写真家 ソールライター
たくさんの友人がSNSにあげていて気になって見に行きました。
1950年代からニューヨークで第一線のファッション.カメラマンとして活躍をしながら、1980年代に商業写真から、退き、世間から姿を消したソールライター。
写真界で再び脚光をあびるきっかけとなったのが、2006年にドイツのシュタイデル社によって出版された作品集でした。
時に、ソールライター83歳。
この新たな発見に大きなセンセーショナルを巻き起こし、そなあと、展覧会や出版が相次ぎました。
2012年にはドキュメンタリー映「写真家ソールライター急がない人生で見つけた13のこと」が(日本公開は2015年)が公開されて、、そのなど作品はさらに多くの人々の知るところとなります。
生涯、美の探求者であった、ソール.ライターは
「私たち見るもの全てが写真になる」という言葉を残しています。
日本で見逃してしまうささいな風景中にある「美」の存在、そして、その「美」の発見によってそれぞれの視線を変えることもできる、ということをライターの作品は静かに示唆してくれます。
よく見ると背景に鏡があって後ろ姿のモデルが写っています。
たくさんある写真の中でもひときわ、私にとって印象深い写真でした。
何と言ってもワンポイントの赤い傘
加工アプリでモノクロにしてから一箇所だけ色をつけたりするものがあるが、これはそんなアプリを使わずにそんな情景を。
そして特徴的な視点。
上から覗き見るような視点。
そして、斜めに横切る道路。
あえてまっすぐではなく斜めだからこそ動きをかんじるのかもしれない。
黒、白、赤のは気コントラストな色の組み合わせ。
でも、よくよく見ると
ただ、なんでもない、雪の日、窓から下を覗き込んで撮った写真の様。
でも、とっても新鮮!
ここにも赤い傘。
傘は、ソールライターが好んで使ったモチーフ
そして.黒いコート
こんな視点もあるんだ〜
とっても新鮮!
タクシーの 窓だけ。
本体や屋根すらも写っていない。
そして運転している人の手のみ。
でもタクシーっていうことが伝わる。
やはりここでも印象的なのは色使い。
タクシーにありがちな黄色と赤色。
それをいい具合に影になった黒い色で締めてメリハリが出ていて、都会的にさえも見える。
これもきっと、日常ありふれた風景だと思う。
ここに気がつくかどうか。
これも大雪の中の様子。
これもなんか日常にありそうな風景だけど、
なんか違うってかんじ。
大雪が降っているという臨場感と、
外から俯瞰して見ている静止した感じの、
アンバランスな感じが、面白いのかな?
ソールライターの写真は、
いわゆる安定した構図と言われる王道ではない時があります。
そして、その不安定なアンバランスがいい意味で面白く思ったりします。
ソールライターは、もともと画家をめざしていたので、今回の展覧会でも.絵が展示されていました。
自分がプリントした写真に色をつけたりしたものもありました。
今回のソールライターの写真展は
毎日の中にも美しい瞬間がたくさんあるけど、
見過ごされているんだなあと思いました。
そして彼の視点で、ものを見たら楽しいかも、って思いました。
それは、
すりガラス越しにものを見たり、
建物の上から下を覗き込む様に見たり、
鏡や、窓ガラス等の写り込みをうまく計算に入れてものを見たり、
写真の中にロゴをうまく取り入れたり、
ポイントになる色を効果的に使う
不均衡なバランスてあっても、そこに面白さを感じさせたり
これから、写真を撮る上で、参考になるヒントをたくさんもらえた写真展でした。