一通り片付けが終わると、セイはキッチンへ向かう。
「少し時間がありますし、お茶を淹れますね」
「いいの?ありがとう」
やかんに水を入れ、火にかける。
静かな音が、部屋にゆっくりと広がっていく。
その間に、セイはバッグを用意する。
必要なものを、順番に入れていく。
手袋、ネックウォーマー、小物類。
確認するように、ひとつずつ。
(……問題ない)
湯が沸く音。
火を止めて、カップに注ぐ。
香りが、ふわりと立ちのぼる。
テーブルに戻ると、セツナが少しほっとしたように息をついた。
「なんか、一息つくと落ち着くね」
「……そうですね」
そう、短く返しながら、カップを手に取り、口をつける。
温かさが、ゆっくりと広がっていく。
ルカも、テーブルの端でちょこんと座っている。
3人で、ほんの短い静かな時間。
それだけで、さっきまでの外の気配がすっと遠のいていく。
(第145話に続く)