今朝も、しんと静まり返った朝の光の中で、セイは目を覚ます。
それからいつも通り、着替えて、顔を洗う。
淡々と、けれど1つひとつの動作を確かめるように、いつもの順番で済ませていった。
庭に出て、『幸せの種』とプチトマトの鉢を確認する。
『幸せの種』は、まだ土のままだ。
芽吹く気配も、色の変化もない。
それでも、自然とそこへ目が向いた。
プチトマトの方は、相変わらず元気そうだ。
葉の色を確かめてから、軽く水をやる。
部屋に戻ると、視線が暖炉の方へ向かう。
そこに並ぶ装飾は、昨日と何も変わっていない。
増えてもいないし、減ってもいない。
それを確認して、視線を外す。
朝食の準備を始める前に、ルカに声をかける。
「ルカ。今日の朝ごはん、何がいい?」
ルカは少し考えてから言った。
「にんじんがいいな。あと、キャベツも」
「わかった。じゃあ、それで」
自分の分と、ルカの分を一緒に用意する。
切る量が少し増えるだけなのに、台所に立つ時間が、昨日より長く感じられた。
一緒に食べて、片付けをする。
その流れが、途切れずに続く。
(第107話に続く)