2人の様子を横目に、セイはオーブンから取り出したローストチキンを皿へ移す。
すると、香ばしい香りが部屋いっぱいに広がり、思わずセツナが深く息を吸い込んだ。
「わぁ……」
思わず漏れた声に、セイは静かに微笑む。
副菜を並べ、温かなスープを器へ注ぎ、最後にケーキを冷蔵庫から取り出す。
少しずつテーブルの上が賑やかになっていく。
そして床には、ルカ専用の小さなプレート。
レタスやにんじんに、うさぎの形へ飾り切りしたりんごを添えた特別メニューだ。
「ルカのごはんも完成!」
「わーい!」
ルカは嬉しそうに、自分のプレートの前までぴょんぴょん跳ねていった。
赤いクリスマス帽子に、まるでお揃いのような赤いマフラーを身に着けたルカ。
そしてサンタ姿のセイとセツナ。
並んでみると、本当に3人でクリスマスを迎えている家族のようだった。
(第292話に続く)