11月26日(日)に行われたWEリーグ第4節@浦和駒場スタジアム。
多くのチームが23日に第3節を戦って中2日での試合となっている。
DAZN(有料)
https://www.dazn.com/ja-JP/fixture/ContentId:b7txmirw49yjq5musew9krztg/b7txmirw49yjq5musew9krztg
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浦和は、昨期優勝。
この夏に、一法師さんが引退、上野選手・植村選手が移籍、
5伊藤選手を移籍獲得し、大学卒業予定の選手を特別している。
さきのカップ戦では、2勝2分け1敗、10得点4失点。
2023W杯代表選手に休養を与えたことも有って、グループリーグで敗退したが、細かなSTATSを見るとシュート数やコーナーキック数は過去のリーグ戦並みに、相手チームを上回っていている(90-06:参照)。
その後、ACL invitationに11月5日から参加、過密日程になっていて、特になでしこ代表選手はウズベキスタン遠征から続いている。
リーグ戦に入って、EL埼玉を下し、東京NBには2点追い付いて引き分け。
まずまずのリーグ戦スタートを切っている。
この試合は、いつもの4-2-3-1。
ボランチには初先発の14角田選手が入って、TOPに15島田選手。
4佐々木選手・6栗島選手・9菅澤選手・19塩越選手ら、ベンチには豪勢なメンバーが座っている。
7高橋は選手はベンチ外。ACL invitationで途中退場していて以来出番がなく、月末からのなでしこJAPANのブラジル遠征にも呼ばれていない。
千葉Lは、昨期8位。
この夏に大滝さん・鶴見さんが引退、市瀬選手・今井選手・広瀬選手らが移籍。
15加藤選手・17山口選手・19上野選手・21サンプソン選手を獲得している。
14大熊環選手はケガから復帰したが、昨期全休した13曽根選手・18安齋選手はまだ復帰出来ていない。
先のカップ戦は1勝3分け1敗。5得点6失点。
順位表の項目は体裁が整っているようだが、シュートやコーナーキック数は対戦相手に大きく負けていて、かなり心配になる状況だった(90-06:参照)。
リーグ戦ここまで、C大阪・東京NBに負け、N相模原に勝ち。
負け越してはいるが、約1カ月の間に立て直したのか、STATS的には良くなっていて、楽しみが出てきた。
この試合のシステムは、4-3-3。守備の時は7小川選手が上がって4-4-2。
GK33米澤選手・CB3石田選手・左SB19上野選手・右SH24城和選手・インサイドセンター7小川選手らが先発し、目新しい布陣。
主力の9大澤選手・10鴨川選手らはベンチスタートになっている。
前半、中盤での捻り合いが続いていた後、徐々に浦和に形勢が傾くが、スコアレスでHT。
後半になっても浦和の攻勢が続き、2点取って勝利している。
ボール支配率: 浦和 54%-46% 千葉L (Footystats.org)
シュート状況は下図の通り。
この試合は過密日程でイレギュラーな試合だったので、戦力的な議論をすべきでは無い。
いつもより短めに。
浦和は、9菅澤選手と11清家選手の2人で点を取って快勝。
特に9菅澤選手は2試合連続の途中出場でゴール。役者が違う、流石であります。
初先発の14角田選手も守備では良い所を見せていたが、
攻撃になると周囲と息が合わないし、周囲の選手たちより良いポジションを取れないため、なかなかボールを受けられない。
高いレベルのチームで若手が台頭するのは、難しいことだと思って見ていた。
ただ、後述のようにコーナーキックのマークでは不安な所を見せていて、力不足のようだった。
一方の千葉Lは結果的に作戦負け。
前半は運にも恵まれて無失点で凌ぎ、後半9大澤選手・10鴨川選手を投入して、ここから攻勢・・・と言う意図だったのだろうが、前に出て行った分、守備が疎かになったし、相手の切ったカードの方が強く、敗戦。
その中でMF21サンプソン選手が短時間ながら初出場。
8岸川選手に代わってアンカーに入った。
コンタクトに強いのは間違いないだろうが、スピードや運動量は疑問を感じさせる動きだった。チームが浮上する切っ掛けになれればいいのだけれど・・・。
では、いつものようにコーナーキックを見ていく。
(1)両チームのディフェンスシステムと攻撃体制
浦和は、マンツーマンディフェンス中心に2人のゾーン固定。
千葉Lは、マンツーマンディフェンス中心に3人のゾーン固定。
両チームの先発を背の順に並べると以下の様になる。
高い方から4人は互角だが、千葉Lが5人目以降で優位なマッチアップ関係。
(2)統計
例によって、私が採っているSTATSを紹介します。
2nd回収A:守備ラインが上がり切る前に2次攻撃(シュート・クロスなど)
2nd回収B:守備ラインが上がりきってから2次攻撃(同上)
2ndロスト:守備側がボールを拾って確保
2nd逆襲:守備側がボールを拾って逆襲
トータルシュート数:{プレーの中断、守備側の確保、攻撃側バックス陣帰陣}までに打ったシュート数。
(3)コーナーキックの内容と特記すべきプレー
A.浦和のコーナーキック
a)体制
キッカーは16水谷選手・8猶本選手(右利き)。
受け手の体制は、以下のようにして始まっている。
・ニアへ: 11清家選手・15島田選手
・正面からファーへ: 3石川選手・10安藤選手
・GK脇: 5伊藤選手
・ショートコーナー: 18柴田選手
・コボレ狙い: 8猶本選手
・セーフティー: 14角田選手・17遠藤選手
b)結果概要
ポインタはDAZN の時間。
1本目 (30:9 ポインタ43:33) 左CK ショートコーナー 16水谷選手→5伊藤選手→16水谷選手クロス→5田中選手ヘディングクリア
⇒5伊藤選手シュート→(GK米澤選手パンチング?)。Gキック。
2本目 (39:52 ポインタ53:16) 左CK 16水谷選手→5田中選手ヘディングクリア
⇒18柴田選手回収→14角田選手クロス→8岸川選手→7小川選手→23小林選手クリア。スローイン。
3本目 (50:27 ポインタ1:18:42) 左CK 16水谷選手→24城和選手ヘディングクリア。再CK。
4本目 (50:59 ポインタ1:19:14) 左CK ショートコーナー 16水谷選手→8猶本選手ドロブル・クロス・17山口選手ブロック。再CK。
5本目 (51:19 ポインタ1:19:34) 左CK 8猶本選手→5田中選手ヘディング→7小川選手クリア。スローイン。
c)全般的な印象と特記すべきプレー
5本蹴ったのだが、特に企画はなかった。
おそらく、2021プレシーズンマッチの頃がコーナーキックの質が最も高くて、その後ずっと落ちていような印象を持っている。
B.千葉Lのコーナーキック
a)体制
キッカーは23小林選手・10鴨川選手(右利き)。
受け手の体制は、以下のようにして始まっている。
・ニアへ: 11千葉選手・4林選手
・正面からファーへ: 8岸川選手・3井上選手・24城和選手・5田中選手
・GK脇: -
・ショートコーナー: 7小川選手
・コボレ狙い: -
・セーフティー: 17山口選手・19上野選手
b)結果概要
ポインタはDAZN の時間。
1本目 (6:16 ポインタ19:40) 右CK 23小林選手→(8岸川選手を越えて、バウンド、3井上選手空振り)→24城和選手・11清家選手→17山口選手→16水谷選手逆襲→5伊藤選手→(アドバンテージ・15島田選手)。4林選手ファール。
2本目 (57:49 ポインタ1:26:4) 左CK 10鴨川選手→15島田選手ヘディングクリア→8猶本選手・逆襲・ドリブル。14大熊環選手ファール。
3本目 (65:25 ポインタ1:33:40) 右CK 10鴨川選手→3石川選手ヘディング→6伊藤選手クリア
⇒19上野選手回収→GK米澤選手。再組み立て。
4本目 (72:36 ポインタ1:40:51) 右CK 10鴨川選手→11清家選手ヘディングクリア
⇒19上野選手回収→10鴨川選手ドリブル・16水谷選手・11清家選手クリア
⇒17山口選手回収→GK米澤選手。再組み立て。
5本目 (75:47 ポインタ1:44:2) 右CK 10鴨川選手→8岸川選手ヘディング→5田中選手シュート→GK池田選手キャッチ。
6本目 (84:59 ポインタ1:53:14) 右CK 10鴨川選手→9大澤選手ヘディング→4林選手オーバーヘッドシュート→8猶本選手ブロック→3石川選手→10安藤選手クリア。スローイン。
c)全般的な印象と特記すべきプレー
過密日程の中、チーム全体を動かすような企画を新たに仕込むのは、難しい。
過去の企画を掘り起こすか、少人数のユニット芸を行うか、いずれかになるだろう。
やっていたことは2つ。
① コーナーキック前に組むハドルを6・7人で組むが、実際に走り込むのは5人。
普段ショートコーナー対応・GK脇・コボレ対応をしている背の低い守備選手をゴール前の競りに巻き込む。
② 4林選手を中心にピックプレ-(ユニット芸)を行っている。
先のカップ戦では、もっと複雑なことをやっているのだが、ピックプレ-をシンプルに行っていた。
1本目 (6:16 ポインタ19:40)で、4林選手が14角田選手をブロック、11千葉選手がフリー。
2本目 (57:49 ポインタ1:26:4)では、4林選手と17遠藤選手を壁に使って、9大澤選手がニアヘ出てフリー。
2本目を図にしておく。
メンバーチェンジで千葉は3人入れ替わっている。
浦和は、基本背の順でマークしたが、14大熊環選手(169cm)が走り込まなかった。
そのため、9大澤選手に付いた18柴田選手が、ゴール前に巻き込まれている。
11千葉選手が自力でフリー、さらにピックプレ-で9大澤選手がフリーになっている。
また17遠藤選手・18柴田選手・10安藤選手が塊になってしまって、
守備は非効率な配置になっている。
千葉Lとしてはチャンスだった。
ただ、この試合に関しては、11千葉選手が14角田選手に対し、ニアサイドへのダッシュで、自力で十分優位な態勢を作れていた。シンプルなニア狙いで良かったように思う。
以上です。
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関連記事など、外部リンク
DAZN(有料)
浦和 vs 千葉L : 第4節 WEリーグ | 11/26 日曜日
https://www.dazn.com/ja-JP/fixture/ContentId:b7txmirw49yjq5musew9krztg/b7txmirw49yjq5musew9krztg
WEリーグ_Youtube
【公式】ハイライト:三菱重工浦和レッズレディース vs ジェフ千葉レディース【2023-24 WEリーグ 第4節 2023.11.26】
https://www.youtube.com/watch?v=A_9fe88NwjA
Footystats.org
サッカーデータと順位表 › 日本 › WEリーグ › 浦和レッドダイヤモンズ・レディース vs ジェフユナイテッド市原・千葉レディース
https://footystats.org/jp/japan/urawa-red-diamonds-ladies-vs-jef-united-ichihara-chiba-ladies-h2h-stats#7218352
浦和_HP
2023-24 WEリーグ 第4節 【MATCH PARTNER 三菱重工】 vs ジェフユナイテッド市原・千葉レディース 試合後監督コメント
https://www.urawa-reds.co.jp/redsladies/ladies_news/2023-24-we%e3%83%aa%e3%83%bc%e3%82%b0-%e7%ac%ac4%e7%af%80-%e3%80%90match-partner-%e4%b8%89%e8%8f%b1%e9%87%8d%e5%b7%a5%e3%80%91-vs-%e3%82%b8%e3%82%a7%e3%83%95%e3%83%a6%e3%83%8a%e3%82%a4%e3%83%86/
2023-24 WEリーグ 第4節 【MATCH PARTNER 三菱重工】 vs ジェフユナイテッド市原・千葉レディース 試合後選手コメント
https://www.urawa-reds.co.jp/redsladies/ladies_news/2023-24-we%e3%83%aa%e3%83%bc%e3%82%b0-%e7%ac%ac4%e7%af%80-%e3%80%90match-partner-%e4%b8%89%e8%8f%b1%e9%87%8d%e5%b7%a5%e3%80%91-vs-%e3%82%b8%e3%82%a7%e3%83%95%e3%83%a6%e3%83%8a%e3%82%a4%e3%83%86-2/
千葉L_HP
2023-24 WEリーグ 第4節 11.26 SUN 14:00 KICKOF AWAY 浦和駒場スタジアム 三菱重工浦和レッズレディース2 0 ジェフユナイテッド市原・千葉レディース
https://jefunited.co.jp/matches/stats/620