茨城・徳島・熊本など、全国で作られているレンコンですが、茨城県では全国の約5割を占めるほどのレンコンが生産されています。
東京市場のシェアは、9割近くだとか・・・。
確かに、関東では茨城県産を見かけることが多いですね。
日本一の生産地、茨城県の中でも、霞ヶ浦周辺で多く作られているレンコン。
低湿地地帯で肥沃な土壌、水温が高いという整った自然条件で、美味しいレンコンが育つそうです。産地視察で訪れた土浦は、一面のレンコン畑。
この辺りは、日本一の産地というだけあって、見渡す限り、レンコンの水田が広がっていました。
キラキラと反射する水面に浮くレンコンの葉。
まだ小さいですが、葉と葉の隙間がなくなるほど、もっともっと大きく成長します。
7月にもなると、白い花が咲いて、それはそれは美しい光景なのだそうです。
美しい蓮の花が一面に咲いている光景、一度、見てみたいものですね。
美味しいレンコンを作るためには、何といっても土づくりが重要。
かた過ぎず、やわらか過ぎないのがポイントなのだそうです。
この畑のレンコンは、秋くらいから収穫が始まります。
収穫する少し前には地上に出ている葉は切り落とされます。
これは、カラ刈りといって、表皮についてしまう赤シブを取り除くための作業。
レンコンが酸欠状態になることによって、赤シブが剥がれ、美しい表皮になるそうです。
赤シブがついていても品質には何の問題もないので、見た目を良くするためだけの作業です。
水を抜いて収穫する方法もありますが、ここでは水は抜かずに収穫を行います。
でも、一気に掘り取るわけではなく出荷する分ずつ順番に・・・。
食べ頃に育ったレンコンたちは、収穫されるまでの間、土の中でじーっと待っているわけですね(笑)。
JA土浦れんこんセンターで、収穫されたレンコンが出荷されるまでの作業を見学させていただきました。
収穫されたばかりのレンコンには、まだ泥が付いている状態です。
ごぼうやネギと一緒で、泥つきの方が日持ちはするのですが・・・。
見た目は泥がない方が美しいですものね。
表面が乾燥してしまうと泥が落ちにくくなるので、順番待ちのレンコンは、霧状の水のシャワーで常に湿った状態にしておきます。(この日は見られませんでしたが。)
最盛期には、たくさんのレンコンが順番待ちをしているのでしょうね。
コンベヤの上にレンコンが並べられ、水流の強いシャワーの中を流れていきます。
おおまかな汚れは落ちますが、細かな泥汚れやひげ根を取り除く処理は人の手で・・・。
洗浄機だけで泥が落ちるものだと思っていたので、1本1本手作業とは驚きでした!
かなりの重労働。
水が冷たい冬は更に大変です。
ただ、作業しながら品質のチェックなどが行えるというのが利点かもしれませんね。
泥やひげ根をきれいに落としたレンコンは、白くて美しい姿に。
サイズ別に仕分けされ、出荷されていきます。
傷がついているなど、出荷できないレンコンは、飼料用として利用。
別のコンベヤで、トラックへと運ばれていました。
気温が高い季節は、品質保持のため氷を入れてから出荷しますが、涼しい季節(秋~春)は、氷は使わないので、段ボールで出荷されます。
氷は機械で自動に入り、最後、人の手でふたをして出荷します。
自宅で選別作業まで行える生産者は、こちらのセンターにある大型製氷機を利用し、手作業で氷を入れていました。
「大変ですね。」 と声をかけると、「そうね。でも、この時期だけだから・・・。」 と奥様。
でも、かなりの力仕事。
頭が下がります。
レンコンも冬のイメージが強い野菜ですが、今ではハウス栽培も行い、年間通して出荷しています。
節でカットしてあると長持ちするのですが、スーパーなどで販売されているレンコンは、節でカットされているものは稀・・・。
グラム売りなので、購入するとき、節の部分が入っていると損した気分になりますものね(笑)。
保存するときには濡らした新聞紙やキッチンペーパーなどでくるみ、ビニール袋に入れて野菜室へ・・・。
でも、節以外でカットされた状態のレンコンは、切り口が空気に触れないようにラップして、購入後、なるべく早めに調理することをおすすめします。
穴の空いた姿が何とも可愛らしいレンコン。
調理の仕方で、色々な食感を楽しめるというのも魅力のひとつです。
和洋中、どんなお料理にも使える便利野菜のレンコンを色々なお料理に変身させて、美味しく味わいたいものですね。