朝、目を覚ます。
いつも通り着替え、顔を洗う。
庭に出て、『幸せの種』とプチトマトの鉢を確認する。
芽はまだ小さいが、昨日よりわずかに伸びている気がした。
水をやりながら、暖炉の上や棚に並んだ装飾に視線がいく。
(……少し、増えたな)
それはセツナとの共有の時間が増えたことを意味すると気が付いたが、理由を深く考えることはしない。
ただ、確認するものが増えていることだけを静かに受け止める。
そろそろ朝食の準備を始めようと思い、部屋に戻る。
そこで、ふと思い出してルカに声をかけた。
「ルカ。これから朝ごはんを作るけど、何が食べたい?」
ルカは少し考えてから、にこっとして言う。
「ルカね、キャベツがいいな。あと、にんじんも少しあったらうれしい」
「わかったよ。じゃあ今日はそれにしよう」
淡々と自分の朝食と、ルカの分を用意する。
誰かの分を一緒に準備するのは、思っていたより手間が増える。
でも、不思議と嫌ではなかった。
(第102話に続く)