1月20日(土)に行われた準決勝@サンガスタジアム by KYOCERA。
昨年も準決勝で当たっていて、2-1でI神戸が勝っている。

NHK-BS

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I神戸はWEリーグ7節まで、5勝2分け、12得点3失点、で首位。
新潟L・@マイ仙台・N相模原・C大阪・@東京NBに勝ち、@AC長野・大宮Vに分け。
これで満足はしていないだろうが、良いスタートを切っている。
STATSを見ると、シュート数92本:3位(被47本:2位)、コーナーキック数32本:4位(被27本:3位) とまずまずなのだが、首位を行くチームとして圧倒しているわけでも無い。

昨年夏に経験値の高い中盤の選手が抜けて、CUP戦初期に連敗もしたし、内容も悪かった。そこに14水野選手が怪我を再発。駒数に余裕が有るわけでは無いし、不安を抱えてリーグ戦の開幕を向かえた。
だが、アンカーにコンバートした6松原選手が安定し、16天野選手も特徴を発揮できるようになって、強さを取り戻している。

この試合に関しては3-5-2と言うより、10成宮選手が少し上がり気味で、3-4-1-2。
左CBで15井手選手が半年ぶりに先発。24愛川選手をTOPに入れてスタートしている。
ここまで出場の多い所では、15竹重選手7山本選手は登録外。



EL埼玉は、WEリーグここまで2勝1分け4敗、5得点7失点。
@S広島R・AC長野に勝って、@東京NBに分け、マイ仙台・@浦和・C大阪・千葉Lに負け。
(私に言わせれば)2年最下位のチームとしては、順当な滑り出し。
ここまでのSTATSは、シュート数54本:10位(被73本:7位)、コーナーキック数22本:12位(被36本:10位) と苦しい内容だが、よく守って凌いでいる印象。

昨年夏、多数の選手を入れ替えたが、8園田選手が良く機能し攻撃を支えている。
ただ、実績のあるベテラン・中堅選手の層が薄くなったので、采配(選手起用)の幅は、かなり狭まっている。

システムは色々変えているが、準々決勝同様に3-4-2-1を採用。
6瀬野選手がTOPで、2シャドーに8園田選手10吉田莉選手他、同じ先発メンバー。
ベンチには3松久保選手ら順当なメンバーが座っている。



 

前半、I神戸がボールを保持しつつも膠着していたが、先制する。
後半、EL埼玉が追い付いて、突き放されても、縦に速く攻めてペースを掴み、なお追い付く。
延長戦は、再び膠着。I神戸が個人でボールを進めて打開、終了間際に決勝点を取っている。

シュート状況は下図の通り。



I神戸は辛勝。
2回追い付かれたが、9田中選手などの頑張りでEL埼玉ゴールに迫って、最後に決勝点を取り切っている。延長後半の戦いぶりからは、タイトルを狙うチームとして気持ちの強さを感じさせられた。

ただ、後半67分から延長109分の間シュート無しと、攻めあぐねた。
引いて守られて、中央・両サイド共にウラを取れなくなって、バックラインにはね返され続けていた。この時間帯の工夫の無さは、いただけない内容だった。

これで決勝進出。相手は浦和。
5回戦~準決勝とは全く違う展開になるだろうから、この試合の出来・不出来からは、ちょっと予想が付かない。良い試合をやってもらいたい。



一方のEL埼玉は東京NB戦に続いて、強敵相手に良い試合をやったと思います。
堅く守って、ボールを奪ったら早く攻め、後半途中からは、完全に流れを掴んでいた。
また、3失点したが、2点目はVARが有ればハンドでノーゴールだったろうし、決勝点は悔しい失点で、惜敗だったと思います。

個人では29祐村選手が久々に良かったですね。調子の波が大きく、信頼は今一つだけれど、魅力は絶大、賭けてみたくなる選手ですね。
また、地味だけれど13佐久間選手14北川選手を押さえていて良かったと思います。

これでEL埼玉はウィンターブレーク。
リーグ戦再開に向けて、対等に戦えるチームに対してどう戦うのかが、このチームの課題なのでしょう。堅守速攻の戦術だけだと、安定しては勝てない。中盤をどう組み立てるかが課題なのでしょう。



では、いつものようにコーナーキックを見ていく。



(1)両チームのディフェンスシステムと攻撃体制。

I神戸は、マンツーマンディフェンス中心で2人のゾーン固定配置。

EL埼玉も、マンツーマンディフェンス中心で2人のゾーン固定配置。



両チームの先発を背の順に並べると以下の様になる。



 

ほぼ互角のマッチアップ関係。



(2)統計 

例によって、私が採っているSTATSを紹介します。



 

2nd回収A:守備ラインが上がり切る前に2次攻撃(シュート・クロスなど)
2nd回収B:守備ラインが上がりきってから2次攻撃(同上)
2ndロスト:守備側がボールを拾って確保
2nd逆襲:守備側がボールを拾って逆襲
トータルシュート数:{プレーの中断、守備側の確保、攻撃側バックス陣帰陣}までに打ったシュート数。



(3)コーナーキックの内容と特記すべきプレー

A.I神戸のコーナーキック

a)体制

キッカーは13北川選手(左利き)16天野選手(右利き)。

受け手の体制は、以下のようにして始まっている。

・ニアへ: 9田中選手15井手選手
・正面からファーへ: 3土光選手5三宅選手
・GK脇: 24愛川選手
・ショートコーナー: 10成宮選手
・コボレ狙い: 6松原選手
・セーフティー: 2守屋選手16天野選手

b)結果概要

1本目 (00:41) 右CK 13北川選手5瀬戸口選手ヘディングクリア。再CK。
2本目 (01:01) 右CK 13北川選手GK浅野選手キャッチ。
3本目 (12:27) 左CK 16天野選手15井手選手ヘディングシュート。左へ逸れてGキック。
4本目 (25:38) 右CK 13北川選手9田中選手ヘディングシュート→右ポスト。外側に跳ねてGキック。
5本目 (46:34) 右CK 13北川選手5瀬戸口選手ヘディングクリア
10成宮選手13北川選手10成宮選手ドリブル・クロス→24大沼選手ヘディングクリア。15井手選手ファール。
6本目 (57:29) 左CK 16天野選手24大沼選手ヘディング→5瀬戸口選手ヘディングクリア。スローイン。



c)全般的な印象と特記すべきプレー

おそらくメインターゲットを9田中選手に設定し、ニアでの合わせを狙ったのだろう。
実際4本目 (25:38)にポストを叩く惜しいシュートが有った。

9田中選手としては6瀬野選手とのマッチアップで勝っていて、
1・2本目は3土光選手を壁に使ったピックプレ-で6瀬野選手を剥がしていたが、
3本目からは自力でも優勢に進められて、自信が有ったように思われる。
4本目しか合わなかったのはキッカーの精度の問題。
この2年で中島選手・阪口選手・脇坂選手が抜けて、専門的なキッカーが不在。
13北川選手16天野選手は、いずれも今期になってからのキッカーで、しばらくは、9田中選手は我慢するしかないのでしょうね。



B.EL埼玉のコーナーキック

a)体制

キッカーは5瀬戸口選手(右利き)。

受け手の体制は、以下のようにして始まっている。

・ニアへ: 20岸選手6瀬野選手
・正面からファーへ: 24大沼選手17唐橋選手2木下選手
・GK脇: 13佐久間選手
・ショートコーナー: ―
・コボレ狙い: 8園田選手10吉田莉選手
・セーフティー: 19金平選手

b)結果概要

1本目 (05:54) 右CK 5瀬戸口選手15井手選手ヘディングクリア
2木下選手回収→10吉田莉選手ドリブル→2木下選手クロス→5瀬戸口選手ヘディング。5瀬戸口選手ファール。
2本目 (100:55) 左CK 5瀬戸口選手9田中選手ヘディングクリア
29祐村選手回収・フィード→5三宅選手ヘディングクリア
10吉田莉選手フィード→18高橋選手シュート。浮いてGキック。



c)全般的な印象と特記すべきプレー

今期、頻度は低いがピックプレ-をやっているEL埼玉であるが、この試合は特に企画的なことはやっていない。
特記事項も無い。



以上です。



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