4月27日(土)に行われたWEリーグ第17節@浦和駒場スタジアム。

DAZN(有料)
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この対戦は第1節:12月20日に行われていて、S広島R1-2浦和L、
皇后杯準決勝で浦和3(4PK2)3S広島Rだった。


浦和は14勝2分け1敗で首位、44得点:1位(13失点:4位)。
STATSを見ても、シュート数236本:1位(被95本:2位)、コーナーキック数106本:1位(被50本:2位)と順位に相応しい成績。
冬期明けの第7節にI神戸と引き分けて以来、9連勝中で、その間29得点4失点。

11清家選手は10試合連続ゴール中と大爆発している。

システムは4-2-3-1。
基本的にいつものメンバーでいつもの配置。CBに24後藤選手が入っていて、これで3試合連続先発だが、その裏返しで、13長嶋選手は3試合登録が無い。
主力に怪我人が多く出ているので、ベンチには若い選手が多く座っている。


S広島Rは5勝4分け7敗で7位、20得点:4位(21失点:8位)。
STATSを見ると、シュート数141本:5位(被149本:7位)、コーナーキック数62本:7位(被78本:9位)と順位なりの数字。

システムは、4-4-2。
こちらも、このところのメンバーと配置。
ベンチには、14松本選手が4試合ぶりに帰ってきているが、13高橋選手の姿が無い。



 

前半、やや膠着。双方チャンスが少なかったが、浦和が2点を先制。
後半も、双方チャンスは少なく互角の戦いで、そのまま浦和が押し切っている。

ボール支配率: 浦和 47%-53% S広島R (Footystats.org)

シュート状況は下図の通り。



 

浦和は、また一歩優勝に近付いている。
5伊藤選手の先制点はヘディングゴール。当たり・コース共に抜群でしたね。
マークの20島袋選手も遅れずに体を合わせているが、決めきっていて、強さという意味でも良いシュートでした。
11清家選手の連続ゴールは10で止まってしまったが、

あと4試合は勝つことだけに専念できるとも言える。

ただ、大卒の新人CB:24後藤選手が負傷退場。レディースユースからこの冬に昇格した30岡村選手が出場している。3石川選手もだが、CBの経験値という意味で、不安が増している。



S広島Rは、試合的には勝てる要素は無かったが、

ボール支配など内容では、ほぼ互角に戦えていた。

後半早々の2本のシュートは惜しかったし、強さを見せることが出来ていた。
また、先発した28古賀選手、途中出場の30李選手16早間選手も機能していて、新戦力による底上げという点でも、明るい内容の試合だったと思う。
さきのI神戸に続いて強敵に対し、良い戦いぶりで、
このくらい出来るハズだと思うんですけれどね・・・このチームは。

ただ、11中嶋選手17遠藤選手に相性悪いですね。徹底的にタテを切られて、中央に入っていけばヘルプが来て詰まる・・・の繰り返し。左サイドで優位を構築出来ないと、チームとしても優勢にならなかったですね。



では、いつものようにコーナーキックを見ていく。



(1)両チームのディフェンスシステムと攻撃体制。

浦和は、マンツーマンディフェンス中心で2人のゾーン固定配置。

S広島Rも、マンツーマンディフェンス中心で2人のゾーン固定配置。



下表に、スタメンを身長順に並べる。



 

3石川選手の分だけ浦和が有利だが、他はほぼ互角の範囲のマッチアップ関係。


(2)統計 

例によって、私が採っているSTATSを紹介します。



 

2nd回収A:守備ラインが上がり切る前に2次攻撃(シュート・クロスなど)
2nd回収B:守備ラインが上がりきってから2次攻撃(同上)
2ndロスト:守備側がボールを拾って確保
2nd逆襲:守備側がボールを拾って逆襲
トータルシュート数:{プレーの中断、守備側の確保、攻撃側バックス陣帰陣}までに打ったシュート数。



(3)コーナーキックの内容と特記すべきプレー


A.浦和のコーナーキック

a)体制

キッカーは16水谷選手19塩越選手(右利き)。

受け手の体制は、以下のようにして始まっている。

・ニアへ: 11清家選手3石川選手
・正面からファーへ: 24後藤選手19塩越選手6栗島選手18柴田選手
・GK脇: 15島田選手5伊藤選手
・ショートコーナー: -
・コボレ狙い: -
・セーフティー: 17遠藤選手

 

b)結果概要

ポインタはDAZN の時間。

1本目 (31:44 ポインタ40:1) 右CK 16水谷選手11中嶋選手カット・ドリブル・11清家選手カット。11中嶋選手ファール。
2本目 (46:45 ポインタ1:13:51) 右CK 16水谷選手3石川選手ヘディングシュート。浮いてGキック。
3本目 (73:49 ポインタ1:40:55) 左CK 19塩越選手9上野選手ヘディングクリア→11中嶋選手クリア。スローイン。
4本目 (76:26 ポインタ1:43:32) 左CK 19塩越選手GK藤田選手キャッチ。
5本目 (88:31 ポインタ1:55:37) 左CK 19塩越選手11清家選手フリック→15藤生選手11中嶋選手30李選手クリア→6栗島選手ブロック。スローイン。



c)全般的な印象と特記すべきプレー

早い時間帯に2点取った浦和は、勝利の次の第2課題:11清家選手の11試合連続得点のためのコーナーキックになっている。

11清家選手のコーナーキックからの得点パターンはニアでの合わせ。
全てのプレーで、11清家選手がニアへ先頭で走っている。
また、1本目・2本目で16水谷選手がキッカーを務めているが、おそらく球質や精度的に、ニアでの合わせの可能性が、19塩越選手より高いと見たのだと思う。
19塩越選手は、どちらかと言えばパンチを効かせて伸ばす球質で、正面~ファーサイドでの競りに向いた球質だと私は認識している。


ア) 1本目 (31:44 ポインタ40:1)

16水谷選手の低いコーナーキックを11中嶋選手が出足良くカットし、逆襲に出ようとしたプレー。



これは、仕込まれた企画。
時々浦和が右コーナーキックの1本目に見せるプレーで、

いつものフィニッシャーは8猶本選手だが、11清家選手にしている。


① 普通ならショートコーナーを受ける態勢の18柴田選手や、コボレを拾う6栗島選手たちは、ファーサイドで邪魔しないようにして、
15島田選手がゾーン固定配置の9上野選手の外側からスクリーンに立って、シュートエリアを確保する。
3石川選手6左山選手を押し込んで、11清家選手マークの5市瀬選手を絡ませようとしている。
これらの結果、11清家選手は十分フリーになって、ニアサイドへ向かっている。

ただ、16水谷選手のキックがゴール側に寄って出てしまったので、カットされている。
もしかしたら、11中嶋選手の頭に、このサインプレーが有ったのかも知れない。
私もやりそうだなと配置を見た時点で思った。

この浦和のサインプレーは、基本的には良いと思うのだが、いつもどこかに不自然さがある。
いつもは「キッカーが8猶本選手じゃない」なのだが、
この試合の場合には、①の18柴田選手6栗島選手の配置が露骨。臭いを発している。



イ)2本目 (46:45 ポインタ1:13:51)

3石川選手が惜しいヘディングシュートを打ったプレーだが、

「この試合の第2課題」のためには、惜しくともなんともないプレー。



動画:キック5秒前から始まります。
https://www.youtube.com/watch?v=Y2s1mlprCvQfeature=youtu.be&t=87

15島田選手28古賀選手を壁に使って11清家選手がニアへ出る。マークの5市瀬選手は壁のゴール側へ迂回する。典型的なラッシュ&ピックB(リンク参照)
② そこに、30岡村選手がファーに反転、マークの15藤生選手5市瀬選手が鉢合わせしそうになる。クロス(リンク参照)が非常に効果的に決まる。
11清家選手はニアで大フリー。

まず、壁を使うことで、5市瀬選手11清家選手が離れるし、5市瀬選手の走行ルートが限定される。
そこに、クロスして30岡村選手がファーヘと向かって、5市瀬選手11清家選手の間に入り込めば、間隔は更に開くし、実戦のようにディフェンス同士が絡みそうになることも十分起こりえる。
 

結論として、偶発的だったかも知れないが、このプレーはピックプレ-として、よく出来ている。



この後の3本は、11清家選手がニアへ先頭で走っているが、特に企画らしいものは無かった。



B.S広島Rのコーナーキック

a)体制

キッカーは8小川選手(右利き)。

受け手の体制は、以下のようにして始まっている。

・ニアへ: 5市瀬選手9上野選手
・正面からファーへ: 6左山選手
・ニアポスト前: 28古賀選手
・GK脇: 18渡邊選手15藤生選手
・ショートコーナー: 26立花選手
・コボレ狙い: -
・セーフティー: 11中嶋選手20島袋選手

b)結果概要

ポインタはDAZN の時間。

1本目 (49:19 ポインタ1:16:25) 右CK 8小川選手ゴロ→18柴田選手カット
8小川選手クロス→(18渡邊選手を越えてルーズボール)19塩越選手クリア。スローイン。
2本目 (52:38 ポインタ1:19:44) 左CK 8小川選手9上野選手ヘディング・30岡村選手9上野選手5市瀬選手シュート・3石川選手ブロック→5伊藤選手クリア。スローイン。



c)全般的な印象と特記すべきプレー

特にない。



以上です。



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ブログ内関連記事

 

目次 1.概要(アメブロ版)

 

2-3 局面的な技術:パターン① ラッシュ&ピックB 2015/11/29

2-4 局面的な技術:パターン② クロス 2015/12/06






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関連記事など、外部リンク

DAZN(有料)
浦和 vs S広島R : 第17節 WEリーグ | 4/27 土曜日
https://www.dazn.com/ja-JP/fixture/ContentId:5e1y6g6usguue43qbkvlgty50/5e1y6g6usguue43qbkvlgty50/od3hggbab5cm1gdq60k5bjkjs

WEリーグ_Youtube
【公式】ハイライト:三菱重工浦和レッズレディース vs サンフレッチェ広島レジーナ【2023-24 WEリーグ 第17節 2024.4.27】
https://www.youtube.com/watch?v=Y2s1mlprCvQ

Footystats.org
2024年4月27日 - 14時00分 (Asia/Tokyo)
浦和レッドダイヤモンズ・レディース対サンフレッチェ・広島
https://footystats.org/jp/japan/urawa-red-diamonds-ladies-vs-fc-sanfrecce-hiroshima-regina-h2h-stats#7342230


浦和_HP
2023-24 WEリーグ 第17節 vs サンフレッチェ広島レジーナ 【MATCH PARTNER DHL】 試合後監督コメント
https://www.urawa-reds.co.jp/redsladies/ladies_news/2023-24-we%e3%83%aa%e3%83%bc%e3%82%b0-%e7%ac%ac17%e7%af%80-vs-%e3%82%b5%e3%83%b3%e3%83%95%e3%83%ac%e3%83%83%e3%83%81%e3%82%a7%e5%ba%83%e5%b3%b6%e3%83%ac%e3%82%b8%e3%83%bc%e3%83%8a-%e3%80%90match-partn/

2023-24 WEリーグ 第17節 vs サンフレッチェ広島レジーナ 【MATCH PARTNER DHL】 試合後選手コメント
https://www.urawa-reds.co.jp/redsladies/ladies_news/2023-24-we%e3%83%aa%e3%83%bc%e3%82%b0-%e7%ac%ac17%e7%af%80-vs-%e3%82%b5%e3%83%b3%e3%83%95%e3%83%ac%e3%83%83%e3%83%81%e3%82%a7%e5%ba%83%e5%b3%b6%e3%83%ac%e3%82%b8%e3%83%bc%e3%83%8a-%e3%80%90match-par-2/


S広島R_HP
4.27 土 14:00 WEリーグ 第17節 vs. 三菱重工浦和レッズレディース AWAY浦和駒場スタジアム 三菱重工浦和レッズレディース 2 対 0 サンフレッチェ広島レジーナ
https://www.sanfrecce.co.jp/regina/matches/20240427/report