千葉県佐倉市のライブハウスSound Stream Sakuraで生まれた明くる夜の羊が2nd album「pointillism」をリリースし、そのままリリースツアーを開始
このO-crest公演はまだ2公演目であるが、東京公演のゲストはクジラ夜の街のサポートメンバー、高田が中心となっているchef's、先日JAPAN JAMにも出演したレトロリロンとあまりに豪華すぎるので参加することに
平日スリーマンで開演19時は少し遅すぎる気もするが
O-crestに来るのは3月のスリーマン以来
週末というのもあるが、最初からO-crestが凄まじく埋まっている
何度かO-crestは来ているが、まだ音楽メディアで取り上げられてないのに、この集客
明くる羊の夜が相当期待されているということ
・chef's
この日のトップバッターは出演者の中で唯一見たことがあるchef's
前回見たときはストレイテナーとandropのツーマンのオープニングアクトだったが、今回はがっつり見ることに
「SHOWTIME」をSEに登場するのは、前回見たときと変わらない
だが大きく異なるのはいぶき(Dr.)以外はコックの格好をしなくなったこと
クジラ夜の街やLym(おすすめのバンド
、この機会に是非)でもサポートしている高田(Ba.)もここでは普段着
見ないうちにビジュアルが大きく変化していたとは
しかしスキルは相変わらず凄まじく「スピンオフヒロイン」で始まると、いぶきがパワフルなビートを刻み、ペルシカリアのメンバーでもあるフルギヤ(Gt.)はキャッチーなメロにとどまらずライトハンド奏法まで
並びにヨシダ(Vo. & Gt.)は誰からも好まれそうな綺麗な歌声を響かせたりと、やっぱり凄い
なんで4人が注目されないか、あまりにも不思議である
いぶき(Dr.)が手数の多いビートに加え、フルギがエモーショナルなリフを鳴らす最新楽曲の「ヒッチコック」を経て、以前も聞き覚えがある曲たちが続くが、シンデレラの要素が歌詞にいくつも含まれた「Ci(n)der era」は高田のベースを中心にしたファンキーな曲ながらまるで鏡が割れるようにオルタナになったり、「チャップリン」はいぶしの跳ねるようなビートを軸にしたダンスナンバーと見せて、どこか悲壮が漂うメロディーからフルギの速弾きが炸裂したりと簡単に一筋縄ではいかない
美味しい料理を届けるように、隠し味が仕込まれているのがchef'sの面白いところである
そのchef's、レトロリロンや明くる羊の夜と対バンするのはこれが初めてのようだが、どうやらヨシダは近年名古屋にいたようで、今年になって東京に戻ってきたらしい
chef'sの情報はTwitterを始めとするSNSで見なければ掴めないことが多い
去年、あまりchef'sの情報が流れてこない時期があったがそのからくりはようやく分かった気がする
後悔と回想を繰り返すように、2分半の間に物凄い情報量を詰め込んだ「Hamlet」を終えると、高田のベースソロが盛り込まれるが、クジラ夜の街の高田は鍵盤
どちらが高田のメイン楽曲かは分からないが、流暢なベースソロに会場は沸きまくり、海外から訪れた客は興奮したくっていたらしい
chef'sを含めると3つ以上のバンドを掛け持ち
知る人ぞ知る名プレイヤー、それが高田である
そのうえで「huit」ではフルギがただただスケールの大きいメロディーを鳴らす
これだけ演奏スキルの高いバンドが評価されないのは本当に謎だ
けれども高田もフルギもバンドを掛け持ちしている
クジラに至ってはホールでワンマン出来る規模になってきた
バンドのうち1つが多忙になった場合、chef'sは続けられるのだろうか
そこがずっと気になっている
川谷絵音のように、携わっているバンド全て売れれば最高なのだが
そのうえでヨシダが東京に戻ってきた理由だが、ヨシダは今年3月に仕事をやめて名古屋から東京に戻ってきたらしい
バンドに専念するためか、転職かどうかは不明であるが5月と言えば5月病
憂鬱になりやすく、自分が前職を辞めたのもこの時期
新人がいの一番に辛い時期がこの頃なんだか、
「逃げるのも間違ってないと思います」
と肯定するヨシダ
それはかつてブラック企業に就職し、パワハラを受けて退職した自分を肯定してくれいるかのよう
精神を擦り減らされて、人間不信にされ労働もできなかった8年前
その会社は後に大変なことになった
もし続けていたらただの奴隷
あの時逃げてて本当に良かった
「キラキラした世界を届けていきたい。」
とそうヨシダが告げたあと、最後は未音源楽曲(と思われる)「デクノボウ」
「逃げ出したっていい」
単純な一言、このフレーズで救われる方はたくさんいるはずだ
chef'sは6月、新代田FEVERで「東京晩餐会」を開催するが、出演者がなきごと、35.7と発表されると即座にソールドアウトし、追加販売されることに
以前はthe quiet roomも呼んでたし、人脈が凄すぎるが、chef'sが大舞台でワンマンするのも見てみたい
おいしい音楽はたくさんの方に楽しんで頂きたいから
セトリ
スピンオフヒロイン
ヒッチコック
Ci(n)der era
チャップリン
hamlet
huit
デクノボウ
・レトロリロン
恐らくこの日、知名度が最も高いバンドだろう
MUSICAやロッキンオンにインタビューが掲載され、JAPAN JAMやビバラロックにも出演したレトロリロン
去年ラジオで聞いて、衝撃を受けたがここで見る機会が訪れた
ステージ上手に鍵盤が設置され、1人ずつメンバーが登場するが、個人的に目立っていたのはドラムの永山
笑顔がどことなくティモンディの高岸に似ているからである
そのうえで最後に涼音(Vo. & Ag.)が現れ、「DND」から始まるがレトロリロンの主戦軸は鍵盤のmiri
つまりアプローチはゲスの極み乙女のようにジャズを中心としたものなるが、涼音はとてつもなく声量がある
「なんだこれ!?」と驚くレベル
歌唱力だけで持っていけるほど涼音は存在感がありすぎる
続く「独歩」では涼音がアコギを背負い、エレキギターがないためベースの飯沼は歌うようなベースラインを奏でていくが、涼音の表現力が高すぎるから歌詞も聞き取れやすいし、孤独がテーマであろう世界をすぐに想像することが出来る
並びに永山はスプラッシュシンバルもふんだんに使うも、パンクバンドに強く叩くのではなく、アクセントとしてビートする感じ
珍しいアプローチをするドラマーではないだろうか
「Document」では涼音がハンドマイクにまた戻り、客席に合唱を求めるが間奏で挿入されるmiriの鍵盤ソロや飯沼のスラップベースも半端なく上手い
ギターレスの曲が多いなか、アンサンブルで巧みに魅了する
そりゃ今年の列伝ツアーにも招かれるわけだ
しかし涼音はというと、明くる羊の夜とまた共演したことや、chef'sが初共演であることから、
「僕友達全然いないんですけど、これは友達になりたいってことですか?」
と客席に回答を要求
この時、明くるのボーカル、カワノは客席にいたようでステージに呼びかけたようだが、見事にかき消されてしまったらしい
永山がパンキッシュなようで主張しすぎないようにビートを刻む中に飯沼がスラップベースでグルーヴを生み、miriが綺麗な鍵盤を奏でつつ、涼音が逆襲を誓うように力強く「ヘッドライナー」は見所が多すぎて、影分身したくなるが、
「明くるのボーカルカワノとは、高校の頃からの付き合いなんですけど、当時は弾き語りで今はこうしてバンドをやってますが、どっちかというとこっちは追いかける立場だったので、続けて来てよかったなと思っています」
と涼音はカワノとの関係を話す
バンドを始める前から親交が深かったとのことだが、今では同じステージでライブをするように
レトロリロンも明くる日の羊もライブを見るのはこれが初めて
でもこの話を聞いたらグッとなってしまう
それくらい感動する話だ
そんな感動話の後、眠りに付けない日々の風景が浮かんでくる「深夜6時」、
「皆さんはTOMODACHIですよね?」
と歌謡曲とR&Bのリズムを交えた「TOMODACHI」をじっくり聞かせたあと、
「求められる時にそばでいられるよう存在でありますように」
と話した涼音
その言葉に連なるように、ラストは「夢を見る」だが、この声量は別格だ
テクニカルで魅せるアンサンブルも
やがてはフェスのメインステージに立てる存在だろう
破格の才能である
それにしてもレトロリロンが有名になったら、永山はティモンディの高岸と似ていると話題になってしまうのだろうか
しかもライブ直後のツイートがレトロリロンのメンバーほぼ全員に見られたようで、顔を真っ赤にしてしまった
セトリ
DND
独歩
Document
ヘッドライナー
深夜6時
TOMODACHI
夢を見る
・明くる羊の夜に
そしていよいよ主催の明くる夜の羊の出番
主催アーティストをフェスなどで見ず、いきなりライブを見に行くのは相当久々な気がする
ただでさえ人が多かったO-crestは21時前後になると更に人が増え、若干見にくくなっている中で暗転
SEと共にメンバーが出てくるが、ナツキ(Ba.)の衣装は相当派手
サカナクションの鍵盤、岡崎までとは行かないもののとても派手
最後にレトロリロンの涼音は昔からの知り合いであるカワノ(Vo. & Gt.)が登場し、「はじまりの声」でスタートするが、始まってすぐに分かる
パンキッシュでエモーショナルだと
「pointillism」のリリースが1週間前
ほとんど間髪開かずにツアーが始まっているので、まだ曲は身体に馴染んでないが、思わず口ずさみたくなる
それくらい明くる夜の羊の楽曲はキャッチー
O-crestがパンパンになるのも納得がいく
ナツキと共に前に出るクラシマ(Gt.)がキャッチーなリフを奏でながら、ノグチ(Dr.)がキメを入れまくる「リプレイ」、中毒性のある
「もういいや共存してゆこう」
のフレーズにとどまらず、各々のプレイにも「かっけえ〜!!」と思ってしまう「共存」の後、自己紹介したナツキはchef'sやレトロリロンのライブを見てドキドキさせられたことを話すが、明くるの音楽だってドキドキさせられる音楽だ
自信を持って言えるほどに
ナツキの力強い歌声に思わず手を挙げてしまう「透明なままで」、ドリームポップのように大きなスケールを描く「周回軌道上」と「pointillism」の曲を続けていくが、メロディーは素晴らしいしグルーヴも盤石
音楽メディアにピックアップされないのが疑問に感じるレベルである
O-crestを満員にしていることを考えると、ムロフェスには呼ばれる可能性がある
でも今日のシーンは次から次に新しい才能が出てくる
Tik Tolkなどでバズったアーティストがたくさんの舞台に招かれて才能を進化させる
そうした循環が多くなってるから、枠を抜け出すのが難しい
けれども良い作品をリリースすれば、きっと誰かの心に刺さる
それが飛躍に繋がっていくはず
SIX LOUNGEもそうやって大きくなっていったから
キメの多い楽曲と思いきやオルタナになったり、パワーポップになったりと情報量の多い「代替品」、SUPER BEAVERを思わせるパンキッシュなサウンドのもと、カワノの声が力強く浸透する「くだらない」と次世代のアンセムになるであろう曲を連発した後、「pointillism」の意味が点と点を繋ぐことにあることを熱弁するカワノ
線と線を結ぶ事で色んな事は交わり、また生まれていく
明くるの曲がやけに広大と感じる理由はここに由来しているのかもしれない
しかし「空っぽ」で感情を歌唱やアンサンブルにぶつけたあと、
「足りない!足りない!!この持ち時間じゃ足りない!!もっとみんなと大きいステージで歌いたい!!」
と叫ぶカワノ
スリーマン形式になると、大定のライブで持ち時間は40分前後
持ち曲が少ないならば仕方ない
でも明くるは既にフルアルバムを2枚リリースしている
そうなると40分は少なすぎる
「私は自分のすべてを音楽にしている。時々不安になることもあるけど、みんなの存在に救われています!!」
とカワノは自分の全てを音楽に投じているから、もっとたくさんの人と時間を共有したいだろう
カワノもそうだし、クラシマ達も満たされてないと思う
そのうえで最後の「燈した先には」クラシマが素晴らしいメロを奏でる中、
「悲しみに暮れる夜があっても
貴方が貴方を殺さずにいられるように
灯は絶やさないよ」
と明くるを肯定してくれるリスナーの盾になるであろう曲
これはO-crestどころかZepp、ホール、最終的にはアリーナクラスでなるべき曲だ
マカロニえんぴつが「ヤングアダルト」で歌っている「夜を超えるための歌」だから
カワノの言葉を聞いたあと、もっと明くるが広がって欲しいと思うようになった
「たとえ 咲いてない日々が
続いていこうとも向き合っていきたいんだ
報われるその日まで その涙がこぼれても
手を取っていこう 歌が燈した先に」
心を奪われたから
すぐにアンコールで戻ってくると、chef'sのフルギヤがカワノが持ってきた差し入れを独占しようとしていたことを暴露され、レトロリロンの涼音に関してはTOMODACHIと明言
こうして場を温めつつ、O-crestに昔よく遊びに来ていたことを告白すると、最後はこの日のライブを忘れさせないようにする「あの日の僕ら」
完全に持っていかれた
圧倒されっぱなしの明くる羊の夜にとの初邂逅だった
セトリ
はじまりの声
リプレイ
共存
透明なままで
周回軌道上
代替品
くだらない
空っぽ
燈した先に
(Encore)
あの日の僕ら
このO-crest公演はまだ2公演目であるが、東京公演のゲストはクジラ夜の街のサポートメンバー、高田が中心となっているchef's、先日JAPAN JAMにも出演したレトロリロンとあまりに豪華すぎるので参加することに
平日スリーマンで開演19時は少し遅すぎる気もするが
O-crestに来るのは3月のスリーマン以来
週末というのもあるが、最初からO-crestが凄まじく埋まっている
何度かO-crestは来ているが、まだ音楽メディアで取り上げられてないのに、この集客
明くる羊の夜が相当期待されているということ
・chef's
この日のトップバッターは出演者の中で唯一見たことがあるchef's
前回見たときはストレイテナーとandropのツーマンのオープニングアクトだったが、今回はがっつり見ることに
「SHOWTIME」をSEに登場するのは、前回見たときと変わらない
だが大きく異なるのはいぶき(Dr.)以外はコックの格好をしなくなったこと
クジラ夜の街やLym(おすすめのバンド
、この機会に是非)でもサポートしている高田(Ba.)もここでは普段着
見ないうちにビジュアルが大きく変化していたとは
しかしスキルは相変わらず凄まじく「スピンオフヒロイン」で始まると、いぶきがパワフルなビートを刻み、ペルシカリアのメンバーでもあるフルギヤ(Gt.)はキャッチーなメロにとどまらずライトハンド奏法まで
並びにヨシダ(Vo. & Gt.)は誰からも好まれそうな綺麗な歌声を響かせたりと、やっぱり凄い
なんで4人が注目されないか、あまりにも不思議である
いぶき(Dr.)が手数の多いビートに加え、フルギがエモーショナルなリフを鳴らす最新楽曲の「ヒッチコック」を経て、以前も聞き覚えがある曲たちが続くが、シンデレラの要素が歌詞にいくつも含まれた「Ci(n)der era」は高田のベースを中心にしたファンキーな曲ながらまるで鏡が割れるようにオルタナになったり、「チャップリン」はいぶしの跳ねるようなビートを軸にしたダンスナンバーと見せて、どこか悲壮が漂うメロディーからフルギの速弾きが炸裂したりと簡単に一筋縄ではいかない
美味しい料理を届けるように、隠し味が仕込まれているのがchef'sの面白いところである
そのchef's、レトロリロンや明くる羊の夜と対バンするのはこれが初めてのようだが、どうやらヨシダは近年名古屋にいたようで、今年になって東京に戻ってきたらしい
chef'sの情報はTwitterを始めとするSNSで見なければ掴めないことが多い
去年、あまりchef'sの情報が流れてこない時期があったがそのからくりはようやく分かった気がする
後悔と回想を繰り返すように、2分半の間に物凄い情報量を詰め込んだ「Hamlet」を終えると、高田のベースソロが盛り込まれるが、クジラ夜の街の高田は鍵盤
どちらが高田のメイン楽曲かは分からないが、流暢なベースソロに会場は沸きまくり、海外から訪れた客は興奮したくっていたらしい
chef'sを含めると3つ以上のバンドを掛け持ち
知る人ぞ知る名プレイヤー、それが高田である
そのうえで「huit」ではフルギがただただスケールの大きいメロディーを鳴らす
これだけ演奏スキルの高いバンドが評価されないのは本当に謎だ
けれども高田もフルギもバンドを掛け持ちしている
クジラに至ってはホールでワンマン出来る規模になってきた
バンドのうち1つが多忙になった場合、chef'sは続けられるのだろうか
そこがずっと気になっている
川谷絵音のように、携わっているバンド全て売れれば最高なのだが
そのうえでヨシダが東京に戻ってきた理由だが、ヨシダは今年3月に仕事をやめて名古屋から東京に戻ってきたらしい
バンドに専念するためか、転職かどうかは不明であるが5月と言えば5月病
憂鬱になりやすく、自分が前職を辞めたのもこの時期
新人がいの一番に辛い時期がこの頃なんだか、
「逃げるのも間違ってないと思います」
と肯定するヨシダ
それはかつてブラック企業に就職し、パワハラを受けて退職した自分を肯定してくれいるかのよう
精神を擦り減らされて、人間不信にされ労働もできなかった8年前
その会社は後に大変なことになった
もし続けていたらただの奴隷
あの時逃げてて本当に良かった
「キラキラした世界を届けていきたい。」
とそうヨシダが告げたあと、最後は未音源楽曲(と思われる)「デクノボウ」
「逃げ出したっていい」
単純な一言、このフレーズで救われる方はたくさんいるはずだ
chef'sは6月、新代田FEVERで「東京晩餐会」を開催するが、出演者がなきごと、35.7と発表されると即座にソールドアウトし、追加販売されることに
以前はthe quiet roomも呼んでたし、人脈が凄すぎるが、chef'sが大舞台でワンマンするのも見てみたい
おいしい音楽はたくさんの方に楽しんで頂きたいから
セトリ
スピンオフヒロイン
ヒッチコック
Ci(n)der era
チャップリン
hamlet
huit
デクノボウ
・レトロリロン
恐らくこの日、知名度が最も高いバンドだろう
MUSICAやロッキンオンにインタビューが掲載され、JAPAN JAMやビバラロックにも出演したレトロリロン
去年ラジオで聞いて、衝撃を受けたがここで見る機会が訪れた
ステージ上手に鍵盤が設置され、1人ずつメンバーが登場するが、個人的に目立っていたのはドラムの永山
笑顔がどことなくティモンディの高岸に似ているからである
そのうえで最後に涼音(Vo. & Ag.)が現れ、「DND」から始まるがレトロリロンの主戦軸は鍵盤のmiri
つまりアプローチはゲスの極み乙女のようにジャズを中心としたものなるが、涼音はとてつもなく声量がある
「なんだこれ!?」と驚くレベル
歌唱力だけで持っていけるほど涼音は存在感がありすぎる
続く「独歩」では涼音がアコギを背負い、エレキギターがないためベースの飯沼は歌うようなベースラインを奏でていくが、涼音の表現力が高すぎるから歌詞も聞き取れやすいし、孤独がテーマであろう世界をすぐに想像することが出来る
並びに永山はスプラッシュシンバルもふんだんに使うも、パンクバンドに強く叩くのではなく、アクセントとしてビートする感じ
珍しいアプローチをするドラマーではないだろうか
「Document」では涼音がハンドマイクにまた戻り、客席に合唱を求めるが間奏で挿入されるmiriの鍵盤ソロや飯沼のスラップベースも半端なく上手い
ギターレスの曲が多いなか、アンサンブルで巧みに魅了する
そりゃ今年の列伝ツアーにも招かれるわけだ
しかし涼音はというと、明くる羊の夜とまた共演したことや、chef'sが初共演であることから、
「僕友達全然いないんですけど、これは友達になりたいってことですか?」
と客席に回答を要求
この時、明くるのボーカル、カワノは客席にいたようでステージに呼びかけたようだが、見事にかき消されてしまったらしい
永山がパンキッシュなようで主張しすぎないようにビートを刻む中に飯沼がスラップベースでグルーヴを生み、miriが綺麗な鍵盤を奏でつつ、涼音が逆襲を誓うように力強く「ヘッドライナー」は見所が多すぎて、影分身したくなるが、
「明くるのボーカルカワノとは、高校の頃からの付き合いなんですけど、当時は弾き語りで今はこうしてバンドをやってますが、どっちかというとこっちは追いかける立場だったので、続けて来てよかったなと思っています」
と涼音はカワノとの関係を話す
バンドを始める前から親交が深かったとのことだが、今では同じステージでライブをするように
レトロリロンも明くる日の羊もライブを見るのはこれが初めて
でもこの話を聞いたらグッとなってしまう
それくらい感動する話だ
そんな感動話の後、眠りに付けない日々の風景が浮かんでくる「深夜6時」、
「皆さんはTOMODACHIですよね?」
と歌謡曲とR&Bのリズムを交えた「TOMODACHI」をじっくり聞かせたあと、
「求められる時にそばでいられるよう存在でありますように」
と話した涼音
その言葉に連なるように、ラストは「夢を見る」だが、この声量は別格だ
テクニカルで魅せるアンサンブルも
やがてはフェスのメインステージに立てる存在だろう
破格の才能である
それにしてもレトロリロンが有名になったら、永山はティモンディの高岸と似ていると話題になってしまうのだろうか
しかもライブ直後のツイートがレトロリロンのメンバーほぼ全員に見られたようで、顔を真っ赤にしてしまった
セトリ
DND
独歩
Document
ヘッドライナー
深夜6時
TOMODACHI
夢を見る
・明くる羊の夜に
そしていよいよ主催の明くる夜の羊の出番
主催アーティストをフェスなどで見ず、いきなりライブを見に行くのは相当久々な気がする
ただでさえ人が多かったO-crestは21時前後になると更に人が増え、若干見にくくなっている中で暗転
SEと共にメンバーが出てくるが、ナツキ(Ba.)の衣装は相当派手
サカナクションの鍵盤、岡崎までとは行かないもののとても派手
最後にレトロリロンの涼音は昔からの知り合いであるカワノ(Vo. & Gt.)が登場し、「はじまりの声」でスタートするが、始まってすぐに分かる
パンキッシュでエモーショナルだと
「pointillism」のリリースが1週間前
ほとんど間髪開かずにツアーが始まっているので、まだ曲は身体に馴染んでないが、思わず口ずさみたくなる
それくらい明くる夜の羊の楽曲はキャッチー
O-crestがパンパンになるのも納得がいく
ナツキと共に前に出るクラシマ(Gt.)がキャッチーなリフを奏でながら、ノグチ(Dr.)がキメを入れまくる「リプレイ」、中毒性のある
「もういいや共存してゆこう」
のフレーズにとどまらず、各々のプレイにも「かっけえ〜!!」と思ってしまう「共存」の後、自己紹介したナツキはchef'sやレトロリロンのライブを見てドキドキさせられたことを話すが、明くるの音楽だってドキドキさせられる音楽だ
自信を持って言えるほどに
ナツキの力強い歌声に思わず手を挙げてしまう「透明なままで」、ドリームポップのように大きなスケールを描く「周回軌道上」と「pointillism」の曲を続けていくが、メロディーは素晴らしいしグルーヴも盤石
音楽メディアにピックアップされないのが疑問に感じるレベルである
O-crestを満員にしていることを考えると、ムロフェスには呼ばれる可能性がある
でも今日のシーンは次から次に新しい才能が出てくる
Tik Tolkなどでバズったアーティストがたくさんの舞台に招かれて才能を進化させる
そうした循環が多くなってるから、枠を抜け出すのが難しい
けれども良い作品をリリースすれば、きっと誰かの心に刺さる
それが飛躍に繋がっていくはず
SIX LOUNGEもそうやって大きくなっていったから
キメの多い楽曲と思いきやオルタナになったり、パワーポップになったりと情報量の多い「代替品」、SUPER BEAVERを思わせるパンキッシュなサウンドのもと、カワノの声が力強く浸透する「くだらない」と次世代のアンセムになるであろう曲を連発した後、「pointillism」の意味が点と点を繋ぐことにあることを熱弁するカワノ
線と線を結ぶ事で色んな事は交わり、また生まれていく
明くるの曲がやけに広大と感じる理由はここに由来しているのかもしれない
しかし「空っぽ」で感情を歌唱やアンサンブルにぶつけたあと、
「足りない!足りない!!この持ち時間じゃ足りない!!もっとみんなと大きいステージで歌いたい!!」
と叫ぶカワノ
スリーマン形式になると、大定のライブで持ち時間は40分前後
持ち曲が少ないならば仕方ない
でも明くるは既にフルアルバムを2枚リリースしている
そうなると40分は少なすぎる
「私は自分のすべてを音楽にしている。時々不安になることもあるけど、みんなの存在に救われています!!」
とカワノは自分の全てを音楽に投じているから、もっとたくさんの人と時間を共有したいだろう
カワノもそうだし、クラシマ達も満たされてないと思う
そのうえで最後の「燈した先には」クラシマが素晴らしいメロを奏でる中、
「悲しみに暮れる夜があっても
貴方が貴方を殺さずにいられるように
灯は絶やさないよ」
と明くるを肯定してくれるリスナーの盾になるであろう曲
これはO-crestどころかZepp、ホール、最終的にはアリーナクラスでなるべき曲だ
マカロニえんぴつが「ヤングアダルト」で歌っている「夜を超えるための歌」だから
カワノの言葉を聞いたあと、もっと明くるが広がって欲しいと思うようになった
「たとえ 咲いてない日々が
続いていこうとも向き合っていきたいんだ
報われるその日まで その涙がこぼれても
手を取っていこう 歌が燈した先に」
心を奪われたから
すぐにアンコールで戻ってくると、chef'sのフルギヤがカワノが持ってきた差し入れを独占しようとしていたことを暴露され、レトロリロンの涼音に関してはTOMODACHIと明言
こうして場を温めつつ、O-crestに昔よく遊びに来ていたことを告白すると、最後はこの日のライブを忘れさせないようにする「あの日の僕ら」
完全に持っていかれた
圧倒されっぱなしの明くる羊の夜にとの初邂逅だった
セトリ
はじまりの声
リプレイ
共存
透明なままで
周回軌道上
代替品
くだらない
空っぽ
燈した先に
(Encore)
あの日の僕ら
※chef'sがオープニングアクトとして参加したライブのレポ
※高田がサポートしているクジラ夜の街のワンマンのレポ