■ Eternal Arc ~バーチャルとリアルの交錯物語~ <エピソード0> ■(第73話) | 世羅の気功と日常ブログ

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「何もないと思っていた自分に、
小さな“できた”がくれた喜び」を
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次の日朝のルーティンを終え、庭の様子を軽く確認する。

 

まだ芽吹かない土にそっと目を向けた後、セイは部屋に戻、暖炉を見た。

 

その横にはリースと昨日作ったスワッグが掛けてある

 

(悪くない…)

 

そう思いつつも、一晩経ってみると、何かが少し足りない気がした。

 

残っている材料に目をやる。

 

……もう少し作れそうか?)

 

そう考え、新たに装飾品を作り始める。

 

残っていた麻紐に、艶やかな赤い実を一定の間隔で通していく。

 

単純な作業だが、等間隔に並んだ実が鎖のように繋がっていく「ガーランド」が出来上がると、それは思いのほか部屋の空気を華やかにした。

 

それを棚の縁に沿わせるように飾り、最後に小さなベルを結びつける。

 

全てを飾り終えた後、セイは少し離れた位置から全体を確認した。

 

色味のバランス、配置、影の落ち方。

 

それらすべてが計算通りに調和し、一つの「景色」として整っている。

 

……これならきっと……

 

そう考えていると、彼女の喜ぶ顔が一瞬思い浮かんだがセイは何事もなかったかのように静かに打ち消す。

 

そして、作業台の片づけをしてから、簡単な用事をいくつか済ませる

 

その合間にも、暖炉や装飾品が目に入るたびに、セツナと過ごした時間が頭をかすめる。

 

そして、いつの間にかこの空間にセツナがいること前提として、確認するものや考えることが少しずつ増えていることに気が付く。

 

何もなかったはずの自分に、何かが静かに増えていく感覚。

 

だがその感覚は決して悪い物ではなく、むしろセイの心を静かに満たしていた。

 

その夜。

 

その感覚を胸にセイは静かにベッドに入り、窓の外を少し眺めてからそっと目を閉じた。

 

(第74話に続く)