朝から、スターバックスでマックブックを開くという愚行に出ている。言っておくが俺はドトールの方が好きで、「ミラノサンドは裏切らない」が座右の銘である。妹がまだ眠っているので仕方がないのだ。現在８時、世田谷区の朝は寒い。
あとからあとからスタバに入ってくる、似た様な風態の男達、マウンテンバイクで移動、バックパック、無地 Tでシンプルな服、クセの無い髪型。不思議とみんな似ている。そして、その男達が次々と、マックブックを開き出したことに気が付き、恐ろしくなって、急いでその場を後にする。急にズームで話し出す奴には、特にびっくりした。
妹と合流し、同流したのは良いものの、二人とも疲労感が否めないので、結局昼寝。昼過ぎに、妹は仕事へ、俺は街ブラへ。コンサートまでの時間を潰す。コンサート用に用意していたワイシャツを家に忘れてきた様で、マジへこみ。あまりにもやることがなく、人生初のタコベルへ。パリパリのトルティーヤがあんまり好きじゃないんだよなあ。モチモチの方が好き。ドクターペッパー常備はありがたい。
渋谷を散歩してみることにする。何となあく、あんまり好きな街ではないのだが、昔に街を歩いたときのことを思い出したりしながら、街を散策する。人生で初めて、１０９へ。それ以外は、お店へは入っていない。東京は、湿度が高い様な気がする。シャツが張り付く。
少し早いのだが、暇を持て余し、コンサートの会場である東京芸術劇場のある、池袋駅西口公園へ。いわゆる、池袋ウエストゲートパークってやつだ。特にやりたいこともなく、足も疲れたので、ただ座ってボーッとする。こそこそ煙を吸う。もうめんどくさい。煙、やめようかな。
この、東京芸術劇場というところは、とても気持ちが良い建物だ。ガラス張りの外壁で、中は４階ぐらいからB１まで、吹き抜けになっている。ながーいエスカレーターで上まで登ると、とても景色が良い。カフェ、バー、レストランなども入っていて、風雅な空間だ。コンサートの前に、少しお酒が飲める様になっているのは、とても良いと思った。エレガンス。１９時からコンサートが始まる。菊地成孔とペペトルメントアスカラール。結成２０周年記念コンサート「香水」。
前からとても好きなバンドだし、というか信者だし、最初からスキスキバイブス全開でのお目見えなので、何の文句もない。曲も演奏もとても良かった。菊地さんが、テナーが少しキツそうだったのは、まあご愛敬。しょうがない。とてもカッコ良かった。色悪のサルサ Vr. をやってくれてありがとう。ステップは踏めなかったけど、心は踊っていました。背中のざっくり開いたドレスで観に来ていたご婦人が素敵だった。
余韻に浸りながら山手線に乗り込むわけだが、少し複雑な心境だ。正直、人生の目標を見失っている者として、鬱病で仕事もしておらず金も無い今の状況の者として、頭をバットで殴って欲しかったのだが、そこまで、頭蓋骨に穴は開かなかった。ずっとコンサートのことを考えてはいるものの、充分な感想が見つからない。相変わらず、東京の街、生まれ故郷の街、自分の人生を、彷徨い歩いているしょぼくれた青年がいるだけだ。さあ、俺はどうするんだ。氷水が美味しい季節になってきた。まいばすで、氷を買って帰る。