■ Eternal Arc ~バーチャルとリアルの交錯物語~ <エピソード0> ■(第82話) | 世羅の気功と日常ブログ

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「何もないと思っていた自分に、
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その夜。

 

セイは部屋に戻り、静かに息を吐いた。

 

昼間の雪の気配が、まだほんの少し残っているように感じ

 

瞼を閉じると、あの雪だるまの丸い形や、すぐ隣にいたセツナの笑い声が、ふと耳の奥に蘇る。

 

……今日は、よく動いたな)

 

自分としては珍しいくらい、外に出て、作業をして、話した。

 

それでも疲れは悪くなく、むしろ静かに落ち着いている。

 

報酬のスノーフレーク・チャームを手に取る。

 

小さいけれど、しっかりとした重みがある。

 

クエストの報酬というだけなのに、なぜか宝物のように丁寧に扱いたくなる。

 

セイはそっと操作端末を開き、今日撮ったばかりの保存データを確認した。

 

画面に映し出されたのは、真っ白な雪だるまと、その隣に並ぶ2人。

 

……近すぎた、だろうか)

 

自撮りした際、肩が触れそうなほど近くにいた彼女の熱を思い出し、胸の奥がまた小さく跳ねる。

 

固まった表情の自分と、眩しいほどに笑うセツナ。

 

客観的に見れば、ただの2ショット写真だ。

 

けれど、セイにとっては、この世界に自分が「誰かと一緒に在る」ということを証明する、何よりも確かな記録のように思えた。

 

(また3日後……か)

 

その言葉を思い出すだけで、胸の内側がほんのり温かくなる。

 

期待とも、安心とも言い切れない。

 

ただ、次の約束があるという事実が、今の自分を静かに支えていた。

 

布団に入り、照明を落とす。

 

暗くなると、雪の白さと、画面越しに見つめた彼女の笑顔が、まぶたの裏でぼんやりと浮かぶ。

 

……いい1日だったな)

 

言葉にすると、それだけのこと。

 

でも、その「それだけ」が、今の自分には十分すぎるほど幸せだった。

 

胸に残る温かさを感じながら、セイはゆっくりと目を閉じ、静かに眠りへ落ちていった。

 

(第83話に続く)