【2013アーカイブス】沢田先生からのお便り | 西山夕焼け通信 61春

西山夕焼け通信 61春

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京都西山の麓に育った子どもたち、
1970年に小学校に入学し、
1979年に中学を卒業した彼らも
すでに60代になった。
このブログはこれからの人生を
西山の夕焼けのごとく
あざやかに彩るために配信していきます 

※2013年の同窓会時の記事の再掲載。

澤田先生、あらためてありがとうございます

 

 

澤田先生

2年7組担任、3年3組担任

バスケ部顧問

 

 

みなさんは私の教師生活の原点です。

 

京都に来て、教師として

初めて出会ったのがみなさんでした。

初めての土地、慣れない京言葉、

1学年10クラス以上もあるマンモス校……。

新任として教壇に立つ喜びよりも、

不安のほうが大きかったように思います。

 

2年7組は私が初めて担任したクラスです。

評議員やパートリーダーを中心に

自主的に練習を組み立て、

美しいハーモニーを響かせた

合唱祭での『山のいぶき』は、

今でも心に残っています。

文化祭で取り組んだ劇『夕鶴』は、

生徒と一緒になって創りあげる

楽しさを味合わせてくれました。

「わからないことは生徒に聞こう!」

そう考えて、

生徒の声に耳を傾けた1年目でした。

 

2年目は持ち上がりでした。

1年間の経験があるという思いと、

初めて卒業生(3年生)を

担任するという気負いから、

生徒とともに考え歩もうといいう

気持ちが薄れていったのでしょう。

ベテランの先生方の真似をしてもうまくいかず、

“○○ねばならない”という押しつけをし、

生徒の心はどんどん離れていった

苦しい1年でした。

人生で一度きりの

中学3年生という時間を

豊かで楽しいものに

してあげられなかったことは、

本当に申し訳なく悔やまれてなりません。

 

ですが、同時に私は

みなさんへの感謝の気持ちで

一杯でもあるのです。

それはみなさんとともに

試行錯誤しながら過ごした2年間は、

退職までの33年間、

さまざまな困難と遭遇しましたが、

その度に最初の2年間のことを思い起こし、

自分はどうあるべきかを考えてきました。

 

「教育はテクニックだけではない。

生徒の苦しみや悩み、

願いに真剣に向き合い、

ともに生きる教師でありたい。

そのために

何をするべきかを考えよう」

 

弱いものが虐げられ、

力あるものが

のさばっている大人社会。

それを許す

政治の仕組みがあります。

本来、一人ひとりが大切にされ、

成長が約束されるべき教育の世界も、

その影響をモロに受け、

子どもたちの心と体に

大きな歪みを発生させてしまっていることに、

心が痛みます。

私などができることは

小さな小さなことですが、

それでも、自分を信じるところを

頑固に貫く、

そんな人間として、

これからも子どもたちに

関わっていきたいと思ってます。

 

1月3日、みなさんに

お会いできることを楽しみにしています。

 

 

※2013年の同窓会時の記事の再掲載。