そっと、セツナの指先が触れる。
「……!?」
一瞬、心臓が跳ねた。
けれど、その温もりが伝わった途端、胸のざわつきは、不思議なくらい和らいでいく。
「……はい」
セイは、その手を、静かに握り返した。
指先から伝わる温度。
確かな存在。
視界に広がる光が、先ほどとはまったく違って見える。
怖さよりも、安心と、少しの高鳴りが、胸を満たしていく。
(……綺麗だ)
セイは、光を見上げながら思った。
隣には、セツナがいる。
手は、繋がれている。
イルミネーションは、ただ静かに輝いていた。
少しして、セツナがふと、小さな声をもらした。
「なんか少し、ドキドキするかも……」
その一言で、セイの胸の高鳴りも、わずかに強くなる。
しかし、それを意識しないように、ただ一言、こう返した。
「……そうですね」
それきり言葉は交わさず、2人はしばらく光の波を眺めていた。
(第176話に続く)