先日、夢に両親が出てきたからか、ふと両親のことを考える時間が増えていました。
思い返してみると、なぜか音楽に関するエピソードばかりが浮かんできて、気づけば記憶がとめどなくあふれていました。
そんな流れから、しばらくの間、私にとっての「音楽」について書いてみようと思います。
父は現役時代、ある企業の吹奏楽団に所属し、サックスやクラリネットを演奏していました。
父からは、楽器が演奏したくてその企業に就職したのだと、よく聞かされていました。
そんな父のもとで育った私は、子どもの頃から音楽が身近にある環境で暮らしていましたが、不思議と音楽を楽しいと感じることはあまりありませんでした。
母は楽器は演奏しませんでしたが、歌うことが大好きで、父と一緒にコーラスグループを作り、父の演奏に合わせて歌っていたのを覚えています。
そんな両親に育てられた私と弟は、自然と楽器に触れる機会の多い環境で育ちました。
私は幼い頃、父に連れられて吹奏楽団の練習に参加し、演奏を聞いたりしていましたが、当時は、音楽そのものよりも、団員の皆さんに可愛がってもらったり、お菓子をもらったりする方が楽しみで、音楽そのものにはあまり興味を持てませんでした。
それでも父は、なんとか私たちに音楽を好きになってもらおうと一生懸命で、私や弟をピアノ教室に通わせたり、私には小学校の音楽同好会にも入らせたりしていました。
でも、自分から望んで始めたわけではなかったせいか、なかなか興味が持てず、練習も気が向いたときだけという感じでした。
私はかなり小さな頃からエレクトーン教室にも通っていて、他の子どもたちと一緒に習っていたのですが、ここにも父が時々ついてきて、時には頼んでもいないのにサックスを演奏して、他の保護者や子供の前で披露していました。
子供ながらに目立つことが苦手だった私は、そんな父の行動に居心地の悪さを感じていましたが、先生や他の保護者からは「素敵なお父さんだね」と言われていて、皆さんは父の演奏を楽しんでくれていたようでした。
でもこんな父がいることにプレッシャーを感じていたせいか、音楽が嫌いだったわけではないのですが、父の熱意が重たく感じられて、ピアノの練習にも気が進まなくなっていきました。
それでも父は私に熱心にピアノを教えてくれたり、定期演奏会に連れて行ってくれたりして、どうにか音楽を好きになってほしいと願っていたようでした。
弟はピアノが嫌で早々に辞めてしまいましたが、そのぶん父の期待が私に向けられていた気がします。
その後は年齢が上がったことで、エレクトーンからピアノ転向したのですが、教室には通い続けていたものの、練習は数時間か当日だけといった感じで、父が仕事で忙しくなって私に関われなくなると、ますます練習をしなくなっていきました。
練習不足のせいで先生にはよく怒られていましたが、ソルフェージュで初見の譜面を歌う時などは意外と歌えていたようで、練習なんて全くしていないにも関わらず、「ちゃんと練習してきたね」と褒められることもありました。
でも実は私は昔から楽譜を読むのが苦手で、子どもの頃からほとんど勘で弾いており、大人になった今でもそれは変わりません。
当時から記号や指使いも無視して、自分の好きなように弾いていたので、ちゃんとした演奏とは言えなかったと思います。
ちゃんと指使いを守りたいと思っても指が短くて和音を押さえるのも難しいこともあり、自分流で演奏するようになっていましたが、それ以上に、決まった指示やルールに従って演奏すること自体が窮屈だったのかもしれません。
楽譜を暗記するのも苦手でしたし、バイエルなどの基礎練習は特につまらなく感じて、どうしてこんな面白くない曲ばかり練習しないといけないのかとずっと疑問に思っていました。
そんな気持ちが積もってか、中学生のとき、とうとう勢いでピアノ教室を辞めてしまいました。
親に反抗するようなタイプではなかった私ですが、好きでもないことにずっと通い続けるのがどうしても嫌になったのです。
そんな私が初めて「音楽って楽しい」と思えたのは、弟が買ってきた楽譜を借りて、自分から演奏してみた時のことでした。
自由人だった弟は、自分の好きなアーティストの楽譜を買ってきてはピアノで弾いていましたが、私も試しに借りて弾いてみたところ、初めて音楽を心から楽しいと感じたのです。
それまで演奏会やレッスンでは、知らない曲ばかり弾かされていたので、音楽に楽しさを見出せなかったのですが、自分が知っている曲を自分で再現できるということが、こんなにも楽しいものなのかと驚きました。
それからは、自分の好きなアニメやアーティスト、作曲家の楽譜を買ってきて、好きなようにピアノを弾くようになりました。
この経験が、ずっと遠ざけていた音楽を身近なものに変えてくれたきっかけでした。
ただ、今でも「感情を込めて演奏する」というのが苦手です。
自分の感情をさらけ出すのが少し恥ずかしくて、つい抑えてしまうことが多いのです。
こうして書いていて気づいたのですが、私の演奏スタイルには、私自身の性格がよく表れているなと思いました。
人の目を気にして感情を込めて演奏できないことや、譜面や指使いを無視して自由に弾くこと、基礎練習は苦手だけれど、自分の好きな曲なら進んで演奏すること——
これらすべてが、今の私の性格そのままだということに気が付きました。
こうして考えてみる、どうでもいいようなことに見える過去の出来事のなかにも、自分の内面や好みに気づくヒントはたくさん隠れているのかもしれないと思いました。
こうして振り返ってみると、音楽との関わりを通じて、自分の性格や感じ方が少しずつ見えてきたので、また次回も、私と音楽の思い出について、少しずつ書き綴っていけたらと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。