皇后杯準決勝12月24日の試合で、@サンガスタジアム by KYOCERA
https://www.youtube.com/watch?v=5qUd1DuxjSo(ハイライト)

なでしこリーグのこのカードは、以下の結果。
第2節 新潟L(2-3)浦和: 終盤浦和が大逆転。
第7節 浦和(2-1)新潟L: 浦和が優勢に進めて寄り切る。
いずれも浦和がボールを支配していたが、新潟Lがよく守って食らいついていた。



 

浦和はいつも通りの4-2-3-1。
18柴田選手が皇后杯に入って登録外。第17節で負傷退場していたが、引きずっているのだろうか?
10安藤選手をTOP下にいれ、16水谷選手を1列下げた配置。


対する新潟Lも、準々決勝と同じメンバー。
いつもの4-4-2で、8石淵選手をTOPに入れた布陣。
3中村選手は、リーグ戦第17節以来登録外。怪我の内容は発表されてないが、大事に至っていないことを願う。




試合は、PK戦で浦和の勝ち。
ボールを支配していたのは浦和だが、新潟Lの2本のシュートがバーを叩いていて、2点目が近かったのは新潟Lかも知れない。
私のメモによると、シュート数(短距離ブロックなどを含む)26/10、枠内シュート数10/1、エリア内シュート数9/5。[浦和/新潟L]


浦和は着実に新潟Lのゴール付近まで攻め上がれるのだが、守備を崩せなかった。
10本のシュートをブロックされているが、ちょっと単調だったかな?と思う。
①裏への抜け出しが少なかったこと。(組立て攻め上がれるから狙わなかったのか?)
②新潟Lの守備を開かせたり、引っ張り出させたりできなかったこと。ゴールから遠ざかるパスが有効ではなかった。
まあ、日テレが引いて守ることはしないだろうから、この試合の反省などは後回しでも良い。


新潟Lは惜しかった。
PKで1番手の5川村選手が外して敗戦。
チームの大黒柱として予定通りの順番で蹴ったのだろう。
が、15イ・ヒョギョン選手5川村選手は、延長終了間際のプレーを見ていると、もうとっくに限界を超えていたようだった。この2人は後回にした方が・・・と思って見ていたら、この結果になった。

戦術的には、2人しか交代を使わなかった。90分間を交代無し。
おそらく、新潟Lの選手たちの状況が良くないのだろう。
9児野選手は短時間だったし、準々決勝同様に29千野選手は出さず仕舞い。
苦しい台所事情と、地元の積雪の中、よく頑張ったと思う。

でも、やっぱり10上尾野辺選手には、新潟Lとしてタイトルを取らせてあげたかったなぁ。
(しつこく繰り返しますが・・)


得点

13分 (12:04) (20m左FK)8猶本選手(シュート)

24分 (23:20) (80m正面)5川村選手(~65m正面→45m右サイト)17滝川選手(~25m右サイド・クロス・10m左ポスト前)10上尾野辺選手(胸トラップ・ハーフボレーシュート)

~:ドリブル

その他主なチャンス
  SB:Shoot Block SC:Shoot Cut ES:Easy Save S:Save FS:Fine Save B:Bar P:Post 
  F:Free(GKと1対1など) 

浦和
02:11~S,03:53~SB,06:00~,FK10:53~,13:55~S,FK16:35~ES,CK23:09~S,31:33~SB,CK32:46~,FK38:57~,40:09~FS,CK41:01~,41:22~
48:34~S,CK51:46~,59:14~,62:16~SB,65:14~SB,66:47~SB,70:02~SB,75:53~SB,80:03~ES,80:42~S,CK81:23~,86:29~S,CK90:17+~,CK91:44+~
FK91:17~,CK92:07~SB,CK93:27~,CK97:18~,FK102:14~,105:10+~B
106:41~,CK118:23~


新潟L
FK26:24~,42:04~SB,CK42:53~,FK43:57~
54:48~B,56:32~,62:55~,74:05~,78:01~
-
107:07~B

では、いつもの通り、コーナーキックを分析していく。



(1)両チームのディフェンスシステム

浦和はマンツーマン中心で、2人のゾーン固定配置。

新潟Lはマンツーマン中心で、5川村選手をゾーン固定配置。
10上尾野辺選手8石淵選手を前戦に残し、反撃狙いの布陣。
16園田悠選手(延長は11瀧澤選手)が浦和のシフトに合わせて、ニアポスト前10m辺りに固定配置されることもあった。



ちなみに、先発選手を身長順に並べると以下のよう。

浦和  GK1池田168
  3    2      9     11   19    10       4       8      16    6
 南 長船 菅澤 清家 塩越 安藤 佐々木 猶本 水谷 栗島
172 170  168   166   166  165    160    158   158   156

新潟L GK21高橋166
  5        15         8        7     14     4     18        10         16      17
川村 イ・ヒョギョン 石淵 園田瑞 北川 三浦 松原 上尾野辺 園田悠 滝川
 169     167       165    164    164  163   162       157      156     153

やや浦和有利だが、互角の範囲。


(2)統計 

例によって、私が採っているSTATSを紹介します。

               浦和     新潟L
コーナー本数       12       1
得点(1次攻撃)             


センタリング→シュート  0/4     0/1
センタリング→パス    0/3      
ルーズボール                 

クリアー          1/1       
キーパーパンチ      0/2      
キーパーキャッチ             
 * フリー/競り合い
オフェンスファール      0       
ディフェンスファール     0       
キックミス           1       
ショートコーナー不発           
時間つぶし           0       
直接ゴール                 
オウンゴール                  0


フリーになった選手    1/4      
    (ボール受け/ボール来ず)
ピックプレー:推定含む  1/0      
     (成功/失敗)



(3)コーナーキックの内容と特記すべきプレー


A.浦和のコーナーキック

a)体制

キッカーは8猶本選手17遠藤選手(右利き)。
受け手は以下の体制で始まった。走り込む位置は色々。

・ニアへ:9菅澤選手2長船選手
・正面からファー:11清家選手3南選手
・GK脇: 10安藤選手
・ショートコーナー: 16水谷選手
・コボレ狙い: 6栗島選手
・セーフティー: 4佐々木選手19塩越選手

b)結果概要

1本目 (23:09) 左CK ショートコーナー 8猶本選手16水谷選手8猶本選手クロス→3南選手ヘディングシュート→GK高橋選手キャッチ。
2本目 (32:46) 右CK 8猶本選手9菅澤選手ヘディングシュート・叩ケズ流レ
19塩越選手回収→4佐々木選手19塩越選手6栗島選手16水谷選手ロングフィード→18松原選手ヘディングクリア。スロー-イン。
3本目 (41:01) 左CK 8猶本選手GK高橋選手パンチング・18松原選手14北川選手ヘディング→16園田悠選手クリア。
4本目 (51:46) 右CK 8猶本選手10安藤選手コボレ→7園田瑞選手タッチヘ。負傷者アリ。
5本目 (81:23) 左CK 8猶本選手GK高橋選手パンチング→4三浦選手クリア。
6本目 (90:17+) 右CK 8猶本選手5川村選手17滝川選手クリア。スローイン。
7本目 (91:44+) 右CK 8猶本選手7高橋選手シュート。サイドネット。

 


8本目 (92:07)  右CK 8猶本選手2北原選手ヘディング折り返し→16園田悠選手
17遠藤選手回収→8猶本選手クロス→7高橋選手24北川選手7高橋選手シュート・15イ・ヒョギョン選手ブロック・11瀧澤選手コボレ・11清家選手モドシ
6栗島選手回収シュート・16園田悠選手ブロック。再CK。
9本目 (93:27) 右CK 8猶本選手7高橋選手ヘディング・浮キ→2北原選手ヘディング
3南選手モドシ→6栗島選手17遠藤選手~(17滝川選手8石淵選手11瀧澤選手)カワシ・転倒→4三浦選手クリア。スローイン。
10本目 (94:31) 右CK 8猶本選手5川村選手11瀧澤選手
⇒パスカット16水谷選手8猶本選手19塩越選手5川村選手カット→4三浦選手クリア
11本目 (97:18) 右CK 8猶本選手19塩越選手フリック→15イ・ヒョギョン選手
19塩越選手回収→8猶本選手クロス→4三浦選手ヘディング→16園田悠選手ヘディング
6栗島選手シュート。右へハズス。
12本目 (118:23) 左CK 17遠藤選手キックミス→17滝川選手持チ上ガリ。



c)全般的な印象と特記すべきプレー

ア)1本目 (23:09)

浦和がショートコーナーで攻めたが、新潟Lがどう守るのか、実は以前から興味が有った。
普通に2人でゾーン固定されている場合、ニアポスト脇に立つ選手が、コーナーに向かうが、新潟Lの場合、5川村選手1人のゾーン固定配置なので、ショートコーナーに対応するのが誰か、疑問だった。


このプレーの配置はゴール前しか映像に映っていないが、以下の様になっていたハズ。
①前戦に新潟Lは8石淵選手10上尾野辺選手を残しているので、浦和は4佐々木選手19塩越選手で対応した。
6栗島選手もセーフティー的に下がっているのだが、上がって来られる位置でもあるため、16園田悠選手が、対応していると思われる。(完全に下がっていれば、約10mニアポスト前の破線の位置に入っているのが、新潟L的には通例)

この状態から、浦和がショートコーナー。
16園田悠選手が対応に行っているが、間に合っていなくて、8猶本選手にクロスを上げられている。ただ、少しはプレッシャーになっていた。



じゃあ、6栗島選手がファーサイドに居たら・・?と、まだまだ、疑問は残った
 

でもこのプレーで、判った重要なことは、5川村選手が無反応だったこと。クロスが上がって来ない状況になるまで、持ち場を離れないと考えて良さそうだ。

以後浦和はショートコーナーをやらなかった。
だが、延長戦に浦和は5本コーナーキックを得ているが、ショートコーナーからドリブル突破を図れば面白かったと思う。
特に17遠藤選手ならフレッシュだったし、疲れているはずの17滝川選手との2対1なら、楽勝だったと思う。
17遠藤選手が抜けて来れば、さすがに5川村選手が対応する事になるのだろうが、5川村選手17滝川選手以上に限界だったので、大チャンスだと思って私は見ていました。


イ)3本目 (41:01)

クロス(2-4:リンク参照) のピックプレーが、非常に珍しい最高の形で成立している。
9菅澤選手3南選手が走行線を交差させることで、15イ・ヒョギョン選手4三浦選手が交錯している。

クロスで、守備側選手同士がぶつかるのは、もちろん偶然によるモノだが、効果は絶大で、一気に2人がフリーになれる。
このプレーの場合、3南選手は全力で駆けていないが、ニアヘ走った9菅澤選手マークの15イ・ヒョギョン選手は、後ろを追えてもいない。



B.新潟Lのコーナーキック

a)体制

キッカーは、16園田悠選手(右利き)。
受け手は以下の体制。

・ニアへ: 14北川選手4三浦選手
・正面からファー: 8石淵選手5川村選手
・GK脇: 18松原選手
・ショートコーナー: 
・コボレ狙い: 17滝川選手7園田瑞選手
・セーフティー: 10上尾野辺選手15イ・ヒョギョン選手


b)結果概要

1本目 (42:53) 右CK 16園田悠選手5川村選手ヘディングシュート・叩ケズ→GK池田選手キャッチ。



c)全般的な印象と特記すべきプレー

1本だけで、ボールに先着できているが、特記すべきプレーでは無かった。
この1本も新潟Lは5川村選手をターゲットとしたファーサイド狙いだった。


 以上です。

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ブログ内関連記事


目次 1.概要(アメブロ版)

 

2-4 局面的な技術:パターン② クロス 2015/12/06

 

4-147 なでしこリーグ 浦和 0-2 新潟L 2018/10/15

4-207 なでしこリーグ 新潟L 0-1 浦和  2019/10/22

4-230 なでしこリーグ 新潟L 2-3 浦和 2020/07/27

 


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関連記事など、外部リンク

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【第42回皇后杯】準決勝 浦和レッズレディースvsアルビレックス新潟レディース
https://www.youtube.com/watch?v=5qUd1DuxjSo

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20.12.24 皇后杯 JFA 第42回全日本女子サッカー選手権大会 準決勝 vs アルビレックス新潟レディース 試合後 監督・選手コメント
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新潟L_HP
皇后杯JFA第42回全日本女子サッカー選手権大会 準決勝
https://www.albirex-niigata-ladies.com/game/result/pg3324422.html