場してきた感がある、南海の次世代通勤型車両、8300系です。


製造は7100系以来となる近畿車輛が担当しています。何やら、製造価格に関して長年南海の車両製作を担当してきた東急車両から引き継いだ総合車両製作所と揉めたとか何とか。


側面から。戸袋部分には阪和間のライバルであるJR西日本と同じくステッカーが貼られています。これは実は構造的なもので、よく見ると窓とドアの間に2本の線が見えるかと思います。これは溶接を行った跡で、ステッカーはこれを隠すためのものとなっています。

 

長らく特急サザンには入っていなかったのですが、2020年も末に差し掛かった辺りで突然サザンにも充当されるようになりました。

 

運用の際は、座席指定車は12000系と併結されます。

 

7100系、8000系、9000系とこの系列、自由席車でも車両レベルの格差が大きい恐怖のルーレットですね(^^;;


車内です。そうですね、JR東日本っぽい車両からJR西日本っぽい車両になったかなぁ、という印象で、ここ最近流行になっている仕様の標準化で会社の個性が急激に少なくなってしまったように思います。


ドアです。化粧板付きに戻ったのはうれしいですね。そうそう、ドア上には南海では初となるLCDディスプレイが設置されています。千鳥配置で運行案内のみなのが少し寂しいですが、関西五大私鉄でようやくLCDディスプレイが全社で採用されました。


車端部です。上部が張り出したスタイルはなんだか総合車両っぽいです。南海(というか大半の関西私鉄)の特徴として、新車でも妻窓が設置されています。昼間の消灯時でもなるべく光を入れるようにするためだと思うのですが、同時に閉鎖感も和らぎますよね。


優先座席を有する車端部です。「優先座席の吊革=オレンジ」というありがちなものです。むしろ、関西ではその数式が成り立たないケースがままあるのですが…。その吊革、一般座席のものとはバンドの長さが異なります。それ故、 仕切り扉共々南海本線の尾崎以南では特に暴れているように見えます(^^;;


最前面です。この系列で一番残念なのはここで、仕切り窓がえらくケチ臭いものになってしまいました。座席が無くなったので立つ以外の選択肢がないからだとは思いますが、なんだかなぁ…。仕切り扉はまるで車端部のようなデザインとなりました。併結運用が多いので、なるべく使い勝手はよくしといた方がよいと考えたのでしょうね。


そして併結時はこんな感じ。車掌台側も仕切られて入れません。


天井です。こちらはより近畿車輛っぽくなっており、レール方向に羽が向けられたラインデリアや埋め込み気味な照明は最近の阪神電車で見られる手法です。


窓です。南海初の複層ガラスとなっています。それでも、忘れること無く設置されているのが日除け。着色ガラスなんかで済ませたら、昼間消灯が出来ませんもんね。


座席です。オールロングシートで、ドア間は4+3で区切られた7人掛けです。見た目としては袖仕切り以外は321系に近いものですね。やはり近畿車輛製なだけはあります。


で、少し違う袖仕切り。8000系と比べると内側を焦げ茶色として座席とデザイン上の統一感を持たせたのと、板そのものの形状も209系に端を発する標準車体タイプよりも洒落っ気があります。でもね、肝心の使い勝手はそこまで変わらないんですよねー。奥行きの足りなさや斜めに切り落ちた下辺処理など不快感のオンパレード。大型袖仕切りに限るなら、同じ近畿車輛謹製であるJR西日本323系の袖仕切りが個人的には満点に近いものがあると思っています。あちらは十分なドア横のスペースを確保したからこそ出来る芸当ですが…。


フリースペースです。南海ではフリースペースをドア間に持ってきており、車端部が多い他社とは異なるオリジナリティとこだわりを感じます。ここだけ従来に近い袖仕切りの形状となっており、やはり人気があるのかさっさと埋まってしまいます。


優先座席です。和歌山方先頭車にはどどーんと7人掛け全てが優先座席となっています。お隣JRを含めて、この割り切り感は流石です。そうそう、座席間のポールは8000系比で一本減少しています。やっぱり狭いと不評だったようですね。


優先座席にもフリースペースとセットになった区画が存在します。


車端部の4人掛けです。座り心地は一般のお客さんからも相当嫌われた8000系に比べると、随分と水準を戻してきたように思います。が、何だかイマイチ。座面は硬くないものの底付き感がして形状に工夫が見られません。1000系辺りの座り心地が恋しい今日この頃です。


そして優先座席です。消火器が車内側に張り出しており、窓側の占有面積を減らしているのはあまり誉められません。とは言え、昨今の電車ではメッキリ見られなくなった窓下に肘を逃がせるスペースを確保しているのは気配りなんだろうなぁと思います。


さて、近年訪日外国人の増加により、なんばと関西空港を結ぶ「空港急行」の乗車率が急激に増えており、実際にそのバカデカい荷物を引っ提げて何食わぬ顔して座席定員以下の人数でロングシートを占領された時には閉口したものです。例のアナウンスが色々と話題になりましたが、言いたくなるのもなるほど道理で。それはさておき、そのような状況を少しでも改善するため、車内についてマイナーチェンジを行った2次車が出ています。よく見ると、戸袋部分のステッカーが省略されています。やっぱり「JRっぽい」という声があったのでしょうか。


車内です。下半分を中心に、大きく変わっていますね。


車端部です。やはり、かなり開放的です。


優先座席を有する車端部です。一次車にも共通しますが、仕切り扉は幅が広く、窓も大きくなっています。


座席です。大きく変わったのは袖仕切り。1次車の大型のものから従来見られた肘掛けを兼ねた板に戻っています。


そして、座席定員を1名分削ってミニフリースペースを設けています。袖仕切りを小さくしたのは荷物を確認したりするためで、形状も1000系と比べるとなんだか「妥協の産物」のようなテキトーさが漂います(^^;;


そしてほんまもんのフリースペース。こちらは一次車から変わりません。


優先座席です。座り心地は一般座席ともども一次車と変わりません。


そしてフリースペースとのセット区画。


車端部の4人掛けです。やっぱり、消火器の収納方法、見直した方がいいっす。


で、優先座席です。見た感じ、やっぱり321系のロングシートの影を感じるんですよねぇ。あれよりはマシですが…。


こんなスペースに一言書き。