そして、セツナのルカ撮影会が始まってからしばらく経った頃。
気が付けば、写真を撮るよりもルカを可愛がる方がメインになっていた。
「ルカかわいいー♡」
セツナがルカを抱き上げる。
「わーい♡」
嬉しそうな声を上げながら、ルカもセツナへ身体を預けた。
「ルカ好きー♡」
すりすりと頬を寄せる。
「ルカもすきー♡」
抱きしめられながら、ルカはご機嫌な様子で耳を揺らした。
その光景を、セイは少し離れた場所から眺めていた。
楽しそうなセツナ。
嬉しそうなルカ。
2人とも本当に幸せそうだ。
自然と口元が緩む。
けれど――
(ルカ……いいな)
ふと、そんな考えが頭をよぎった。
視線の先では、セツナがルカを抱きしめながら楽しそうに笑っている。
その笑顔を見た瞬間、胸の奥が小さくざわついた。
なぜそんな気持ちになったのか、その理由は、自分でもまだ分からなかった。
(第279話に続く)