■ Eternal Arc ~バーチャルとリアルの交錯物語~ <エピソード0> ■(第83話) | 世羅の気功と日常ブログ

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「何もないと思っていた自分に、
小さな“できた”がくれた喜び」を
テーマに、気ままに想いのままに
書き綴るブログです。

セツナを見送った翌朝。


セイはまた、いつもの時間に目を覚ます。


この世界に閉じ込められてから、着替え、洗顔、庭の手入れ……そういった一連の動作を「習慣」として繰り返すことが、いつしか自分を保つための大切な一部になっていた。

 

庭に出て、プチトマトと『幸せの種』を確認する。


土はまだ沈黙したままだが、それを見つめる自分の気持ちが穏やかなことに気づく。


だが、ただそれだけだ。


何かの意味付けまではせず、自然と思考の隅に追いやる。

 

部屋に戻ると、暖炉の光が淡く壁を照らしていた。


ふと、棚に置いた小さな装飾品に目が留まる。

 

昨日、彼女が楽しそうに触れていたものだ。


……昨日は、いつもより楽しかったな)


なぜそう思ったのかはわからない。


だが、誰もいない部屋でただその余韻をじっくり味わう時間は、不思議と退屈ではなかった。

 

午後の光が窓から差し込む。


セイは無意識に、テーブルや椅子の位置を少しだけ整えた。


特別な理由はないが、次に彼女が来た時に居心地よく感じてもらえればいい——そんな些細な考えが、いつもの単調な作業に少しだけ彩りを与えていた。

 

小さな用事を済ませ、昼食をとり、午後はゆったりと時間を過ごす。


そして夜、布団に入り、照明を落とす。


瞼を閉じれば、雪だるまの丸い形や、楽しそうに笑うセツナの姿がぼんやりと浮かんでくる。


……今日も、無事に終わったな)

 

静かな満足感が、ゆっくりと胸に広がっていく。


セイは自分が今ここに居ることを静かに受け止めながら、穏やかな眠りへと落ちていった。

 

(第84話に続く)