■ Eternal Arc ~バーチャルとリアルの交錯物語~ <エピソード0> ■(第295話) | 世羅の気功と日常ブログ

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「何もないと思っていた自分に、
小さな“できた”がくれた喜び」を
テーマに、気ままに想いのままに
書き綴るブログです。

セツナとルカの楽しそうな様子を見ながら、セイは静かに思う。

 

こんな時間が、自分にも訪れるなんて思ってもいなかった。

 

ログアウトできなくなり、この世界へ閉じ込められた日から、毎日はただ繰り返されるだけだった。

 

存在を見失わないために、決めた日課をこなし、考えすぎないように今日を終える。

 

それだけの日々。

 

誰かと食卓を囲むことも、笑い合うことも、クリスマスを楽しみに待つことも、もう、自分には縁のないものだと思っていた。

 

それなのに今、目の前ではセツナが楽しそうに笑い、ルカが嬉しそうに野菜を頬張っている。

 

その笑い声を聞いているだけで、不思議なくらい胸の奥が温かかった。

 

(……ありがとう)

 

心の中で、そっと呟く。

 

誰かと笑い合い、同じ料理を囲み、同じ時間を過ごす。

 

そんな当たり前の時間が、今の自分には何よりも尊かった。

 

この世界へ閉じ込められたあの日には想像もできなかった、温かな時間。

 

それは贈り物の形をしていなくても、誰かにもらった物でなくても、確かに、自分へ届けられた最高のクリスマスプレゼントだった。

 

(第296話に続く)