■ Eternal Arc ~バーチャルとリアルの交錯物語~ <エピソード0> ■(第41話) | 世羅の気功と日常ブログ

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「何もないと思っていた自分に、
小さな“できた”がくれた喜び」を
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「じゃあ、クッキング開始だね」

 

セツナがエプロンを手に取る。

 

……そういえば」

 

「?」

 

「私、正直に言うと、あんまり料理得意じゃないんだよね」

 

……そうなですか?」

 

「うん。食べる専門」

 

セイは少し間を置いて言った。

 

「でしたら、僕が進め方をお伝えします」

 

「頼りにしてるよ、セイ」

 

その一言で、胸の奥が、きゅっと引き締まる。

 

……頼りに、された)

 

包丁の持ち方、火加減、順番。

 

1つずつ説明しながら、2人で作業を進める。

 

鍋に湯を沸かし、パスタを投入する。

 

包丁がまな板に当たる音が、一定のリズムで響く。

 

「きのこ、もう少し小さめがいいかな?」

 

「はい。そのくらいだと食感が揃います」

 

「そこ、そんなに細かくするんだ」

 

「火が通りやすくなります」

 

「へー」

 

フライパンに火を入れると、バターが溶け、香りが立ちのぼる。

 

わぁ……いい匂い」

 

「明太子は火を止めてから加えます」

 

「了解」

 

茹で上がったパスタをフライパンに移し、ソースと絡める。

 

……そろそろですね」

 

火を止め、明太子を加える。

 

全体をさっと混ぜると、色合いが一気に変わった。

 

「完成?」

 

「はい」

 

皿に盛り付け、刻み海苔を散らす。

 

「お店みたいじゃない?」

 

「盛り付けで印象は変わりますから」

 

「初めてにしては上出来じゃない?」

 

皿に盛られたパスタから、ほんのり香りが立つ。

 

2人はリビングのテーブルに料理を並べ、向かい合って座る。

 

「じゃあ……いただきます」

 

「いただきます」

 

一口食べて、セツナが目を少し見開く。

 

……おいしい」

 

「良かったです」

 

「初めて一緒に作ったとは思えないね」

 

「段取りが良かったので」

 

「それ、ほぼセイのおかげでしょ」

 

……共同作業です」

 

時折、他愛ない会話を挟みながら、食事は進む。

 

(第42話に続く)