数分後、インターホンが鳴った。
モニターに映った姿を確認すると、セイは玄関へ向かった。
ドアを開く。
「いらっしゃいませ、セツナさん。お待ちしていました」
「来たよー」
いつもと変わらない声。
けれど、その姿を見た瞬間。
胸の奥にあった落ち着かない感覚が、少しだけ静まった。
「どうぞ」
「お邪魔します」
セツナはそう言って家へ入る。
その直後。
白い影が勢いよく飛び出してきた。
「セツナちゃーん!」
「ルカ、こんにちは」
「こんにちはー!」
ぴょんぴょん飛び跳ねるルカに、セツナが笑う。
「元気してた?」
「うん!ルカ、げんきだよー!」
「そっかそっか」
ルカの頭を優しく撫でる。
その様子を見ながら、セイは静かにドアを閉めた。
「セイも元気だった?」
「はい。問題ありません」
「それならよかったよ」
そう言って笑う。
ただそれだけの言葉なのに、胸の奥が少しだけ温かくなる。
(第252話に続く)