■ Eternal Arc ~バーチャルとリアルの交錯物語~ <エピソード0> ■(第13話) | 世羅の気功と日常ブログ

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「何もないと思っていた自分に、
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そして数分後、親御さんが現れ、クエストは無事に完了した。


報酬アイテムを確認して、セツナがバレッタを手に取る。

 

うわ、やっぱ可愛い」


「はい。思った通りです」


「でもこれ、自分でつけにくいな」

 

そう言って、髪に手をやる。

 

セイは一拍置いてから言った。

 

……よろしければ、僕が、お手伝いしましょうか?」


「え、ほんと?私、実は不器用でね。着けてくれると助かるな。お願いしていい?」


「はい。では少し失礼します」

 

後ろに回るセイ。


指先は慎重で、動きは静かだった。

 

バレッタを留め、一歩引く。

 

……できました」


「どう?」

 

セイは一度だけ頷く。

 

「よくお似合いです」


「ふふっ、ありがとねでもさ。今日は私のためにセイを付き合わせちゃったようなものだから、今度はセイが欲しいもののクエストを一緒にやろうね」


「えっ!?」


「そういえば、セイってどんなものが好きなの?欲しいものとかないの?」

 

「僕ですか?そうですね……特にないかもしれません。昔から、あまり物にこだわるタイプではなくて」

 

「へえ~、セイもそうなのか実はね。私もあんまり物に固執しないタイプなんだよ。だからプレゼントをもらうよりも、一緒の時間を過ごせるほうが好きなんだよね」

 

少し考えるように続ける。

 

「でもね、気に入ったものはずっと使うタイプ。だから物を買うときは、必ず1番好きなものを選ぶようにしてるの。そうすれば後悔しないし、ずっと好きでいられるから」

 

「なんだか、セツナさんらしいですね」


「そう?でも、それが私の価値観なんだよ」

 

セイは少し間を置いてから言った。

 

……たぶん、僕も似たような考え方です」

 

視線を外し、静かな声で続ける。

 

「物そのもの、というよりは……そのときにどんな気持ちだったかとか、どうしてそれを選んだのかとか……そっちのほうが、後に残る気がして……」

 

短く息を吐く。

 

「思い出って、だいたい何かと一緒についてきませんか。匂いとか、音楽とか、景色とかそういうのと結びついてるから、結果として“その物”が大切に思えるんだと思うんです」

 

セツナは小さく頷いた。

 

「思い出って、いつも何かに関連付けて思い出すからね。だから、本当に大事なのは物そのものじゃなくて、きっとそれにまつわる思い出なんだろうね」


……そうですね。きっと、それが本当の意味での宝物なんだと思います」

 

セツナは柔らかく笑った。

 

「ふふっ。セイの言う通りだね。でもこうやって考えてみると、やっぱり私とセイって、なんか似た者同士な気がするよ。だからかな。一緒にいると落ち着くんだよね」


……落ち着く、ですか……そう言ってもらえるのは……僕も、なんだか嬉しいです……」

 

「ふふっ。それじゃ無事にクエストも終えたことだし、今日はこの辺で帰ろうかな」


「はい。今日もご一緒できて、楽しかったです」


「私もだよ。今後も、簡易クエスト一緒にやってみようね」


「はい……セツナさんがしたいことなら何でも


「ちょっとセイ。私がしたいことじゃなくて、キミも一緒にやりたいことじゃないとだめだよ?」


「えっ!?」


「二人で一緒に何かやるのが楽しいんだからさ。次は、セイも楽しめるクエストにしようね」


「セツナさん……ありがとうございます……」

 

「それじゃ、また3日後ね。セイ、また」


「はい。セツナさんも、お気をつけて」

 

こうして2人の距離は、自然と、けれど確実に、また1歩近づいた。

 

(第14話に続く)