関係性と攻撃性 1/3 | パート主婦の生き方

パート主婦の生き方

浮かんでは消えて行く思索の記録

暴力的行動や反社会的行動の発生、持続、慢性化とその影響を減らすためには、就学前の段階で介入することが重要である。また、いじめが被害者に与える影響は計り知れない。被害者の多くは、学業成績の低下、自尊心の低下、社会不適応、うつ病、自殺願望などで生涯苦しむこともある。

 

攻撃性はどのタイプにおいても、遺伝子と環境の影響を受けている。そのため、気質的に攻撃的な子供もいる。Romero-López,Mらの研究によると、攻撃性は抑制や感情のコントロールと相関しており、抑制や感情をコントロールする能力が高まると攻撃性は低下する。また、攻撃的行動は段階的な発達の結果であり、思春期や成人期に単独で現れるのではなく、幼少期から始まり、年月が経つにつれて強くなっていくことを示している。

 

道具的攻撃性とは、子どもが欲しいものを手に入れるための衝動的で感情的な自己中心的行動である。2歳から6歳の間に見られる。この年齢では、道具的攻撃性の使用は正常で適応的であると考えられている。道具的攻撃性の最初の徴候は1歳以降に現れ、通常、咬む、おもちゃを投げる、叩くなどの行動をとる。これらの行動は一般に欲求不満の結果であり、本質的に反応的で、危害を加えることを意図していない。道具的攻撃性は増加し、2歳頃にピークに達する。2歳頃では、攻撃的な行動は、おもちゃを手に入れたり、守ったりするため、あるいは目的を達成するために行われる。その後、一般に制御力と感情調節の発達に伴い、道具的攻撃性は減少しはじめる。

 

関係性攻撃性とは、集団からの排除など被害者と他者感の社会的繋がりを傷つけることを目的とし、自尊心を傷つけるような個人攻撃を伴う非物理的な行為である。就学前では、4歳を過ぎた頃から男児よりも女児の方に多く見受けられる。また、仲間内でのいじめは、中学生頃に最も多く見られる。10代の若者のいじめは自我形成期において社会的地位を確立し、維持するためにも行われる。いじめの要因には、退屈さ、仲間からの圧力、低い自己評価、競争、学習された行動などがある。