セトのブログ -35ページ目

セトのブログ

歌と英語と作曲と。

(グロ注意)

手技。
髪を剃り、宇宙ゴマの様な万力の様な器具で1mmも動かないように頭を固定。目の辺りまで顔を剥ぎ、厚さ1cm 程の顎を動かす筋肉を切り、頭蓋を円形に切り取って開け、そこから少しずつ少しずつ4時間掛けて患部に到達。血管をクリップで止め作業完了。。らしい。
中が腫れている場合は頭蓋骨の蓋は嵌めずに縫合し、後日もう一度嵌める手術をするらしい。


勿論すべて随分時間が経過してから聞いた話。
なんせ、一週間くらいほとんど意識なかったしね。
全部人任せなこの感じ、慣れんなぁ。


体感上、一週間で一日分の記憶。 そんな感じだ。

「新しい頭蓋骨の蓋は夏だからクリアブルーにして下さい。」

スケルトンブルー、、なんつって。」って言ったとか言わなかったとか。


いつの間にか1階の ICU から上の階に移動。

しかし、外科病棟も怖いけど脳外科は比較に成らんな。

最初うるさいなぁ、と思ってたずっと口汚く喚いて罵っていたおじさんなんかいい方だった。

隣人は緊急~手術だったけど帰って来ない。

次にそこに入った人は、視聴覚室なんかにあるような裏側が緑色の分厚い真っ黒なカーテンで覆われている。

黒幕の中に入った看護婦さんが読み上げるように「べ、つ、ど」と言う。

「ベッドですか? ベッドをどうして欲しいんですか?」と続ける。

患者の方は声が出せる状態ではなく、何かを指すか、パソコンか何かで会話しているのだろう。

どんな状態なのか考えるだけで恐ろしい。。

ま、自分も同じ部屋にいるって事なんだけどね。
自分は至って普通なつもりで隣人とか気にしちゃってるけど、客観的に見れば頭からパイプや管が出たままだし、指から胸から腕から色んな器具に繋がれて激しい痛みに耐えてやり過ごしている。その痛み止めも肝臓の限界に達したそうで打ち止め(涙)


痛い。

それがメインの記憶だ。



鏡が見れないので、自分がどんな有り様か見てはいなかったのだけど、長男と弟そして大阪から来た妹は

「似合ってる」「かっこいい」「髪型このままの方がええよ」

などど勝手な事を言いながら写真を撮りまくっている。

これはまたもや傷跡が増えてしまった自分を気遣ってくれているのだろうか、と思ったが兄弟はみんな意見一致らしい。

傷を見せびらかす髪型はさすがにイタイタしいだろ。


最近スマートフォンに変えたら、長男がその時の画像をくれた。

$セトのブログ-jyutsugo_2010
ま、似合ってる感じはあるな。



一週間何も食べてないらしい。意識無いのも同然だったからな。当たり前か。

入院のお見舞いの定番ってフルーツだけど、あれはいいと思う。
普段全然そんなの食べないのに、弱ってるからかむちゃくちゃ上手い。
桃がうまい。果物の方がビタミンが吸収されやすいらしいと聞いたな。。

食べるって、『生きてる』って感じするんだな。などとぼんやり考える。

そういや、後で主治医が来るって言ってたっけ。
2週間がヤマ、と小耳に挟んだけどもう死ぬ事は無いんだよね?
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ICU にて待機。

待つしかする事が無い。


前頭葉と呼ばれるおでこ辺りの脳が言語を司っていてるらしい。その前頭葉がやられると喋れなくなると聞いた事をふと思い出したので日本語英語構わずひたすら独り言を言っていたら、次男クモ膜下の報を受けた長男が北九州からやってきた。

長男は生死の境をさまよう死にかけの次男と対面する気で飛んで来たのだが、まったくもって普通にへらへらしてる次男を見て拍子抜けした模様。

くぐって来た修羅場の数がなんとか~とか笑いながらも、開頭はいやだなぁ、、とほほ、とか思ってたりするんだけどね。あはは。

せっかく東京に来たんだからなんか食べに連れて行こうかと考える自分の頭の悪さにびっくりしたのも内緒。(大丈夫か、俺?)


しばらく歓談していると、手術開始時刻と開頭である事が告げられる。



なんてこったい。。。


そう、こちらの希望なんて誰も聞いてくれないのだ。


受け入れる。


覚悟を決める。


それしか選択肢はないのだ。


例えそれが死であっても。



神など要らぬ。



ナノマシーンか開頭かは、動脈瘤の位置と角度から開頭手術の方がよりベターと判断されたそうな。

ま、プロが判断したんだから任せるべ。



そうこうしてるうちに、

時、まさに開始時刻。

さぁ、いざ手術室へ向かうぞ! って意気込んでも自分は寝てるだけ。運ばれてくだけ。
なんだかなぁ。。

する事もないし勝手に運んで行くので、先ほどの言語独り言遊び(?)を再開する。もう既に頭おかしいと病院の人は思ったかもだけど気にしない。


ストレッチャー(車輪の着いた担架)のまま手術室に入るもんだと思ってたら、壁際に寄せられ停止~窓みたいなのに付いたシャッターが開きその窓みたいなのから室内に押し込まれる。
ちょっと驚いた。

そのまま滑るように出来てるその台の上をシャーって滑らされて奥へ連れて行かれる。

海鮮市場のマグロにでもなった気分だ。


ようやく到着。
しかしまぁ奥深いところにあるんだなここの手術室は、と見回すと NASA どころか宇宙船の中みたいなハイテクっぷり。病院にありがちな雑多な感じがまったくない。うまく言えないけど美しささえ感じる程だ。

マスクをした看護婦の二人組が麻酔セットとおぼしき物を手に近づいて来た。

ちょっと驚いたのだがこの二人とも自分の妹にそっくり。二人ともなので

「双子ですか?」

「妹にそっくりです」

などと口走る。

やさしく笑って違いますって答えてくれたけど、多分頭おかしいと思われただろう。


血管から入れる全身麻酔って、いつ効いたか判らないから怖い。

いつも突ぜ、、






(先日の続き)

さっさとやっちゃってー。


とは言っても、どういう具体的な処置をするかは入念な検査をしてから決まるそうで、なんかすごい設備の部屋に運ばれる。映画のセットみたいだな。

MRI で撮った頭の輪切り断面図を見せて貰う。

脳の隙間に溜まった血液が白い星形に写っている。

新曲は "White Star/ Death Star" だな。と傷付いた頭の中にメモを取る。


またもや造影剤を投与し検査開始。
ベッドを中心に見た事も無い装置が上下をくるくる飛び回ると、横になった自分のそばに置かれた三つの大型液晶画面に全身の血管が3DのCGで映し出される。CGはセガサターンレベルだが、TOOL みたい。思わず「おぉ、」と言ってしまう。

続いて鼠蹊部(そけいぶ = 足の付け根)を切られ、大動脈から長いチューブ状のナノマシーン(ロボット)を入れられる。

すいすい押し込まれたそのナノマシーンは、今頭の中にまで到達してるらしい。

「うそ?」って言うと、

「動かしてみましょうか」

ナノマシーンが頭の中で、ぐいっと曲がるのが判る。

頭の中で何かが動くなんていう味わった事のない感覚に驚きつつもちょっと焦る。

「お薬出しますねー」と言うと

頭の中で何かがシュワーってなる。

すげぇ、ここは NASA で俺は掴まった宇宙人なんだなきっと。



クモ膜下出血は主に動脈瘤(どうみゃくりゅう)と呼ばれる血管に出来たコブが原因となる。

その動脈瘤の位置や角度大きさによっては、このナノマシーンから針金を出して丸めて動脈瘤を埋めてしまう事も出来るそうな。いやいや、現代の医学は進んでますな。

動脈瘤は、高血圧の人に出来やすいそうです。

血管の曲がり角が血流で押されて膨らんでしまうらしい。

自分の場合はものすごい低血圧だし、動脈奇形であった可能性も高いらしい。

自分の動脈瘤の大きさはクモ膜下出血を引き起こすであろう通常のサイズの三分の一。

この大きさの動脈瘤がクモ膜下出血を一年以内に引き起こす可能性は5%も無いらしい。

自分の場合、超低血圧から歌えるレベルにまで急激に血圧を上げてしまう事が原因かと思われます。


今のところナノマシーンでやるか開頭してからやる手術になるかは五分らしい。

どちらになるかはナノマシーン派の先生と開頭派の先生二人で協議して決まるらしい。


開頭は怖いし、嫌だなぁ。。

ナノマシーンに一票、といきたいが

待つしかないのか、、

出来る事がないのがつらいなぁ。。



さて、この囚われの身(?)の未来はいかに、、

次号、震えて待つ!
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