■ Eternal Arc ~バーチャルとリアルの交錯物語~ <エピソード0> ■(第4話) | 世羅の気功と日常ブログ

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そして、数日後。


町を歩いていると、セツナがふと思い出したように言った。

 

「そういえば以前ね、イベントで知り合ったプレイヤーさんがいてさ。“リアルで会わない?”って誘われちゃったんだ」

 

「えっ……!?」

 

セイの顔から血の気が引く。

 

「なんかリアルで会うなんて楽しそうでしょ?イケメンだし、ドキッとしたよ」

 

セイの世界が崩れるような感覚。

 

(どうしよう…セツナさんを知らない男性に取られる……?もしセツナさんがリアルで誰かを好きになったら……もう僕のことなんて思い出さなくなる……?……そんなの嫌だ!)

 

恐怖が先に立ち、理性が溶けていく。

 

「会うなら……僕と会ってください!!」

 

「えっ、どういうこと?」

 

「僕……NPCじゃないんです!!プレイヤーなんです!!リアルの世界に実在しているんです!!だから……僕を置いていかないでください……!」

 

セツナの瞳が揺れる。

 

NPCじゃない……?プレイヤー……?どういうこと……?)

 

「ちょっと待って。セイ、少し落ち着こう?えっとつまり今の話を整理すると、セイはNPCではなくプレイヤーだってことだよね?でも……なんで今まで隠してたの?」

 

「あなたにとっての僕はNPCで……その距離が心地よかったんです。それにプレイヤーだと知られたら……秘密に触れることになるから……」

 

「秘密……?」

 

「あっ…そのっ…今はまだ言えません。でも……あなたを巻き込みたくなかったんです」

 

セツナは息を整えて言った。

 

「理由があるなら、今は聞かない。でも……いつか話してね」

 

「はい……ありがとうございます」

 

セツナは続けて尋ねた。

 

「じゃあさ。リアルでのキミって、どんな人なの?顔とか声とか、年齢とか……」

 

セイは苦しげに俯いた。

 

……言えません……」

 

「言えないと会えないよ?だって目印ないし……」

 

「そ、それは……!だって……!」

 

“だって” なに?」

 

追い詰められたセイの心が、限界を越える。

 

……僕……リアルで……会いたくても……会えないんです……!」

 

セツナの呼吸が止まる。

 

……どういう意味?」

 

「僕は……ログアウトできな——」

 

ピキィィィンッ!

 

仮想空間全体の空気が揺れた。

 

《警告:規定外情報の開示を検知。アカウント消去プロトコルを起動します。》

 

セイの身体がノイズに崩れ始める。

 

「なに!?急に。セイ!?待って!!」

 

輪郭が溶け、声が途切れていく。

 

「だ……め……セツナさん……逃げて……僕……もう……」

 

(第5話に続く)