朝、目が覚める。
昨日と同じように、支度を整え、庭に出る。
水をやりながら、プチトマトの葉をひとつ持ち上げる。
昨日より少し伸びている。
順調だ。
そう判断して、じょうろを置こうとして――ふと手が止まった。
(……次に来る頃には、もう少し大きくなっているかもしれないな)
思った瞬間、自分で気づく。
まただ。
最近、同じ思考を繰り返している。
いつからだろう。
気づけば、物事の先に彼女の姿を置いて考えている。
(……なぜだろう)
小さく眉をひそめる。
だが答えは見つからない。
セイは静かに息を吐き、じょうろを片付けた。
部屋に戻る途中、ふと隣の部屋に視線が向く。
扉は閉まっている。
(……)
一瞬だけ足が止まるが、すぐに歩き出した。
(第200話に続く)