「あ、そうだ。ねえセイ。何かペットを飼ってみるのはどう?」
「ペット……ですか?」
「うん。何でもいいの。ただ、何かがそばにいるだけで、ちょっと安心できるでしょ?」
セイは頷いた。
「確かに。何かがいるだけで、孤独ではなくなる気がします」
「でしょ。家族と暮らしてたときとかさ。同じ空間に誰かがいるだけで、落ち着かなかった?」
「……ありました」
「それと同じだよ」
そう言って、セツナがにこりと笑う。
「生き物でも、人じゃなくても、“自分が必要とされてる”って感じられる相手がいるだけで、安心できる」
「……なるほど」
「飼い主がいないと生きられない存在ならさ。セイも自然と、“自分のために”動くことになるでしょ?」
セイは、はっきりとうなずいた。
「何か、飼ってみようと思います……自分のために」
「よし、決まり」
セツナは操作端末を開いた。
(第92話に続く)