■ Eternal Arc ~バーチャルとリアルの交錯物語~ <エピソード0> ■(第179話) | 世羅の気功と日常ブログ

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夜。

 

家の中は、音という音が消えていた。


風の音も、機械の作動音もない。


ただ、空気そのものが静まり返っている。

 

セツナを見送ったあと、セイは簡単に自分とルカの食事を用意し、特別な会話もないまま、それを済ませた。

 

片付けを終え、灯りを落とし、ベッドに横になる。

 

――しん。

 

その瞬間、はっきりと分かる。

 

昼間まで、この家にあったものが、ごっそり抜け落ちている。

 

人の気配。


声の余韻。


あたたかさ。

 

冬の夜の空気が、何の抵抗もなく、部屋の隅々まで行き渡っていた。

 

……静かだ)

 

寒さというより、“人がいない空気”の冷たさ。

 

それが、胸の奥まで染み込んでくる。

 

目を閉じても、心の中にぽっかりとした空白が残ったままだった。

 

(第180話に続く)