クエストが終わってから、3日が経っていた。
今日は、本来ならセツナがこちらの世界に来る予定の日だった。
いつもなら、3日目の午後にログインしてくる。
だからセイも、それを前提に行動していた。
だが、その日の朝早く。
予定よりもずっと早い時間に、控えめな通知音が鳴った。
メッセージセンター。
差出人は――セツナ。
短い一文だった。
《ちょっと体調崩して、少し休むね。心配しなくて大丈夫だから。落ち着いたら、また行くよ。》
それだけ。
理由も、期限も、詳しい説明はない。
けれど。
“切れていない”
“戻る前提でいる”
それだけは、はっきりと伝わってきた。
セイは、その文章を何度か読み返す。
(……大丈夫、か)
彼女自身がそう言うのなら、それを信じることが今の自分にできる、最善だった。
少し考えてから、短く返す。
《了解しました。ゆっくり休んでください。僕はいつでもここで待っていますから。》
送信後、端末を閉じる。
それだけで、胸の奥にあった不安は、完全ではないにせよ、確かに、形を失っていた。
(第35話に続く)