【今度はどっぷり無線ネタ】SWR計は使えるようにした方がいいと思います。 | 北アルプスのほとりからですが、何か?

北アルプスのほとりからですが、何か?

仕事の都合で、群馬から長野は信濃大町に居を移すことになりました。

そうですね。まずSWR計って何だ、という疑問からご説明した方がよろしいですね。このあたりはライセンスフリー無線家の方々はご存じない方も多いかと思いますので。

 

SWRというのは、本来VSWRと表記されるべきものです。Voltage Standing Wave Ratio、電圧定在波比と言うもので、簡略してSWR(エスダブリューアール)と呼ぶことが多いんです。電圧という言葉が出ていますので、本来は電圧の比較になります。無線の世界では電力が問題になることがほとんどですのでちょっと話がややこしくなるんですが、まず最初の定義としては

 

ケーブル内の最大電圧と最小電圧の比

 

ということになります。で、最大電圧と最小電圧というのは、無線機から出て行こうとする電波(進行波と言います)と、アンテナから外に出られず無線機に戻っていく電波(反射波と言います)の、それぞれ足したもの、引いたものになりますので、その比を電圧定在波比というんですね。これ以上の説明が見てみたいという興味のある方は、ちょっとググってみて下さい。これ以上書くと長くなっちゃいますんで。

 

実際は、電圧ではなく電力を用いて求められますが、とりあえずここまでにしておきますね。さて、要は「どれだけ無駄なく電波がアンテナから出て行っているか」を測定するのがSWR計ですが、とりあえず文字が多くなったんで実物をご覧いただきましょうか。

 

 

これは随分前に購入した、144/430Mhz用のものになります。ハンディー機用ということなので、最大出力の5Wに対応するよう最大許容出力は8wに設定されています。出力計も一緒になっている場合がほとんどです。SWRの数値ですが、最良は1で、数字が大きくなるにしたがって状態が悪いということを表しています。実用上支障阿久使用できる範囲は1.5以下とのことですが、市販品のアンテナを使う限りほぼ問題ありません。もともとこのSWR計というものは、自作のアンテナなどの性能をある程度測るものとしての役割も持っているため、市販品が多く出回る周波数にはあまり必要でないと思われています。

 

ただし、そうとも限らないんです。アンテナというのは、いくら性能が安定しているもの言っても、設置する状況によっては性能が変化することも十分考えられます。そういう時にこのSWR計でしっかり数値を測定しながらアンテナ設置を行えば、より効率的な無線運用が出来る訳ですね。

 

かなり前置きが長くなりましたが本題です。これはフリラわっしょいのカテゴリ記事ですが、先に申し上げた通りライセンスフリー無線にはアンテナの自作が認められていません。無線機の技術基準適合内容に含まれるアンテナでないと使用できないとあるんです。ならばやっぱりこんな機器は必要ないではないかと言われてしまいますが、そうでもないんです。

 

写真のSWR計は144/430Mhz帯のみの対応ですが、中にはデジタル簡易無線に対応するものもあります。特に5Wという高い送信出力を許可されているものとなると、ちょっとした接合ミスなどで電波がうまく発射されていないとなると、無線機の寿命を短くする原因にもなるんですね。それだけ戻ってきた電波を熱で処理しなければならなくなり、送信部に負担が掛かる訳ですから。そうならないためにきちんとSWRを測定しておく、というのは意味のあることということです。

 

加えて、たった0.5Wの出力ながらも、デジコミ、デジタル小電力コミュニティ無線の運用にも、とても重要なことと思っています。私のもっているこのSWR計ですが、裏を見てみるといろいろと注意書きが書いてあります。

 

 

ちょっとしたの方をアップで見てみますと・・・・・・・・・

 

 

測定できる周波数範囲が記載されています。このSWR計の場合、140Mhzから150Mhz、そして430Mhzから440Mhzということになりますが、ここでこのSWR計は、142Mhzと146Mhzを使用するデジタル小電力コミュニティ無線でも使用できるというのがわかる訳です。SWRを見ながらアンテナを設置、効率よい送信ができるよう設置してさらに良好な交信を求める。そういうことができるということです。

 

結論が随分短くなってしまいましたが、やはり持っていた方がいい機器ではありますね。いや、知り合いに借りるという程度でもいいと思いますが、測定方法はしっかり知っておいた方がいいと思います。