常磐遠征② | ゆめの跡に

ゆめの跡に

On the ruins of dreams

①ホキ800形貨車

 最終日はホテル周辺の散策の後、水戸駅7:41発の列車に乗るために早々に朝食を済ませて(中華粥朝食にしたかったが時間がかかるとのことで断念)チェックアウトし、リュックを背負って駅に向かう。目に止まって撮影したホキ800形は昭和33年(1958)から49年(1974)にかけて製造されたバラスト散布用のホッパ車と呼ばれるもの。バラストの上に枕木を並べレールを敷設するバラスト軌道は枕木からの荷重を効率よく分散させ、低振動・低騒音で乗り心地が良く、排水性に優れ、雑草の生育を防止できるなどの長所がある一方、強度は低く、更新作業に時間を要するなどの短所がある。

 

②鹿島臨海鉄道8000系

 鹿島臨海鉄道は国鉄・茨城県・民間企業が出資する北鹿島ー奥野谷浜間の貨物専業路線として開業した。成田空港が開港し、航空機燃料の暫定輸送が始まった昭和53年(1978)北鹿島ー鹿島港南間で旅客営業を開始(北鹿島ー鹿島神宮間国鉄乗り入れ)、昭和58年(1983)航空機燃料パイプライン完成に伴い旅客営業は廃止された。

 

③鹿島神宮駅

 昭和60年(1985)開業が危ぶまれた国鉄鹿島線の北鹿島以北を引き受け、鹿島臨海鉄道大洗鹿島線(水戸ー北鹿島)として旅客営業を開始、JR鹿島神宮駅まで乗り入れを開始した。平成5年(1993)Jリーグが創設され、平成6年(1994)北鹿島駅を鹿島サッカースタジアム駅と改称、以来イベント開催日のみ旅客営業されている。乗車日はイベントはなく、通過して9:10鹿島神宮駅に到着、約1時間半の各駅停車の旅だった。

 

④アントラーズ栄光の碑

 平成2年(1990)鹿島を本拠とする住友金属工業蹴球団のプロリーグ参加を申請、しかし当時はJSL2部所属であり、参入の可能性は低かったが、観客席に屋根の付いた1万5千人収容のサッカー専用競技場の建設という条件を受けて茨城県が建設を決定し、初年度からのJリーグ加盟が承認された。鹿島アントラーズはJ1リーグ8回、Jリーグカップ6回、天皇杯5回はいずれも平成5年(1993)のJリーグ発足以後最多で、一度も降格経験がない。令和元年(2019)日本製鉄と子会社が持つ発行済み株式の61.6%をメルカリが購入し、筆頭株主となった。

 

⑤塚原卜伝像

 塚原卜伝高幹は延徳元年(1489)大掾氏一族鹿島氏の四家老の一人・卜部覚賢の次男として鹿島に生まれ、鹿島氏の分家・塚原氏の養子となった。実父から鹿島古流、義父から天真正伝香取神道流を学び、武者修行を重ねて極意を悟り鹿島新當流を開いた。弟子として足利義輝、雲林院松軒、上泉信綱、北畠具教、成田長泰、真壁氏幹、山本勘助らが伝わる。元亀2年(1571)鹿島で死去、享年83。

 

⑥鹿島神宮西一之鳥居

 鹿島神宮にはかつて一之鳥居が東西南北に4基あった。写真の西の一之鳥居(鹿嶋市大船津)は昭和期に陸上に移されていたが、平成25年(2013)の再建で改めて鰐川(北浦)の水上に移された。東の一之鳥居は太平洋に面する明石の浜にあり、北の一之鳥居は平成29年(2017)戸隠神社(鹿嶋市浜津賀)前に再建された。南の一之鳥居はかつて神栖市日川にあったが、現在は息栖神社(神栖市息栖)の一の鳥居が代用されている。鹿島城跡から西の一之鳥居が望めたことに満足して駅に戻る。

 

⑦香取駅

 鹿島神宮駅11:23発佐原行に乗車し、11:40香取駅着。香取神宮の参道までは2kmほどあり、バスかタクシーを利用しようと思っていたが、その気配はなく、帰りは山崎城跡の側高神社に寄る予定だったので往復ともリュックを背負いながら歩くハメとなった。後で調べると次の佐原駅からバスやタクシーが利用できたようだ。ようやくたどり着いた参道脇の蕎麦処で昼食をいただく。

 

⑧香取のアヤメ

 その途上、神道山古墳群あたりで見かけたアヤメ。カキツバタは水中や湿ったところ、ハナショウブは湿ったところに育ち、アヤメは乾いたところに育つ。この写真ではわかりにくいが、花びらに模様や網目があるのでアヤメで間違いないと思う。

 

⑨成田山門前の町並み

 結局、山崎城は攻略できず、香取駅13:48発成田行に乗車し、14:26成田駅着。最後の目的地成田山新勝寺へ。平日とはいうものの思ったほどの混雑ではなかった。それでも境内は外国人の姿も多く見かける。新勝寺の縁起は平将門の乱調伏のための護摩を行ったことによるもので、将門を祀る神田明神や築土神社を崇敬する者はここを参拝してはならないというタブーがあるという。

 

⑩成田駅の郵便ポスト

 郵便ポストの怪しげなゆるキャラは平成22年(2010)デビューの「うなりくん」。表参道に軒を連ねるうなぎ料理の「うなぎ」と成田空港の「飛行機」を掛け合わせた姿をしている。ゆるキャラグランプリ2017では第1位を獲得している。全く知らなかったが関東では有名なのだろうか。成田発17:30の飛行機に乗るため早めに空港に入ったが、国内線の出発ゲートは神戸と比べて閑散としていた。