ってーか憧れではあるのだ。
少年の心をもつ、無邪気でアンニュイな大人の男としては。
前にも書いたが、新宿三丁目の呑み屋でダチとモノホンの銃を撃ちてーな、ハワイとかフィリピンとかグァムあたりで撃てるツアーがあるよな。
とか話し込んでたら、隣にいた風采の上がらない薄いサングラスをかけたオヤジに、にーさん銃撃ちたいの? 本物の? ツアーじゃあおカネかかっちゃうよね? どう、おじさんに任せてくれたら、本物の銃が撃てるうえにおカネあげちゃうんだけど。
えーと、写真見る? 撃って欲しいヒトがいるんだけど…。
などと言いながら内ポケットをゴソゴソするのだ。
ダチは酔っていたので、え、何の写真スかぁ?
とか覗き込むので、おれは慌ててダチを連れて席を立ったのだ。
だって写真を見た日にゃあ、おれたちゃ鉄砲玉だぞ、断ったら殺されるぞ。
あれはまだ二十代の、蒸し暑い残暑の日だったのだ。
おれたちは、からかわれただけなのだろーか…。
だから殺し屋に憧れるが映画で十分なのだよ。
荒唐無稽な殺し屋映画ってーと『殺人狂時代』『殺しの烙印』『ピストルオペラ』『殺し屋1』なんてーのが思い当たるのだが、残念ながら『殺しの烙印』は観てないのだ。
なんでも殺し屋組織のランク争いで殺し屋どうし殺しあうってーな箱庭みてーな話しらしーが、地域密着型の物語はバカをやりやすいのだ。
だから同じ鈴木清順監督の『ピストル・オペラ』を観たのだが、これも殺し屋のランク争いの話で、冒頭の東京駅の煉瓦ドームの上で殺される沢田研二とか面白くて、でも、やはり御茶ノ水周辺だけでも十分の箱庭物語なのだ。
『殺人狂時代』、これは前にも書いたが、おれ的にはそーとー面白いコメディなのだ。
『殺し屋1』、これは殺し屋映画じゃなくて、ヤクザ映画のカテゴリーかも知れん。
ちなみに続編で『殺し屋2』とかねーのかな。
洋画だと、やっぱり『レオン』『ニキータ』なのだ。
両方ともリュック・ベッソンの浪花節なのだが、『レオン』の薬品を使ったケミカルな殺し方がけっこー恐いし、えーとなんだっけ? ニコラ・フラメルじゃなくって、ナタリー・ポートマンだっけ? ガキのクセにタバコ吸いやがって。
ウチの駅前じゃ、今夜も小学生が集まってタバコ吸ってたぞこのクソガキ。
子供好きのゲイを怒らすと、おまえら一桁の年齢で生まれた事を後悔するぞ。
それは置いといて、『レオン』のジャン・レノは日本人のおれの感覚として名前のバランスってーかリズムが悪いのだ。
だってジャン・レノだぜ、ぺ・ヨンジュンもヘンだけど、チョウ・ヨンピルはなぜか許せるのだ。
それもいーとして、ジャン・レノの孤独と哀愁と文盲と牛乳好きが健康的で、殺し屋の装飾としていいのだ。
『ニキータ』は、あれは『プリティ・ウーマン』とかいっぱいあるシンデレラ・ストーリーなのだな。
マイノリティな女性が、セレブな男性の力と努力で見事にメジャーにデビューなのだ。
シンデレラが地獄にズンドコしたのが素晴らしい。
最近は『スモーキン・エース/暗殺者がいっぱい』とか面白かったが、ちとドタバタしすぎてあまり殺し屋映画っぽくはないのだ。
やっぱり日本人が感じる殺し屋映画の定石があって、そこに琴糸が触れないと辛いもんがあるのだ。
したら今度はおれが殺し屋映画をでっちあげてみるか。