■ Eternal Arc ~バーチャルとリアルの交錯物語~ <エピソード0> ■(第50話) | 世羅の気功と日常ブログ

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4日目は、特別な1日ではなかった。

 

というのも、前日に彼女から「次回は仕事の都合でログインが少し遅れるかも」と連絡があったからだ。

 

彼女にとっては数時間の遅れであっても、時間の進みが違うこの世界では、丸1日のズレに相当する。

 

本来なら「3日に1度」会うはずのリズムが、今回は1日後ろに倒れる。

 

つまり、この4日目はセツナが来ないことを意味していた。

 

そんなことを考えながら、セイは今日も決まった時間に目が覚め、顔を洗い、簡単な食事をとる。

 

昨日までと、ほとんど同じ流れ。

 

何かを新しく考えたわけでも、深く思い悩んだわけでもない。

 

ただ、「こうして1日を過ごす」ということが、もう説明を要しない感覚になっていた。

 

やることは最小限で、迷うことも少ない。

 

買い足すものがあるかを確認し、足りていると分かれば、それで終わり。

 

無理に外へ出る理由もなかった。

 

時間は、意識しなくても過ぎていく。

 

昼と夜の区切りは曖昧で、それでも1日はきちんと終わる。

 

不安が消えたわけではない。

 

答えが見つかったわけでもない。

 

けれど、「待つ」という状態が、特別なものではなくなっていた。

 

そして夜になり、照明を落とす。


室内は静かで、かすかな暖かさが残るだけだった。

 

ベッドに横たわり、セイは天井を見つめる。


……今日も、終わったか)


無理に思いを巡らせようとはしなかった。


ただ、こうして1日を過ごしたことが、それだけで十分だと感じられた。

 

待つこと。

 

考えること。


それらはもはや、特別な緊張や不安を伴わない。


ただ、生活の一部として、静かに存在している。

 

……変わったのかもしれないな)


以前なら、彼女のことを考えれば、胸がざわつき、何かを成さなければ、と焦ったはずだ。


でも今は、違った。


「来るかどうか」は彼女が決めること。


自分がするのは、来るまでの時間を生きること。


それだけでいい。

 

小さな呼吸のリズムを確かめる。


見えないものでも、確かに機能している。


胸の奥にある、静かな感覚。


それを感じられるだけで、セイは落ち着きを覚えた。

 

今日もまた、特別なことは何もなかった。


でも、それでいい。


存在そのものが、もう少しだけ自分のものになった夜。


セイは、そっと目を閉じた。

 

(第51話に続く)