■ Eternal Arc ~バーチャルとリアルの交錯物語~ <エピソード0> ■(第53話) | 世羅の気功と日常ブログ

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「何もないと思っていた自分に、
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前回の52話を2月923:05に一部加筆修正しました

 

その後2人はセツナが自分用にと決めた部屋を軽く見に行った後、自然にリビングへ戻った。

 

しばらくして、セツナが周囲を見渡してふとこう言った。

 

「悪くはないんだけど……なんか、少し物足りない気がしない?」

 

「分かります」

 

セイも頷く。

 

「日用品は普通に買えますが、家自体に手を加えるとなると、ポイントが必要になりそうです」

 

「お金とは別なんだ」

 

「ええ。この世界独自ですね」

 

「じゃあさ、ポイントって、実際どんなことに使えるの?」

 

「ざっと確認しただけなので今、見てみましょうか」

 

端末を開く。

 

模様替え、増設、花壇、庭――。

 

「意外と選択肢あるね」

 

「ただ、結構ポイントを使います」

 

うわ。本当だ。これは論外だね

 

自然に候補が削れていく。

 

「花壇と庭って、別なんだ」

 

「庭だと、ペットを飼えたり、家庭菜園にも使えます」

 

「家庭菜園か……」

 

セツナは少し考えて、

 

「花って食べられないしだったら庭の方がいいよね」

 

「合理的ですね」

 

「でしょ」

 

「設置するだけなら維持費もかかりませんし、手間もかかりません」

 

「今すぐ使わなくてもいいしね」

 

「後から増設もできます」

 

「じゃあ、ポイントもあるし、とりあえず作っとこ」

 

操作を進めると、家の外に小さな庭が表示された。

 

「うん。悪くない」

 

そう言ったあと、セツナが思い出したように言う。

 

「そういえばさ。あの時の種、あったよね」

 

「〈幸せの種〉ですね。お預かりしています」

 

「あれ、今なら植えてもいいんじゃない?」

 

……そうですね」

 

セイは種を呼び出し、庭の一角にそっと植えた。

 

土をならし、軽く押さえる。

 

「これで終わりです」

 

「あっさりしてる」

 

「まだ、ただの種ですから」

 

2人で、しばらくその場所を見る。

 

「でもさ芽が出るかどうか、ちょっと楽しみじゃない?」

 

……ええ」

 

2人は植えたばかりの『幸せの種』をそっと見つめた。

 

(第54話に続く)