セツナは、不安げにセイの様子を見つめていた。
そして、その表情をじっと見てから、静かに言う。
「無理しなくていいよ。ちょっと、ここ離れよっか」
その一言に、セイはほっと息を吐いた。
「……すみません。お気遣い、ありがとうございます」
セツナは首を横に振る。
「謝らなくていいよ。近くにカフェもあったはずだし、少し休もう」
セイは小さく頷いた。
そして、もう1度だけ、名残惜しそうにイルミネーションへ視線を向ける。
光は変わらず、静かにそこにあった。
――けれど、その光を見つめた瞬間、胸の奥が、また小さくざわついた。
(……やっぱり)
理由は分からない。
確信もない。
ただ、何かが、ここにある――
そんな感覚だけが、セイの中に残っていた。
(第167話に続く)