2018年からMycujoo配信やなでしこリーグのYouTube配信が始まり、2020年は全試合YouTube配信、WEリーグ:2021-2022からはDAZNとなり、各チームを均等に観戦できるようになりました。

N相模原に関しても、合計54試合、攻撃209本・守備277本のデータを蓄積しています。

 

以下にN相模原の2022-2023WEリーグのコーナーキックの状況の概容と、2023-2024の予想を記載していきますが、原則下図のような配置を基に述べていきます。

 
長期離脱:
GK1久能2023/06~3ヶ月、MF6松原2023/03~、DF18福住2023/03~8週間、MF 2下山2021/3〜8ヶ月、FW25牛久保2022/12~3ヶ月
MF7平田2023/01~2023/04、MF14井上2023/03~2023/05、DF 15工藤2022/03〜2022/12
DF26出耒村2022/08~2022/12

退団
DF3石田み2023/6引退、DF4畑中2023/06スペランツァ高槻、MF6松原2023/06引退、MF8北方2023/03 大和S、MF10杉田2023/07新潟L、MF11佐々木 2023/01 豪BaysideU、FW13野島2023/03 豪Illawarra Stingrays、DF15工藤2023/06、DF17小林2023/07、DF18福住2023/06オルカ鴨川、MF19石田千新潟L、FW20松本S広島R、FW23浜田遥2023/06スペランツァ高槻、FW25 牛久保 2023/03引退、DF26出耒村2023/06、FW29齋藤2023/07D出雲
 
 

攻守の配置について、リーグ戦終盤の1例を示します。

 

第21節:2023/06/03

 
 
(1) 2022-2023シーズンの全般傾向。
 
リーグ戦で1得点、失点4。
2020年1部に上がって初の黒字収支を出したが、2年連続で赤字収支。それも小さくはない。
 
 
レベルを(A)~(E)で評価。あくまで私の視点です。
 
① 高さ関係:普通に戦えている(C)
 
2部から上がってきたときは非常に小柄なチームだったが、新人選手や補強で大型選手を入れ改善させている。
 
2022-2023は、ロペス選手(182cm)が抜けたが、大賀選手(169)を中心に、松原選手(168)、石田千選手・松本選手(164)などが主力で先発。
 

冒頭の配置図で、10人平均は161.5。平均的な値。

 

② 軸になる攻撃:5大賀選手の正面~ファーサイド(C)
キックのニア/ファー分布は平均的。
基本的には、ニアポスト前を狙っている様だが、特定の選手は居ない。
正面~ファーサイドでは5大賀選手を狙っていた。

 

③攻撃の工夫・戦略:感じられなかった(D)

G前密集陣形を10回(49本中)確認しているが、密集に向けて蹴るだけで、特に工夫は無い。結果はシュート1本。

また、このチームにはピックプレーの文化はほぼ無い。

ショートコーナーも10杉田選手の個人判断で目先を変えているだけのモノ。

 

④守備力:リーグ最下位(D-)
シュートの被弾率は37.0%(全データ平均23.8%)と悪いし、先着を許したのが43.1%(同31.9%)と良くない。
平面戦では4畑中選手、19石田千選手らを中心に頑張っていて、私の採った記録ではリーグ4位と良い値が出ているのだが、先着も許しているし、シュートも浴びている。
球際に弱いと言わざるを得ない。

 
(2)データ
 
A.なでしこリーグ・リーグカップ公式記録より
 
 
B.独自収集データより
あくまで、私が観戦・ブログ化した試合が対象ですし、独断と偏見で判断して集めたデータです。
①集計表とシュート率・被シュート率のグラフ2枚
②左右CKの集積図
③配球位置分布・先着分布表
 
 
 

 
 

 

 

 

イメージ 1

 

 

 

(3)詳細評価

 

以下話がさらに長いです。興味のある方は読んでいただければ幸いです。

 

A.攻撃詳細
 
2022-2023年リーグ戦で1点。点を取ったのは、28笹井選手。

 

独自データでは、全ての指標で良くない。

・先着できていない(27.3%、全データ平均31.9%)

・フリーで到達出来ていない(9.1%、全データ平均15.9%)

・シュートも打てていない(18.2%、全データ平均23.8%)。

・平面戦でも勝てない。(ブービー:4.98 全データ平均5.15)

 

a)ニアでの合わせ(D+)

 

独自データでは、ニアへ先頭で走り込んだ選手は、バラけている。
4畑中選手7回、30浜田芽選手7回、20松本選手6回、という記録。
 
頼れるメインターゲットは居ない。
 
b)中央からファーでの競り(C)
 
5大賀選手が中心で、戦略的にもメインターゲットだったと思う。
ただ、ターゲット5回、先着2回と集中しているわけでは無い。
6松原選手がシーズン大半を離脱したので、マトが1箇所だけになったので、キッカーも狙いにくかったのだと思う。
 
 

c)ショートコーナー・ローボール(C+)

 
2022-2023リーグ戦で、私が記録したのは、ショートコーナー8回で、昨期の2回から急増している。
頻度的にもAC長野・S広島Rに次いでリーグ3位。
菅野監督は第1次政権(~2018)で多用していたし、キッカーの10杉田選手もやりたい方だと私は評価しているので、増えたのだろう。
 
ただ、戦略的だったとは言え無い。様子見のモノがほとんどだった。
 
d)キッカーと戦術選択(C)
 
2022-2023リーグ戦では、10杉田選手(左15本/右27本)がメインキッカー。
他には17小林選手(0/2)のみ記録している。
 
共にパンチの効いたボールというより、曲げて落とす球質で蹴る。
 
e)ピックプレー(C-)
 
このチームにはピックプレーの文化は無く、2022-2023リーグ戦で確認できたのは3回だけ。
 
 
f)ゴール前密集隊形(C+)
 

2022-2023リーグ戦で確認できたのは10回。出現率的にはS広島Rに続いて2位。

ただ、密集に向けて蹴るだけで、工夫をしている訳では無い。
 

g)相手ゴールキーパーの守備範囲限定(D)
 
GK脇にセットするのは、9南野選手が一般的。
ただ、見ていて上手いと思ったことは無い。
 
h)その他
 
特にはない。
 
 

B.守備詳細
 
a)基本守備体系

2021-2022リーグ戦では、ロペス選手が出場すれば、松原選手・大賀選手とで3人をストーンとしてゴール前に並べる形。
2022リーグ戦では、主に2平野選手と10杉田選手をニアポスト前に並べる形。
ストーンに関する考え方が、監督交代によって大きく変わっている。
 
ショートコーナーには、あまり積極的には対応していない。
 
b)各選手の傾向・特徴
 
各選手密着型のマークをしている。
離してマークする選手は居ないので、ヘルプディフェンスは基本ない。
 
c)マンツーマンのマークの強さ(D)
 
独自採点の平面戦はチーム平均で5.0は、リーグ4位とまずまず戦えている。
中でも4畑中選手の4.3は素晴らしく、リーグでも屈指。
だが、シュート被弾率37,0%(全データ23.8%)とリーグワースト。守れていない。
なでしこリーグ1部に上がってきた2016年は小柄な選手が多く、仕方なかったが、
昨今は平均的な身長状況となった。
スリムな選手が多く、球際の弱さが露呈している。
 
 
d)逆襲力(C-)

あまり逆襲に重点を置いたシフトではないし、強力なドリブラーもいない。
10杉田選手が出すパスは魅力だが、終盤まで7平田選手が離脱していたので、脅威とは言いにくい。
 
f)統制(C-)
2021-2022からは5大賀選手が仕切っていたが、マーク漏れを私は確認していない。
良くやっていたと思う。
 
 

(4)この約7年間の傾向・推移
 
A.個人の力の増減

a)キッカー
2015年~2018年まで田中陽選手が中心で蹴っていた。
2019年は中野選手が中心で蹴っている。
2020年は分散したが、北方選手や中野選手がその中では多めだった。
2021-2022シーズンは小林選手や伊東選手が蹴っていたが、
  途中入団の杉田選手が後半蹴っていた。
2022-2023 ほぼ杉田選手が蹴っている。
 
 
b)ヘディング力
1部に上がってきたときは高木選手(164cm ~2018年)が最も戦える選手で、
高さ・強さともに、おそらくリーグ最弱だった。
 
松原選手(2018年~)、大賀選手(2019年~)と大型の即戦力大卒選手を獲得し、
ジェフから櫻本選手(2019年~)も加入して、普通には戦える状態にはなった。
2021-2022は、圧倒的なロペス選手が入団。コーナーキックの目玉になったが、1年で退団。
2022-2023は、松原選手の稼働率が上がらず強さを失っていた。
 
 
c)攻撃のメインターゲット・頼れるプレー
2016年1部昇格以降、メインターゲットが居ない。
2019年櫻本選手が加入したが、使い切れていない。
2021-2022シーズンはロペス選手。居ても居なくてもニア狙い。
2022-2023は大賀選手で主に正面~ファーサイド狙い。
 
d)ピックプレー

このチームにはピックプレーの文化はかったが、2020年終盤に試行錯誤が見られた。

2021-2022シーズンは2度しか確認していないが、ロペス選手の副作用とも言える

 
e)守備の統制
尾山選手(~2017年)平野選手・吉見選手・高木選手(~2018年)らが退団。
それも有って、2019年はゾーンにしたのかと、私は思う。
2020年もはっきりとしたリーダーが判らなかったが、
シーズン後半から石田み選手がやっているように思えた。
2021-2022シーズン以降は5大賀選手が仕切っていた。
 
 
(5)2023-2024シーズンの予想など

 

大量の選手がチームを離れ、

その中には主力選手や、実績のある選手が多く含まれていて、はっきり言って不透明。

 

①キッカーが居なくなった。

実績の有る杉田選手・小林選手・北方選手が退団。

9南野選手や17川島選手あたりが蹴るのかな?

 

②松原さんが引退。攻守で5大賀選手にかかる負担が大きい。

 

AC長野のように、戦略的にやらないと期待出来ないが、

菅野監督は、凝ったことをやらないだろうと思う。

 

 

 

履歴

 2020/01/26 作成(アーカイブ)
 2021/03/17 更新(アーカイブ)
 2022/08/27 更新(アーカイブ)
 2023/08/16 更新
 
以上です。
 

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