【映画】 浅草六区。 | せっちんの地獄へズンドコⅩⅩ(怒)!

せっちんの地獄へズンドコⅩⅩ(怒)!

うひょぉぉぉおおおずぐげらびんぼえええっ!

今はロキシーとかゆーよーな、コジャレたエリアになっているのだ。


おれがガキのころは堂々とした、根性のあるモダンなつくりの映画館が立ち並ぶ街だった。

残念ながら、そこの映画街で何を観たのかさっぱり覚えとらん。

なんてったって、あーた、威風堂々とした怪しく薄暗い建物のつくりにあっとーされて、おれは明智小五郎と怪人二十面相は実在したと確信するしかないよーな、江戸川乱歩はノンフィクション・ライターだったのかと思ってしまうよーな場所だったのだ。


だいたい一人で浅草を徘徊する場合はチャリンコで、当時は入場無料の花やしきで遊んで、マルベル堂でブロマイド見て、伝法院通りの古道具屋を冷やかして、六区の映画街をアテもなく、飽きるまでうろついて立ち並ぶ映画館を眺めていたのだ。


やっぱり昔はおおらかってーか、日本人は娯楽を一箇所にまとめるクセがあるってーか、映画館の合間合間に寄席や、ビートたけしで有名なフランス座ってなストリップ劇場とか、呑み屋兼食堂、パチンコ、スマートボール、趣味の悪い洋品店までが混在して、江戸っ子のトラウマを一気に背負った雰囲気だったのだ。


パチンコやスマート・ボールはエジソンが発明しったって、店のおばちゃんが言ってたけど、本当か?


たしか一軒の映画館は、建物の三階あたりに大きなベランダってーかステージが通りに突き出していて、初日舞台挨拶の役者が、劇場舞台挨拶を終えたあと、そのベランダに登場して道を往来する人々に「とっても面白い作品ですのよ、なんてったって、あたしが出てるざーますの。みなさん観にいらして~オ~ホホホホ」と言ったか知らんが、まあ今ではありえないモダンでシャレた西洋にかぶれた場所だったのだ。


ずいぶん前に老朽化が進んで、軒並み壊されてしまったが、おれの秘蔵のアルバムをひっくり返せば当時の写真がジャンジャンあるはずなのだ。


もしかすると、おれは映画が好きなのではなく、映画館が、映画街の面影が好きなのかも知れんのだ。

今はDVDでお手軽に映画を観れるが、それよりもなによりも、この映画館で映画が観たいっ!

てな場所はもうないのだ。