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サーバントコーチ 世古詞一オフィシャルブログ -個人と組織の変革のヒント

株式会社サーバントコーチ代表取締役 世古詞一のブログです。

昨日の夜、何気なくTVを見ていたら
ヴァイオリニストの高嶋ちさ子さんと
フィギュアスケート元世界女王浅田真央さん
が対談する場面で、こんなお話がありました。
 
あの、ソチ五輪での裏話です。
 
ショートプラグラム(SP)で
冒頭のトリプルアクセルで転倒し
16位と出遅れました。しかし、
翌日のフリープログラム(FP)で、
完ぺきな素晴らしい演技を見せて
皆が涙した、あの裏にあったこと。
 
何が彼女を立ち直らせたのか?です。
 
SPが終わって、当然落ち込み
周囲の「切り替えろ」という言葉も
耳に入らず、寝付けなかったそうです。
 
そんな状態が続き、翌日(FP当日)の
お昼に、姉の舞さんから電話が入る。
 
「楽しんでやっておいでよ♪」
 
という、とても軽い言葉(と本人は解釈)
を掛けられて、真央さんは
 
「楽しんでできるわけないでしょー!」
 
と怒り、思いのたけをぶつけたそうです!
 
すると、もんもんと思っていたことが
吐き出せて、とてもスッキリ。
これで、切り替えができて
あの演技につながったというのです。
 
「姉のお陰です。」と真央さん。
 
こんな風に、一見ネガティブな言動も
吐き出せることは良いことですね。
 
よく、企業研修で上司の方に
 
「今1on1ミーティングをやっていて
うまくいっていることと
うまくいっていないことは何ですか?」
 
と投げかけて、書いてもらいます。すると、
 
【部下がネガティブな話ばかりする】
 
というのを
うまくいっている方に書く人もいれば
うまくいってない方に書く人もいます。
 
どうしてでしょうか?
 
まず本来、ネガティブな話が出てくること
自体はニュートラルなことです。
ただ、話をしただけ。たんなる事実です。
 
では、なぜ上司はネガティブに捉えるか?
一つには、部下のネガティブ話を聞いた上司が
【ネガティブな】気持ちになってしまうので、
ネガティブな方に書いている可能性があります。
 
もう一つは、単にネガティブなことを言う部下は
良くない状態で、1on1で解決できてないから
うまくいっていないと考えています。
 
一方、うまくいっているに書いている人は、
「部下はネガティブな話を言ってくれている」
と捉えています。本音を言ってくれていると
 
そういうスタンスがあると、部下のネガティブな話を、
真央さんのお姉さんのように、受け止められるでしょう。
 
すると部下の話を聞き続けることができ、部下は
「解消」という「自己解決」に至るかもしれません。
 
往々にして上司はすぐに「解決」せねばと焦って、
部下の話をじっくり聴けないものです。
それは、うまくいってないと受取るスタンスからきています。
 
まずは、ネガティブな話もドンと受け止める。
つまり、じっくりと聴き切ること。
(聴き方も細かいスキルはありますがまたおいおい)
 
そうすることで、部下のネガティブな話は
異なる方向に進む可能性が高まっていくでしょう。
 
そして、、そのうえで解決策の模索を一緒に始めていきましょう。
 
★変革のヒント:ネガティブな話をドンと受けとめて聴き切ろう!
 
今日、とても身に染みたことがありました。
 
数時間前まで受講生として参加していた
「ビジネスライティングの講座」
でのこと。
 
文書を読み手に魅力的に
わかりやすく伝えるための演習
がありました。
 
ひとつの「型」を教わって
自分なりに書いてみる。
 
正解がわからない中で自信がなく
正直、不安でいっぱいでした。
 
受講生たちが書いている中、
講師の方が周りながら、
 
「あっ、これいいですねー」
「あっ、その視点中々無いですよ、スゴイ」
 
と、たくさん、承認していきます。
書いてある事実を指しながら
嘘っぽくなく。
 
 
私の番になりました。
座っている私の左斜め後ろから
大きな声でこう言ってくれたのです。
 
「あー、それです、それです!
 そういう切り口の読みたいです」
 
自分でも不安ながら、一生懸命考えて書いたもの。
それを見て、肯定してもらえるのは
やっぱり本当に嬉しい!
そして力になる。
 
普段、承認する側の目線に立って
承認を奨励していますが、
改めて実感したのは、
 
承認する側が思う以上に、
承認される側が与えられる影響は大きい
ということ。
 
自分がいいと思うからだけで
承認するのではなく
 
相手視点ももって承認できると
おそらく、より適切なタイミングで
想いをこめてできるのではないかと思いました。
 
日常でも、自分の研修などでも
相手の状況をよく観察して、自分が感じたことは
積極的に声を上げて承認していこう。
強く思いました。
 
 
★変革のヒント:
相手視点も持ちながら承認を行おう!
 
リクルートマネジメントソリューションズが
年4回発行している機関紙『RMS Message
「個と組織を生かす」を探究する』の56号の中で
 
九州大学大学院の山口裕幸教授が
「心理的安全性を高め、対等な対話で
チームの活力を引き出す」
 
というテーマで寄稿されていました。
 
チーム力を開発するための最大のポイントは
チーム内の「対話(ダイアローグ)」にあり、
 
具体的な2つの方策として
 
1.1on1ミーティングと
  チームミーティングの連結
2.雑談を増やす工夫
 
を挙げられておりました。
 
多様性が増している社会環境下では
さまざまな価値観・考え方のメンバーが
一緒に働くのが当たり前になってきています。
 
誰もが1つの価値観・考え方に従う時代では
なくなり、トップダウンの指示・命令で
チームを動かしていくのが難しくなりました。
 
そこで、リーダーとメンバーは対等な
立場で意見し合い、リーダーは場の決定に
従うことが大切になってきています。
 
その際に効果的な施策が
1.の1on1ミーティングと
2.の雑談で、
両方とも心理的安全性を高めて
その雰囲気が、チーム力が高まる
好循環に至る。
 
というようなことが書かれていました。
 
まったくもって同感で、
特に私がとても心に響いたのが
ここで言及いただいている、
 
丁寧な1on1ミーティングが
チームや組織開発につながる
ということです。
 
以前、よくこんな意見や質問を頂きました。
 
「上司と部下1:1ではなく、チームで
話した方が効率的じゃないですか?」
 
「上司と部下の関係が良くても
1on1だと横のつながりが持てないですよね」
 
確かに、そういう側面もあると思いますが、
 
基本的には、1対1のコミュニケーションの
あり様が、組織全体につながっていくのだ
改めてその重要性を再認識しました。
 
★変革のヒント:
丁寧な1対1のコミュニケーションがやがて組織全体に波及する!