ルカに突き付けられた思わぬ言葉に、セイは思わず動揺する。
世界から音が消えたような錯覚の中、セイの脳裏に、いくつもの景色が鮮明に浮かび上がる。
暖炉の前で、リースを見つめた時間。
雪だるまコンテストの写真を、必要以上に見つめてしまったこと。
街のイルミネーションの中、体調を崩したときに握られた手の温もり。
彼女から送られた、短いメッセージに胸が静かに熱を持ったこと。
気づけば、彼女のことを考えていた、数え切れない瞬間。
記憶が、ひとつずつ繋がっていく。
胸の奥で、何かが静かに結びつこうとしていた。
そして――
その次の瞬間、ルカが、思いもよらないほど無邪気な声で言った。
(第204話に続く)