昨年のUVERworldといえば、「ENIGMASIS」のリリースに、日産スタジアム2daysの成功
「ENIGMASIS」リリースに伴うホール・アリーナツアーの開催
近年最もフルスロットルな1年となった

今年2024年はというと、幾度もタッグを組んできた「青の祓魔師」の主題歌として既に新曲「Eye's Sentry」を発表しているが、UVERにとって本格的な1年の始動となっているのは毎年恒例になっているライブハウスツアー
しかも今年の初日は自分の誕生日に開催されるというあまりにも僥倖なタイミングである

会場に到着すると、去年のKT Zeppワンマンと異なり一見、ステージにはモニター無し
開演10分前になっても表示される気配は無く、その代わりと言わんばかり昨年からところどころで行われているDJ誠果に前説が開演直前に
去年の横アリワンマンでも見たけど、ライブハウスでも見れるとは…

フェスだったら開演前にサウンドチェックするので、このようなサプライズは行いにくい
ワンマン開演前の風物詩として定着するのだろうか

誠果によるDJタイムが終了すると、後方のLEDスクリーンにて、「10」からカウントダウンを開始
「0」になった途端に流れるのは、「ENIGMASIS」ではなく、去年のTAKUYA∞生誕祭と同じで「TYCOON」
ここに来て「TYCOON」がオープニングSEに返り咲くなんて思いもしなかったけど、それ以上に驚くのは真太郎(Dr.)が上半身裸であること
いくら屋内とはいえ、まだ2月
前日に大雪が降り(その結果、渋谷名物のハチ公が増えた(笑))、仕事中もネックウォーマーを着用するほど寒かった日に上半身裸は「男祭りじゃないんだぞ!!」とツッコミを入れたくなったが、この格好になった理由は後に明かされることに

真太郎のドラムソロの間に、彰(Gt.)や克哉(Gt.)、信人(Ba.)と弦楽器隊が集まり、最後に出てくるTAKUYA∞(Vo.)は普段のように大ジャンプを見せることはなかったが、TAKUYA∞の雄叫びに合わせるようにイントロのサックスをTAKUYA∞が吹き、初っ端から演奏されるのは久々な気がする「ナノ・セカンド」が始まると場内は既に揺れまくり
オールスタンディング公演であるが故、客席後方に用意された踏み台(koboreとサバシスターのツーマンのレポで触れていた踏み台とはこのこと。UVER以外もこれは積極的に導入するべき)を使用している方にも配慮するように、彰と克哉はお立ち台を使用せる機会がとても多かったが、真太郎のビートに合わせるように飛び跳ねまくるこの景色は、決して幻想ではない
毎日長距離を走っているTAKUYA∞は流石の安定感

そのTAKUYA∞がいつものように煽りまくった後、浮遊感あるイントロに会場が大いに沸くのは昨年のTAKUYA∞生誕祭に続いての「畢生皐月プロローグ」
「Unknown Orchestra」のように頭空っぽに踊ることも出来ないし、新年早々

「生きるって面倒くさいな」

なんて歌われたら、「今年始まってまだ2ヶ月しか経過してないし、今日誕生日なんですが」と心でボヤいてしまいたくもなるが、直後に信人がゴリゴリにベースを鳴らしメロディアスだった初期の名曲「トキノナミダ」に繋ぐ構成は良い意味で「どうして?」だ

つい数年前まではFCに入会せず、ライブを見れる機会はロッキンや年末の横アリ公演のみ
それが2021年9月の横アリ2days(この公演はいつも以上にFC会員にチケットが割り振られた)どころか、同年のTAKUYA∞生誕祭まで落選してしまい、FCに加入することを決意した
その結果、ライブハウスでも普通にUVERを見れるようになったし、過去の曲も以前に増して見れるようになった
フェスは「現時点の最高のUVER」を見せるため、セトリがマンネリになりがち
ワンマンのように、幅広い曲を聞ける方が遥かに楽しい

しかし、

「今日ここが世界で最もカオスな場所だよな?お前らの声を聞かせろ!!」

とTAKUYA∞がより煽り、主旋律を奏でる彰以外ドラムを叩きまくる「WE ARE GO」で気が付くと、TAKUYA∞はいつの間に客席に突入
昨年の横アリ2daysも本能に赴くがままに頻繁に客席突入を繰り返していたので、「ライブハウスでもやるのね」と驚きはしなかったものの、「奏全域」に並んでUVER流のEDMを行う「I LOVE THE WORLD」で客席全体を見渡しながらTAKUYA∞は更に奥へ進み、昨年のTAKUYA∞生誕祭のように、PA卓付近まで
それどころか、途中でTAKUYA∞の姿が見当たらなくなり、「どこへ?」と思っていたら、まさかの2階席へ
途中克哉がドラムセットに登ったのは、TAKUYA∞の場所を把握するためだと思うけど、まさかオールスタンディングで2階席に行くバンドマンが現れるとは…
これも紛れもない「リアル リアル」

だが2階席に行ってしまったため、1階に戻るには少し時間を要する
なので真太郎が場繋ぎのようにドラムソロを見せ、沸くに沸く場内
その最中にようやくTAKUYA∞が戻ってきたが、

「これから先たくさんライブがあっても、忘れられないものにしてやるよ!!」

と早くも名言が飛び出し、2022年11月以降に見た大半のライブで殿を飾ってきた「Theory」はこの序盤
それもライブハウスで銀テープが飛ぶ熱くならずにいられない展開に

自分は映画や本が好きで、最近はなかなか読書に手を付けられずとも、映画は今でも見る方
ただ見るのはだいたい一度きり
1回見ればシーンも台詞も自然に覚えてしまうからだ(とは言え何度も見返す映画もあるが)

対して音楽は、

「繰り返し今日も
おかしくなった?ってくらいずっと」

聞きこむ

展開が分かっていても聞きこむ
ましてやライブなんて、「次はこうなるんだよな!!」って分かっているのに興奮する
それが音楽の凄さだろう
分かっていたって熱狂できる
予想できても感動できるものはそうありゃしないし、ライブの熱量は脳内の引き出しに気づかぬ間に収納される

「僕らの この人生は僕らだけのもの
でも このバンドは君の人生でもあるんだね
いつかこうやって 伝えられなくなろうとも
もう この想いは失われるものじゃない
忘れられるものじゃない」

の通り、このライブもきっと忘れられるものじゃない
むしろ呼び起こされるものだろう

TAKUYA∞が一度袖に引っ込み、あいさつ代わりに行われる真太郎のMCでは、ANIPLEXのイベントでライブ初めはしているものの、ワンマンは今年初なので新年の挨拶も行うが、誰もが気になっていた上半身裸の理由
それは、

「衣装代が無い(笑)」

と真太郎だけ、衣装代を割いてもらえなかったのが原因らしい
逆に

「信人の衣装は10着ある(笑)」

とのリークがなされ、「なんだこの格差」とツッコミを心で入れてしまったが、信人は信人で後輩バンドのライブに全身タイツで出演することも検討していたとのこと
実際にやってみたらどうなるのだろうか

戻ってきたTAKUYA∞が、

「今日会場説明してもらってる際、会場の人から後ろに行くなって言われていたんだけど、最初の方で盛り上がりが想像より小さかったから「盛り上げよう」とそっちに行っちゃった(笑)気がついたら2階席で婦人と肩組みながら歌っていた(笑)」

と客席に突入した経緯を話すも、

「「万が一客席に入ったらどこから戻れば良いんですか?」と聞いても、会場からは「客席に入らないでください」と言われた(笑)もしかしたら出禁かも(笑)」

と「それは洒落にならんぞ」な告白をするぞTAKUYA∞
それが事実ならキュウソネコカミやハルカミライのように、ボーカルが客席突入するバンドもKT Zeppを抑えにくくなってしまうが、終演後にFCブログでも綴られていたように、実は「WE ARE GO」の際、客席内で盗撮するcrewがいたとのこと
撮影許可が出ているライブ(最近だとBRADIOは主催ライブでBRADIOの出番中も撮影は許可している)ならともかく、基本的にライブは撮影禁止
ワンマンならライブ中のスマホはますますNG行為である

本当だったらつまみ出して、出禁にしてもいいくらいだが、

「どうせ撮影するなら次の曲にしろ!!」

と注意喚起にとどめ、合唱も合いの手も起こりまくる「AS ONE」で渾身のラウドサウンドを見せるTAKUYA∞達

撮影した動画がどうなったか、TAKUYA∞達も当日参加のcrewも、こののライブに参加してないcrewだって調査するのは困難
仮に見つけられたcrewがいたら、直ちに削除要請をしていただきたい
撮影許可されてないのに撮影された映像が公開されるなんてご法度だから

彰と克哉とギターが鳴らしまくるUVERなりの王道こと「ROB THE FRONTIER」、目まぐるしく曲調が変化するように彰以外はドラムを叩きまくって歌詞に合わせるかの如く拳を挙げまくる「DEJAVU」と定番やレア曲も交えて曲を連発するが、

「ちょっと怖い話があってさ…」

とTAKUYA∞が前置きして始めるのは、前日のリハ中に行われた会話
なんと信人は今回のツアーを全公演女祭りと勘違いしていたらしく、TAKUYA∞から弄られまくり

信人「初日の横浜はクリスマスみたいにしよう」

なんて、呑気にも話していたようだが、いろんな意味で怪談じみた話を導入とするのはスクリーンに映される歌詞もホラーチックで、客席からもお化けのようなポーズが多々見受けられた「魑魅魍魎マーチ」
前振りで察する部分はあったがどうせなら怪談ソングだし、夏頃に聞いてみたい
でもその頃は夏フェスシーズンだし、例年通りなら開催するのはホールツアー…
夏頃に関東圏の会場でワンマンを見れる機会はないだろうか?

そんな中、この日のセットリストで最もサプライズな選曲となったのは2015年のアニバーサリーツアー以来、久々の演奏となった「SHINE」
あまりにも衝撃で「マジ?」となってしまったが、インディーズの頃は、

「「いつかみんな輝けるように」って毎回演奏していた曲」

とメロディアスなこのラップロックを大切にしていた模様

かつては「D-tecnoLife」のカップリングだった曲を唐突にやったり、UVERは初期の曲も普通にやる
それは過去があって、今があるということを絶対に忘れてないということ
特に今回は何も縛りもないツアーだから、こうしたレアな曲も聞けているのだと思われる

ちなみにこの「SHINE」、インディーズの頃は全編英語詞だっだものの、メジャーに移動する際、レコード会社のスタッフに勧められて日本語歌詞に書き換えたらしい
そういう助言に耳を傾けるのは、色んな方々の話を聞いてメモを取るTAKUYA∞らしい(「TYCOON」リリース時のインタビューで、ロッキンオンの山崎洋一郎に食事に連れて行ってもらい、メモを取っていたことを明かしている)が、相当昔の曲だからやるのは恥ずかしかったとのこと
昔特有の青さが羞恥心を引っ張り出して来たのだろうか

先程盗撮した参加者が恐らく、「AS ONE」の映像はバズらないからネットに掲載しないこと、WANIMAのKENTAと走っていたら終盤に写真を取られまくったので、決め顔をしたものの、全くネットに載る気配がないこと
そうしたことにツッコミを入れて「ビタースウィート」を始めるも、同じメロディアスな曲でも近年の曲はラウドより
かつての楽曲はやっぱり歌謡曲によっている
昨年の横アリでTAKUYA∞は、

「やりたいように出来るようになるまでかなりの年月を要した」

と話していたけど、近年の力強いアンサンブルを見るに、今のアンサンブルに骨格が近づく「THE ONE」までは試行錯誤の日々が続いていたのだろうか(一度はグローバル基準にサウンドスケープを変えるも、ギターロックに回帰したし)

そこから一転、「NAMELY」はよりメロディアスかつ真太郎のバワフルなビートがスケールの大きさを物語ってくれるが、同じ「七つの大罪」主題歌で割と頻繁に演奏されていた「ROB THE FRONTIER」と比較すると、「NAMELY」はほとんど演奏される機会がない
近年のシングルでは最も演奏が少ない曲である
「これをあまり演奏しないのは勿体ない」と個人的に思っているが、

「こうしてる今は 乱暴な例えかもだけれど
このまま終わって良いと思うほど幸せだよ」

とここで全てが終わっても構わないというフレーズがあるから、内心とても大切にされているのかもしれない
一時UVER史上最大のヒット曲である「儚くも永久のカナシ」がほとんど演奏されない時期があったが、去年の「ENIGIMASIS」ツアーでは久々に演奏される機会が多かった
「儚くも〜」のようにどこかでフォーカスされる日が来るかもしれない

「NAMELY」を終えるとワンマン恒例のインストコーナー
昨年のTAKUYA∞生誕祭では「別世界」が演奏され、「そうきたか」の場面があったが、今回は「ENIGIMASIS」がリリースされて1年も経過してないこともあってか、「ANOMALY奏者」
エレアコに持ち替えた克哉を中心にアイリッシュな空間に浸らせてくれるも、途中信人は持ち込まれたウッドベースを弾くのを途中で止めてしまった
これに客席はざわついたが、何か機材トラブルでもあったのだろうか(終演後に信人は客席に直後謝っていた)

ステージに戻ったTAKUYA∞が、

「俺たちは来年に向けて既に動いている!その始まりであり、今年の始まりの合唱!!」

と来るアニバーサリーイヤーに向けて動き始めている事を明かし、そのアニバーサリーイヤーへの準備を本格的に始動させるかのように鳴らされるのは、「始まりの合唱」こと「Ø Choir」
TAKUYA∞がマイクを客席に向けると、当たり前のように合唱が起こっていたが、来年2025年がアニバーサリーイヤーだと自分はすっかり忘れていた
なにせ5年前のアニバーサリーイヤーはコロナ禍突入当初
無観客配信ライブが多くなり、まともにツアーが出来たのはコロナ禍到来前と、12月のアリーナツアーくらいだったから
本当だったらアニバーサリーツアーとかもやっていたのだろうか
もしやっていたならきっと懐かしい曲も聞けたんだろうなと思わずにいられない
無事にアニバーサリーツアーが開催できることを祈ってる
彰と克哉が客席に向けて口ずさむように笑顔を見せたように、

「毎年やり切り 年末は幸せで泣くって決めたし」

のようにこれからも、来年以降も過ごしたいから

「VICTOSPIN」では、昨年の日産スタジアムワンマンを呼び起こせ、スタジアムを圧倒させたり強大なスタジアムサウンドをライブハウスにぶつけるが、終わり際にTAKUYA∞はマニュピレーターでもある誠果に何かを伝える
それは恐らくセットリストを変更したのだと思われるが、

TAKUYA∞「誰か笛持ってきて」

とスタッフに伝えたように、「エミュー」は恐らくセトリには入ってなかったのだろう
ホイッスルを鳴らしたり、ボイスパーカッションをこなしたりとTAKUYA∞も忙しい「エミュー」は、個人的には相当久しぶり
本来は何をやる予定だったかも気になるところである

そしてこの終盤、誰もが聞くことを楽しみにしていたのは、既に「青の祓魔師」主題歌としてオンエアされている「Eye's Sentry」
「一滴の影響」以上にエレクトロチックであれど、ギターロックっぽくもあり、世界観にきちんと照らし合わせた印象
なによりスクリーンには、青エクの主人公奥村燐のイメージでもある青い炎がスクリーンに映り、表示される歌詞はまさしく青エクの世界観そのもの
今回のテレビシリーズでは放送されないだろうけど、霧隠シュラや奥村兄弟出生の過去など今後の展開にも大きくリンクするようなリリックの数々だった
原作も佳境に入りつつある
どこまでアニメ化出来るか分からないけど、青エクのアニメには全てUVERが関わって欲しい
UVER×青エクの相性は最強である

新曲がまたも名曲であることをcrewに開示したところで、今年初のワンマンは早くもラスト
TAKUYA∞が名残惜しそうな感じを出しながらも、

「またこの曲で歌えますように」

と最後に選ばれたのは、彰や克哉が口ずさみながら演奏するのがより印象に残る「One stroke for freedom」
アリーナや日産スタジアムと比較すると、キャパは小さいから普段と比較すると、発声は控えめ
後方で見ていたのもあってか、より合唱は聞こえなかった
けと全員、ただ聞いていただけではないだろう
心の中で歌っていたcrewもきっといる
あの広大な合唱をまた聞ける日が来るのが楽しみでならないし、

「今愛してくれる君が更に愛せるような事だけを考えて生きてゆく
その事だけを
もう君だけで良い でもその生き方をずっと貫いてたら
今よりもむしろ売れちゃうかもな それを誇りに思わせたい」

とcrewを大切にするUVERの行動スタンスをより支持したいと思っていた

キラーチューンである「IMPACT」も「Touch Off」も「EN」も無い
かなり意表を突いたようなセトリになったが、この日の客層は大半がFC会員
信用しているからこそ、このセトリになったとも言える
特に「SHINE」や「NAMELY」が同じライブで演奏される日なんて、今後そうないだろう

KT Zeppを出禁になるのは勘弁していただきたいけど2024年、いや2025年のアニバーサリーイヤーに向けてまたも期待ができる始まりの合唱だった

セトリ
SE.TYCOON
ナノ・セカンド
畢生皐月プロローグ
トキノナミダ
WE ARE GO
I LOVETHE WORLD
Theory
AS ONE
ROB THE FRONTIER
DEJAVU
魑魅魍魎マーチ
SHINE
ビタースウィート
NAMELY
ANOMALY奏者
Ø Choir
VICTOSPIN
エミュー
Eye's Sentry※新曲
One stroke for freedom

※昨年の横アリ2daysのレポ