イルミネーションのエリアを離れ、少し歩くと、通り沿いに小さなカフェが見えてきた。
ガラス張りの店内から、柔らかな灯りが外へこぼれている。
「ここ、空いてそうだね」
セツナがそう言って、ドアを押す。
中に入ると、外の冷えた空気から一転して、ほっとするような暖かさに包まれた。
コーヒーの香りと、焼き菓子の甘い匂いが鼻先をくすぐる。
「……落ち着きます」
セイは思わず小さく呟いた。
「うん、いい感じ」
2人は窓際の席に腰を下ろす。
ちょうど、外の通りが少し見える位置だった。
「何か温かいもの、飲もうか」
「はい。……ありがとうございます」
注文を済ませると、しばらくは言葉もなく、静かな時間が流れた。
(第168話に続く)