前日に続き本日も横浜アリーナ
TAKUYA∞が前日、
「テクニックなんて使わない」
と断言した以上、相当力で押し切るようなセトリになりそうだが、「ENGIMASIS」の曲がベースになるのか
前日やってない「Touch Off」や「PRAYING RUN」などがベースになるのだろうか
この日はFC先行でチケットを入手したため、アリーナの相当前の方な座席
なのでセンタースタンディングにも近く、メンバーの動きを間近で見られそうだが、開演間近になると急にBGMが大きく
青い照明に照らされたので、「何事？」と思っていたら、日産スタジアム同様開演前に誠果(Sax.)がステージへ
DJとして客席を温めに来たというべきだろうか
日産スタジアムであったフラッシュモブによるダンスタイムは無く、簡単なSEを終えると、そのままカウントダウンし、数字が0になると流れ出すのは「ENIGMASIS」ではなく、まさかの「TYCOON」
派手なレーザー演出はあるものの、この時点で「ENIGMASIS」仕様でないことをぷんぷん匂わせており、SEの途中に出てきた真太郎が挨拶代わりのドラムソロを決めると、お馴染みのイントロと共にTAKUYA∞達がジャンプ装置で登場
生誕祭故にこの日のセトリはTAKUYA∞が決めたものになっているが、
「好きなようにやれ！そして俺に指図するな!!」
の言葉通りUVERサイドも客席サイドも遠慮はいらんと言わんばかりの「Don't Think. Feel」始まり
信人(Ba.)が動きながらもバッキバキにベースを鳴らす中で、TAKUYA∞は今日も早々に客席へ突入
TAKUYA∞に向かって転がるダイバーが次々に出るように会場全体も次々にダイバーが発生
前日のライブで、
「テクニックなんて使わない」
と話した通り、この日のセトリは定番曲で押通す
そんな攻撃に振ったようなセトリである
TAKUYA∞「ENIGMASIS TOUR横アリ2日目。じゃなくて、UVER史上最高の1日にするぞ!!」
と宣言したことで、この日のセトリがENIGMASIS TOURとかけ離れたものであると改めて判明するが、イントロで彰(Gt.)達もドラムを叩き、
「Victory Spiral」
の合唱が響き渡る勝利宣言曲「VICTOSPIN」をやるのは昨日と共通
全てがリセットされているわけではない
この日もTAKUYA∞が勢いのまま、客席に突入
そこに向かってダイバーが飛び、セキュリティがラスボスのように阻止していくのはリセットされてないけど(笑)
「Don't Think.Feel」とは対象的に音圧で攻めまくって、克哉(Gt.)と信人(Ba.)に至っては、頭を振りまくっていた「Don't Think.Sing」も前日共通
ここら辺は「ENIGMASIS」のレコ発ツアーの流れを組んでいる
しかし歌詞に合わせた彰のリアクションが面白い「畢生皐月プロローグ」でTAKUYA∞は、どんどん客席後方へ
モニターを見てもどこにいるか、分からない位置まで行ってしまい、モニターには唖然とする克哉の顔が抜かれてしまう始末(笑)
でもこれすら笑えてしまう出来事が後に起こることになる
なので「BABY BORN & GO」で信人のベースで身体を揺らしつつ、誠果がサックスを吹く中、TAKUYA∞がサビに間に合うようにステージへ急ぐ様子が映るモニター
毎日走っているだけあって、しっかり間に合わせていたが、「Unknown Orchestra」で今度は信人が客席へ
「どんどんハルカミライ化してない？」と思わずにいられず、ベースソロもモニターを通さないと見れない状況
前日以上に更に自由になっている
TAKUYA∞が煽りに煽りまくったあと、MCを担う真太郎はTAKUYA∞の誕生日を祝福するも、
「どこに行ったのか、こっちにも分からなくなった(笑)」
とのことで、あの行動には真太郎達も驚いたようだ
この日もあまりセットリストが盛り込まれていることを「感謝100倍返し」とたとえ、
「TAKUYA∞君は欲しいのは声援だけって言ってました」
と謙虚な姿勢を真太郎を通して伝えた後に出てきた当の本人は、
「声援が1番のプレゼント。俺に声をくれ！声を出せるやつは出して！出せない奴は心で歌ってくれ!!」
とやはり声を心から欲し、
「スタンドにいる人も、誰も置いていかないからな！！」
と約束してから冒頭から合唱が起こる「RANGE」は感謝の印
日産スタジアムに続いて年に2度も聞けるなんておもわなかったが、
「愛してくれた人たち
愛してくれてる人たち
あなたたちの想いで僕らこんなとこまで来れた」
とストレートに敬意を払い、
「行ける所まで行こう
やれる所までやろう
そんな言い訳で終わらせない
行きたい所まで行こう」
と更に高みを見せる
生誕祭にとても相応しい曲だと今さらながら思う
「ここで価値があるのはお金よりも声援!!」
とあまりにカッコいいつなぎから始まる「FINALIST」は、ANARCHYも加わった完全版としての演奏
一時は毎年、AK-69が駆けつけて「Forever Young」をやる機会が多かった
でも今後はこちらに入れ替わるかもしれない
なおANARCHYは、日産スタジアムに来た時よりも衣装を整えて、礼儀正しく帰っていった
ANARCHYが去ったあと、「MONDO PIECE」のカップリングだった「パニックワールド」からは前日で言う「儚くも永久のカナシ」を筆頭にしたレア曲ゾーン
それもレア曲の域が前日より濃くなっている気がするが、前日の横アリでTAKUYA∞は自分を「持たざるもの」と分析していた
その話を聞いたあとだと、「パニックワールド」は「持っている人」への憧れを歌った曲にも聞こえてくる
彰達がドラムを叩いたり、本来のパートに戻って演奏したりとメンバーの役割変化が忙しすぎる「DEJAVU」とレア曲は続き、更には「SORA」と前日よりも更にコアな名曲が演奏されることに
好きなバンドのメンバーの生誕祭は、そのアーティストを特に好きな人でない限り、足を運ばないだろう
逆に言えば自分の基調な時間を削ってまで、会いに来てくれている
ならば滅多に聞けない曲を届けさせるのが礼儀といったものだろうか
ここら辺でTAKUYA∞は1度信人にMCを託したりするが、どうやら昨日の公演でTAKUYA∞は足を負傷した模様
途中、足を引きずる場面があったので気にはなっていたものの、やはりその通りだったらしい
しかしTAKUYA∞の誕生日は全員で走ることになっており、信人やスタッフが心配していたようだが、
「俺のトレーナーが「遂にTAKUYA∞さんを抜く日が来ましたね」なんて言うから、普通に追い抜いた。足も元に戻っていた」
と普通に走れる状態に戻っていたとのこと
プロ野球における鉄人金本知憲ばりの回復力である
そのうえで、
「俺の知り合いや後輩が走るようになっても、続くのはたいてい3-5年。それを過ぎたら辞めてしまう。でも俺は続けている。だから夢が叶うんだよ!!」
という主張はあまりにカッコいい
強気を装っているけど、それに見合う分の努力をTAKUYA∞は行っている
だからTAKUYA∞は夢は叶い続ける
マラソンもその叶えるための重要な道筋である
そのうえで前日、珍しく演奏されなかった「PRAYING RUN」
「全部やって確かめればいいだろう!!」
の大合唱と共に、客席に突入したTAKUYA∞と拳を合わせるためにダイブするcrewが続出していたが、間奏の合唱の際は彰と誠果は手を大きく上に挙げていた
まるで願いが成就することを願うかのように
近くでTAKUYA∞を見ているから尚更
真太郎もいつもに増して、力強くビートを刻んでいるように見えた
更に、
「普段はあまりやらない曲」
と言いつつ、演奏機会が多い「THE OVER」が始まるが、かつてTAKUYA∞は「THE OVER」のことを
「隠れ名曲第1位」
とも称していた
新規ファンが入門として手に取るであろうオールタイムベストに収録されたことで、もう隠れてはいけないけど、
「一人になんてさせないよ」
というTAKUYA∞の優しい思いはここで人一倍出ていると思っている
「THE OVER」を終えると恒例のインストコーナー
「Massive」か「ANOMALY奏者」を自分は予想したが、この日は「ø Choir」に収録されていた情熱的な「別世界」と意外すぎる選曲に
信人はこの日もウッドベースを用いていたが、克哉に至ってはかなり特殊なギターを使用
昔と比較したら、セトリを結構変えるようになったが、インスト曲はやる曲がどうしてもパターン化してた
「別世界」をやった事こそがこの日、1番のサプライズな気がしてならない
楽器隊によるインスト演奏を終えると、そのまま
「そんな夢が叶うはずが無い
売れるはずが無い
成功した途端に手のひらを返す者共に告ぐ」
と聞き覚えのあるナレーションが同期され、「No.1」から後半戦へ
真太郎がタイトなビートを刻んで、彰達がリフで客席を高揚させる一方、戻ってきたTAKUYA∞はどんどん客席へ
コロナ禍になる前の男祭りまでもほとんど見なかった風景
この行動原理は、TAKUYA∞が衝動を隠さずに見せるようになったとも、解釈することが出来るが、客席にはきっとビッグスターになることを渇望しているようなバンドマンもいただろう
「自分たちもこんな景色を見せる」
そんな野心や野望を心に宿らせたかもしれない
前日のように、女子の複雑な心をTAKUYA∞が代弁し、信人が鳴らすバッキバキなベースと彰が奏でる美メロのギターのコントラストが際立つ「ビタースウィート」を終えると、
「覚悟してここに来てんだろ？心の導火線に火をつけてやる!!」
とTAKUYA∞が挑発
その言葉通り、前日の横アリで「PRAYINGRUN」と同じく演奏されてなかったスケール大きい「Touch Off」のアンサンブルをシンバルを刻みまくる真太郎のドラムと共に着火
炎もいつものように燃え上がるけど、合唱の威力がとてつもなく、炎が発している以上に会場に熱さをもたらしている
4年前の横アリはダイブの嵐になっていたらしく、その光景も期待したが、今回はその瞬間は訪れず
けれどもこの日最大の大事件は「IMPACT」で起こった
彰が早々に客席へ襲来したのに続き、克哉も客席内へ
それも客席中央に進む「どこまで行くねん」な場面を作り出したが、それ以上にTAKUYA∞は後方へ
気づけば、PA付近まで突入する度肝を抜かれる事態を巻き起こしてしまったのだ
これが今年のUVERのライブ最大のIMPACT
あまりに遠くに行き過ぎて、客席から引き上げるのに時間を要していたが、
「こんなライブどこに行けば見えるんだよ？こんなライブが見たいからここに来ているんだろ!?」
と自信満々に語るTAKUYA∞に対して、「今日ハルカミライが武道館でライブやってるわ!!」とツッコミを入れたし、「VSシリーズでハルカミライと対バンしろ」と真っ先に思ったのは言うまでもない
前日同様、セトリに対して批判が起こりまくることに愚痴を吐きつつも、crewの意見を取り入れた結果、想像を超える良いライブが出来ていることに感謝するTAKUYA∞
UVERがTAKUYA∞達の人生でありつつ、crewにとっての人生であることに触れ、「Theory」で銀テープを発射させ、次々と名フレーズをcrewの脳裏に焼き付けるが、その直後には
「自分の愛すものから目を離さないで、俺はそれを"人生"と呼ぶ。明日からもその"人生"をお互い貫いていこう」
と新しい名言を残す
これでもTAKUYA∞は自分自身を「持ってないもの」と客観視する
こんな名言を言えるのはカリスマ以外に考えられない
TAKUYA∞が考える「持っているもの」はどこにあるんだろうか
そう思いながら、「EN」の前では
「俺たちの目標はUVERworld100周年」
と前日に続けて宣言したが、激動すぎた今年1年を振り返ると、
「俺達が生きてる間に 差別も犯罪も戦争もなくならねぇ！」
「今日も何処かで飢えて死んで行く子供達を平気でシカトしてる神様が
俺達の夢に興味持つ訳ねぇだろ！
願う以上に自分で変えろ！」
は世の中の確信を付き、
「自分自身の価値よりも金の方が価値があると思ってる奴らは
金の話ばかりをする」
は、かつてデモ参加者を「暇人乙」なんて嘲笑った奴への皮肉(そいつがプロ野球球団のオーナーにならなくて、本当によかった)
TAKUYA∞が「最も伝えたい曲」と話すのも分かるし、
「また会えるかもしれない場所を探して そこに行く
生き物である以上 明日が来る保証なんて何処にもない」
「伝えたい事は 今日伝える」
はこれからもきっとブレない
自分が
「お前を傷つけた全ての死んで欲しい奴に寿命で勝て！」
を実行しようとすることも変わらないだろう
実際には「Theory」と「EN」の順番が逆だったらしいが(笑)
そしてラスト
TAKUYA∞が最後の曲として選んだのは、
「沖縄でやった真太郎の生誕祭で最後に演奏したのが良かったから、俺も最後にやることにした。」
とかつては必ずと言っていいほど演奏されていた「Ø Choir」
TAKUYA∞が「歌って！」と早々に煽っていたが、その煽りが無くても合唱はきっと起こった
以前「始まりの合唱」とも称されたように、何度もこの「Ø Choir」を我々は歌ってきたから
それはメンバーもそう
特に克哉なんてサビを明らかに口ずさんでいた
クールにベースを鳴らしていた信人も、華麗にギターを鳴らしていた彰も、正確にドラムを叩いていた真太郎もきっと心で歌っている
大切なテーマソングだから
「失った物ばっかり 数えてちゃいけないだろ？
これから出逢える 素敵な物が沢山あるはずだろ？
毎年やり切り 年末は幸せで泣くって決めたし」
はこれからも毎年、この横アリで聞くことになるし、師走にもっと聞かれるべきフレーズだ
加えてこの世界は決して綺麗なものではない
今日の政治情勢を見れば分かるように、汚い奴らばかり得する胸糞悪い世界である
それでもいつか、
「ねぇ Baby この世界はまだ汚れて見えるけど
やっぱり僕は産まれてこれて 幸せだと思ってるよ
ねぇ baby 約束しよう 世界は素敵だから」
と思える日が来ることを信じて生きていく
そうまた指針を自分に決めさせるようなラストだった
去り際、「オトノハ」がSEとして流れる中、
「俺、今喉絶好調で、どんな曲でも歌えるから！でもUVERは俺が操縦するから!!」
と喉の絶好調ぶりをTAKUYA∞はアピール
実際、昔のように低音が不安定だったことは減った
既に44歳
とても声は衰えそうにない
そうして安心させた上で、
「ダイブがないと面白くない音楽はクソだと思っているし、音楽の力をこの4年で身をもって感じた。でも今日くらい、こんな日があってもいいよね？」
と年に数回はこのようなオールスタンディングdayを認めてくれるように願っていた
来年の横アリもこの方式だろう
TAKUYA∞が去ったあとは、最後は真太郎がメンバーを代表して挨拶
来年また何処かで会えることを願うように横アリ2daysは終わった
この日がUVER史上最高のライブか問われると、回答は真っ二つになるだろう
なにせ「ENIGMASIS」の曲はほとんどやってない
「ENIGMASIS」の曲を多く聞きたい方にピンと来ない日になること、それをTAKUYA∞達はきっと分かってるはず
自分も2015年に初めて横アリでUVERのライブを見た際、アニバーサリーツアーで過去の曲をやりまくっている中、最近の曲ばかりのセトリでがっかりした経験があるから
でもTAKUYA∞が「IMPACT」でPA付近まで突入する前代未聞の景色を見せたこと
それは「持ってないもの」が「持っているもの」に近づくべく、アスリートのような毎日を送ってきたから生まれたものだと思ってる
この2日間でますますTAKUYA∞、UVERworldの事が好きになったし、自分も「持ってないもの」側
最後に「持っているもの」側になるべく、歩み続けようと思った
仮に何をやりたいか、見つけられないなら、これから見つけろ！お前にとっての「全て」
セトリ
SE：TYCOON
Don't Think.Feel
VICTOSPIN
Don't Think.Sing
畢生皐月プロローグ
BABY BORN & GO
Unknown Orchestra
RANGE
FINALIST feat. ANARCHY
パニックワールド
DEJAVU
SORA
PRAYING RUN
THE OVER
別世界
No.1
ビタースウィート
Touch off
IMPACT
Theory
EN
Ø Choir
