「いただきます」
「いただきます!」
「いただきまーす!」
焼き立てのローストチキンを切り分ける。
ナイフを入れた瞬間、肉汁がじゅわっと溢れ、香草とスパイスの香りがふわりと立ち上った。
「すご……!もう見た目からおいしそうなんだけど」
セツナが目を輝かせる。
「昨日から仕込んでおきましたので」
「それだけじゃこうはならないよ」
そう言いながら一口食べる。
「……!おいしい!」
「良かったです」
「まるでお店の料理みたい!」
その言葉だけで、セイの胸が少しだけ温かくなる。
スープを口に運び、副菜を味わい、時折笑いながら言葉を交わす。
「ルカ、おいしい?」
「おいしー!」
しゃくしゃくと野菜を食べながら、嬉しそうに耳をぴこぴこ動かしている。
その姿に、2人は思わず笑ってしまった。
(第295話に続く)