■ Eternal Arc ~バーチャルとリアルの交錯物語~ <エピソード0> ■(第180話) | 世羅の気功と日常ブログ

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そのときトコトコと床を伝ってくる、柔らかな足音がした

 

セイは目を開け、暗がりの中で視線を落とす。

 

……ルカ?」

 

白い影が、ベッドのそばまで来ていた。

 

ルカは1度だけセイを見上げると、そのまま床の上で、くるりと丸くなる。

 

――丸々。

 

その小さな背中を見た瞬間、セイの胸が、きゅっと縮んだ。

 

……そこは、冷えるだろ)

 

セイは静かに身を起こし、そっとルカを抱き上げる。

 

「ルカ……今日は、一緒に寝ようか」

 

布団をめくり、その中に、そっと迎え入れる。

 

ルカは一瞬だけ身を固くしたあと、すぐに力を抜いて、丸くなった。

 

……あったかい」

 

小さな声。

 

セイは布団を整え、ルカを包むように、そっと体勢を落ち着かせる。

 

――セツナさんはいない。

 

その事実が、静かに、胸の奥に落ちてくる。

 

ぽっかりと、冷たい。

 

昼間の温度を知ってしまった分、その空白は、はっきりと感じられた。

 

けれど。

 

腕の中には、確かな重みと、確かなぬくもりがあった。

 

小さな体温。


規則正しい呼吸。

 

それが、冷え切るはずだった空白を、完全には許さない。

 

……ルカ、ありがとう」

 

囁くようにそう言うと、ルカは小さく鼻を鳴らした。

 

セイは目を閉じる。

 

寂しさは、確かにそこにある。


消えたわけじゃない。

 

それでも今夜は、冷たい夜に、ひとりで沈まなくていい。

 

胸の奥に残る、微かなあたたかさを確かめながら、セイは静かに眠りへと落ちていった。

 

(第181話に続く)