本日8月12日Yahoo-Blogから移設しました。
https://blogs.yahoo.co.jp/haru9510911824

しばらく、チェックなどをしています。

なでしこリーグのコーナーキックの分析を主にやってます。

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8月3日行われたリーグカップ決勝。
 
日テレ
 山下(有吉・石清水・土光・清水)(長谷川・三浦・宮川)(宮澤・田中・籾木)
I神戸
 武仲(鮫島・三浦・三宅・高瀬)(杉田・伊藤)(八坂・増矢・中島)京川
 
試合の展開は、正月の皇后杯のリプレーのようでした。
 
I神戸は、17イ・ミナ選手はベンチ外、76分投入の10岩渕選手は妥当としても、13仲田選手は延長戦からと遅めの投入。最後は2守屋選手を入れて、11高瀬選手を前戦に上げた。
アタッカーの駒数不足と状態不良。よって前からプレスで当たるという選択肢は、I神戸には無かったのでしょう。
そんな事情で、6伊藤選手8杉田選手のボランチは、攻撃・守備共に、ほとんど縦位置にならず、横に並んだまま。前には行かず、しっかり守って、カウンターという戦略でした。
公式記録上はシュート数で14:3の大劣勢ですが、それほどの大差ではなくI神戸は現状戦力としては良く戦ったと思います。
 
ですが、先制はしたものの、延長で9田中選手にゴールをこじ開けられての敗戦。
特に16三浦選手は、抜かれて決勝点をたたき込まれ、だめ押し点を献上する悔しい結果になった。
が、9田中選手にそれまでは、ほとんどやらせていなかったし、1対1でボールを奪い取ったプレーも有った。
高さや強さは無いが、動き出しが速くて、遅れてファールをしないので、2守屋選手15羽座選手よりも、安定していると思います。秋のリーグ戦後半もスタメンでしょう。
クソ高い授業料を払って得たこの経験を、しっかり今後に活かして欲しいと思います。
 
 
一方日テレは横綱相撲でした。
運動量とプレー精度で上回って、分厚い攻めでI神戸を押しこんでいました。
多くの若いメンバーが、チャンピオンのメンタリティーを持っているチームは、文句なしに強いです。
 
難点が有ったとしたら、19植木選手不在で、明らかに1対1で勝てる状況を作れなかったこと。
19植木選手が仕掛け続けることで、11高瀬選手をガス切れに追い込む構図が、
この数試合の分岐点になっていたのですが、その図式にならなかったこと。
 
そのため、サイドからクロスを上げる展開になったが、I神戸の守備も堅く、味の無い攻めになっていた。
また効果的なミドルも打てなかったのも、攻めあぐねた原因だと思う。
 
 
得点:
 42分(41:42~) (70m右)11高瀬(30m左)2清水(10m左)28八坂
  (GK躱し~1m左→13m左)9増矢(5m正面)7中島(ボレーシュート)
  https://mycujoo.tv/view/highlight/1077746
 
 50分(49:03~) (左CK)10籾木(7m右ポスト前)9田中(ヘディングシュート)11高瀬
  (ブロック5m右ポスト前)4土光(シュート・ゴール直前正面) 8杉田(シュートカット4m正面)
  6有吉(シュート)
  https://mycujoo.tv/view/highlight/1077755
 
 105分(104:00~) (75m右)4土光(40m右ポスト前)9田中(45m右ポスト前)
  11小林(~20m右ポスト前→15m右)9田中(~16三浦躱し・13m右ポスト前シュート)
  https://mycujoo.tv/view/highlight/1077777
 
 110分(108:52~) GK山下(35m左サイド)5三宅(30m左)16三浦(20m左ポスト前)
  9田中(~15m右ポスト前・シュート)
  https://mycujoo.tv/view/highlight/1077781
  
~:ドリブル

 Mycujoo ポインタ操作  前半     :+09:48  後半      :+25:22
            延長前半:+34:53 延長後半:+37:01
          
その他主なチャンス
  SB:Shoot Block SC:Shoot Cut S:Save FS:Fine Save B:Bar P:Post
  F:Free(GKと1対1など)
 
日テレ
 02:03~S,03:35~SC,CK13:40~,FK19:18~,22:12~P,CK25:12~,
  CK25:42~,33:34~,FK35:56~,40:46~S
 51:25~S,CK56:12:~,64:22~SB,64:36~SB,CK65:25~,CK67:26~,
  74:56~,CK77:20~,FK82:52~
 CK94:47~F,97:03~SB,CK97:52~
 -
 
I神戸
 FK04:50~,15:16~SB,CK16:05~,18:22~SB
 45:07~SC,CK51:03~,52:06~S,CK69:50~,CK70:15~,CK70:36~SB
 -
 CK101:46~F

では、いつもの通り、コーナーキックを分析していく。
 

(1)両チームのディフェンスシステム
 
日テレは9人守備で、マンツーマン中心の2人ゾーン配置。
 
I神戸は10人守備で、マンツーマン中心の2人のゾーン配置。
 
日テレがゴール前に密集陣形を敷いてきたら、ゾーンディフェンス。
ゾーン配置の選手を図にする。
イメージ 7
 

ちなみに、先発選手を背の順にならべる。
 
日テレ 4      9       22      2      5     15     6      8      14      10
        土光 田中 石清水 清水 宮川 宮澤 有吉 三浦 長谷川 籾木
        164  164   163     160   160  160   159   156     156    153
I神戸  5    11      3      16    14      8      9     7     28    6
        三宅 高瀬 鮫島 三浦 京川 杉田 増矢 中島 八坂 伊藤
        165  164   163   163   163   162  160  158   158   150
 
互角の範囲。
 

(2)統計

例によって、私が採っているSTATSを紹介します。

               日テレ    I神戸
コーナー本数        10       6
得点(1次攻撃)       1       0
センタリング→シュート  0/3      0
センタリング→パス    1/0     1/1
ルーズボール         1         0
クリアー           0/2     2/0
キーパーパンチ       0/1      0
キーパーキャッチ      0/1       0
オフェンスファール       0         0
ディフェンスファール      0         0
 * フリー/競り合い
キックミス               1       2
ショートコーナー不発      0       0
時間つぶし           0       0
直接ゴール           0       0
オウンゴール          0       0
フリーになった選手     1/3     2/3
    (ボール受け/ボール来ず)
ピックプレー:推定含む    0      2/1
     (成功/失敗)
 

(3)コーナーキックの内容と特記すべきプレー
 
両軍がゴール前密集陣形を敷いた。
日テレはこれまでも頻繁に実施しているが、I神戸は珍しい。
 
この陣形を敷く理由は以下のこと。
① 主目的は当然ゴール近くを攻めること。
 その際はGKの動きを止めることがキーになると考える。
 GK相手をブロックするのだから、少しでも体を当てに行ったりすれば
 ファールとなるので、正しい(しっかり止まって、体の中心でゴールキーパーを
 止める)プレーが必要になる。
② 裏プレーとして、ディフェンスをゴール前に集める。
 ゴール前から少し外側に出てシュートしたり、ミドルを打ったり。
 
① の観点から言えば、にわか仕込みのI神戸の方が出来ている。
と言うか、日テレは密集陣形を敷いても、GKの動きをコントロールする様なことはしない。
私には意図が伝わってこないプレーが多く、この試合もそう。
が、決めたのは日テレ。私がチェックしたI神戸戦では初ゴール。19本目のことである。
 

A. 日テレのコーナーキック
 
年に数回程度だが、大事な試合で仕込みを見せる日テレ。リーグカップ決勝でやってきた。
ただ、笑っちゃいけないのだろうが、いつも変テコなものになっていて、首をかしげる。
 
体制は以下の通り。
キッカーは14長谷川選手が左CK、10籾木選手が右CKを主に蹴った。
共にインスウィング。
また、この2人で常時ショートコーナー体制を採っている。
なお、4本目と10本目の左CKを10籾木選手が蹴っている。
 
受け手は以下のパターンが多かったが、固定と言うほどでは無い。
・ニア:4土光選手5宮川選手9田中選手
・正面からファー:22石清水15宮澤選手(18遠藤選手)
・GK脇:6有吉選手(11小林選手)
・コボレ狙い:8三浦選手
・セーフティー:2清水選手
 
また、ゴール前に密集を作ることも5度。
 
 1本目 (13:40 ポインタ23:28) 左CK 14長谷川選手4土光選手ヘディングシュート。
  右へ逸れる。
 2本目 (25:12 ポインタ35:00) 右CK 10籾木選手14京川選手。再CK。
 3本目 (25:42 ポインタ35:30) 右CK 密集陣形 10籾木選手→キックが大きく、
  左サイドへ抜け。9田中選手が回収。
 4本目 (61:26 ポインタ1:29:49) 左CK 密集陣形 10籾木選手9田中選手
  ヘディングシュート。11高瀬選手がブロックしたこぼれ球を4土光選手がシュート。
  8杉田選手が直前で止めるが、6有吉選手が押しこんでゴール。
 5本目 (56:12 ポインタ1:21:34) 左CK 14長谷川選手18遠藤選手ヘディングシュート。
  右へ外れる。4土光選手9田中選手がクロス(2-4:リンク参照)
イメージ 5
 
 6本目 (65:25 ポインタ1:30:47) 右CK 密集陣形 10籾木選手GK武仲選手
  パンチング。
 7本目 (67:26 ポインタ1:32:48) 左CK 14長谷川選手11高瀬選手クリア。
  4土光選手22岩清水選手でラッシュ&ピックB(2-3:リンク参照)
 8本目 (77:20 ポインタ1:42:42) 右CK 密集陣形でI神戸にゾーンディフェンスを
  敷かせてからファーサイドへ散開。10籾木選手GK武仲選手キャッチ。
 9本目 (94:47 ポインタ2:09:40) 左CK 密集陣形 14長谷川選手4土光選手折り返し
  →9田中選手シュート・左へ外れる。
10本目 (97:52 ポインタ2:12:45) 左CK 密集陣形 10籾木選手→直接Gラインを割る。
イメージ 4
 
 
2本目に問題の仕込み。
① ゴールライン近く・ファーサイドに6人集める
② まず22岩清水選手がスタート、ファーポスト前で立ち止まる。
③ 5宮川選手9田中選手がニアへ走る。
というパターン。
 
好意的に考えると、4土光選手22岩清水選手が、8杉田選手5三宅選手をブロックして、ラッシュ&ピックBをダブルで行う計画だったように見える。
だが、混乱してしまい、ブロックも効いていないし、5宮川選手9田中選手が被ってしまった。
キックも合わなかったので、失敗に終わった。

特に5宮川選手はスタートダッシュで8杉田選手を振り切っていたのに、前が詰まり気味になって、追いつかれている。作戦が裏目に出ている。
イメージ 3
 
 
4本目で得点が決まっている。
9田中選手のヘディングが、11高瀬選手に当たってこぼれた所に、4土光選手がいち早く反応したのが素晴らしい。反転シュートも、8杉田選手に止められはしたが良かった。
守備では、9増矢選手9田中選手に競りに行かなかったのは、極めて疑問だし、こぼれ球に最も近かったのに、反応出来なかったのも、9増矢選手らしくない。
2人のプレーの差が生んだ得点と言える。
イメージ 2
 
 
5本目、7本目と散らばった配置から走り込む場合に、ピックプレーが見られた。
いずれも4土光選手のサポートで、16三浦選手に掛けている。
9田中選手はニアに走り出した後、方向転換しクロス(2-4:リンク参照)
22岩清水選手は、1人目でニアに走り出した後、止まって振り返り、
 2人目に走ってくる選手のマークマンにブロックを打つラッシュ&ピックB
 
7本目が単純だが綺麗に決まっているので図にしておく。
イメージ 1
 
 
B.I神戸のコーナーキック
 
珍しくゴール前密集陣形をやってきたが不発。
I神戸のコーナーキックは低迷が続いている。
 
キッカーは左右CK共に7中島選手。右利き。
受け手などの体制は、主に以下の通りで、ほぼ固定。
・ニア:5三宅選手14京川選手
・中央からファー:8杉田選手11高瀬選手
・GK脇、または、ファーでコボレ狙い:9増矢選手10岩渕選手
・PKアーク付近でコボレ狙い:6伊藤選手28八坂選手
・セーフティー:3鮫島選手16三浦選手
 
 1本目 (16:05 ポインタ25:53) 左CK 密集陣形 7中島選手→直接ゴールラインを割る。
 2本目 (51:03 ポインタ1:16:25) 左CK 密集陣形 7中島選手→大きすぎて
  ファーサイドへ抜ける。
 3本目 (69:50 ポインタ1:35:12) 左CK 7中島選手11小林選手クリア。再CK。
 4本目 (70:15 ポインタ1:35:37) 左CK 7中島選手5三宅選手ニアで流し。
  11小林選手ブロック。再CK。
 5本目 (70:36 ポインタ1:35:58) 左CK 7中島選手14京川選手ニアで流し。
  28八坂選手シュートを14長谷川選手ブロック。
 6本目 (101:46 ポインタ2:18:47) 左CK 7中島選手8三浦選手ヘディングクリア。
  8杉田選手のシュートはオーバー。
イメージ 6
上図を見ていただいておわかりいただけると思う。
ゴールラインから近い所しか狙っていない。
確かに、ニアへ走り込む5三宅選手14京川選手はマークマンを自力で引き離しているので、そこに合わせたいところだ。
が、ニアポスト前には2人ディフェンスが居るので、そのカバーに合って、競りになったり、パスやシュートをブロックされている。
ゾーン配置の2人の前を取るか、ゴールエリアの外からも攻めるべきだと思う。

 

私がコーチなら、マンツーマン中心のディフェンスに対し、先のフランスW杯で欧米のチームが使った9人目・10人目を見せて、マーク漏れの選手を使う戦法を取り入れるだろう。
I神戸には他のチームより練習とミーティングの時間があるのだから、しっかり習得出来るはずだと思う。
6伊藤選手のヘディングシュート」なんてレアなものを見られるかもしれない。
おそらく、この手詰まり感を払拭するには最も近道だと思う。

 以上です。
 
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