気づかれたら終わる。
そう思った理由は、自分でも分かっていた。
好きだと知られたら、今の距離が変わるかもしれない。
今の関係が変わるかもしれない。
だが――
本当に怖いのは、そこではなかった。
セツナと出会う前。
毎日はただ過ぎていくだけだった。
朝になれば動き出し、夜になれば眠れなくても横になる。
それを繰り返す。
この身体は空腹にもならず、眠らなくても活動できる。
それでも、そうしていた。
何もしなければ、自分が少しずつ崩れていく気がしたからだ。
自分は本当に存在しているのか。
現実の身体はどうなっているのか。
ログアウトできないのはなぜなのか。
考え始めれば終わらない。
夜になっても眠れない日も多かった。
それでも横になり、目を閉じる。
そうしなければ、本当に自分がおかしくなってしまう気がした。
だから考えないようにした。
次にやることだけを考える。
ただ、それだけだった。
(第220話に続く)