前回までに、放射能とは何か、放射線があたるとどうなるかを書きました。

今回はその続きです。


****** ヨウ素とセシウム検出のワケ ******


ウラン235 が核分裂を起こすと ヨウ素131 や セシウム137 が出てきますが、これがなぜ原発から何キロも離れた場所で検出されるのか。


それは、沸点が低いからです。


ヨウ素は約185度、セシウムは約670度です。


原発が停止し、現在は燃料棒の臨界状態は停止していると思われます。

しかし、燃料棒は崩壊熱と言って、勝手にどんどん熱くなっていくのです。

この崩壊熱を取るために原発に水をかけているのです。


原発の外でヨウ素とセシウムが検出されたということは、燃料棒が崩壊熱で少なくとも670度以上になったのです。


実際には、原発事故から数日経って、放水車で水をかけて原子炉を冷やさなければならないと大騒ぎしていたころ、原子炉が空だき状態にあると言われていましたし、水素爆発もしていることから燃料棒を覆っているジルコニウムが溶けていることがわかります。ジルコニウムは1800度くらいで溶けますから、ヨウ素、セシウムは蒸発して気体になっているのです。それが外に出て風にのってばらまかれたのです。


今は燃料棒に水をかけて冷やしている状態ですので、ヨウ素は出てきていないようです。


原子炉からヨウ素が出ると、放射線量が上がるのですぐにわかります。


気体がそんなに遠くまで届くのか、と疑問に思われる方もいるようです。

以前、テレビか何かで見たのですが、猛禽類(鷲だったかな?)が数キロ離れた森の中に隠された肉を臭いを頼りに見つけ出した映像を見たことがあります。気体というのは思った以上に広大な範囲に薄く広まるのです。



次回は、ヨウ素が身体に入ると何が悪いかを解説します。


興味のある人はチェルノブイリで検索してください。

チェルノブイリ原発事故では、0~5歳くらいの女の子が10年~20年くらい経って甲状腺ガン(乳頭ガン)になった例が多く見つかります。




東電がプルトニウムをチェックしなかったワケを考えてみたいと思います。


数日前にプルトニウムが検出されたときに大騒ぎになりました。

東電はプルトニウムが外に出たかどうか、ずっとチェックしていなかったようなので、記者会見で責められていました。

東電憎しで騒ぎ立てている感があり、記者の質問の態度には冷静さを欠いていたようで問題があると思いましたので、東電を擁護するわけではありませんが、チェックしていなかった理由を自分なりに考えてみました。


おそらくプルトニウムが次のような性質だからだと思います。


* 沸点が高く(3000度以上)蒸発しない

蒸発して気体にならないと風にのって遠くに飛ぶことはありません。


* 比重が重い。19くらい。

比重とは、水との比較した値です。

わかりやすく言うと、1リットル牛乳パックに水を入れると 1kg ですが、1リットル牛乳パックと同じ大きさのプルトニウムは 19kg になります。

鉄の場合は、8kg、鉛でも 11kg です。

このようにプルトニウムは非常に重い元素ですので、遠くには飛ばないと考えたのでしょう。


* アルファ線を出す

前回書いたようにアルファ線は貫通力がありませんので、服とマスクで防御できるのです。



以上のことから、避難範囲外では検出されないはずで、取り急ぎ確認する必要はないと考えたのではないでしょうか。

プルトニウムのイメージが非常に恐いものなので黙っておこうというのでしたら、それはちょっと、、、と思いますが。。。



プルトニウム漏れを確認するにしても専門要員が必要なわけで、被爆しながらの作業になります。たとえ土を取りに行くだけの作業だとしてもです。

被爆できる量は決まっています。

定められた年間被爆量を超えると、その人はもう現場に入れない決まりです。

優先順位的にも、ここで被爆量を稼いでしまうわけにはいかないと判断したかもしれません。


実際には被爆量を超えても黙認状態で作業している人もいるかと思います。

世間(というか記者)がうるさいからちょっとやってくれ、という理由でできる作業ではありません。


言って理解してくれる世の中(記者)でもないので、悪く言えば、気づかれるまで黙ってたのが真相じゃないかなあと思っています。


ただ責めて責めての質問だと、「申し訳ありません」という回答しか返ってきません。

記者には、もう少し考えて質問してほしいと思います。



それと、たまに、アメリカ、旧ソ連の核実験のときのプルトニウムが世界中にばらまかれたから、福島原発も危険なんだと言うのをネットのブログ等で見かけますが、原爆は一瞬で数百、数千万度まで温度を上昇させて爆発させるので、何もかも蒸発して気化してしまうのです。だから風にのって世界中をただよったのです。


原発と同じ論調で話すべきではないと思います。




最初に断っておきますが、私は機械、電気のエンジニアであり、原子力関係の専門家ではありません。


以下の文章は、昔、個人的に原爆に興味があって、いろいろ調べた知識ですので、正確である保証はありませんのでご了承ください。


間違いを見つけた人はご指摘をお願いします。

できればコメント欄にご指摘を残していただけるとありがたいです。



最近、ネットで福島と、広島、チェルノブイリを比較している記事をよく見かけます。

以下のような感じです。

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福島原発にはウランが 1048.8トン

広島型原爆リトルボーイは 850g

チェルノブイリは 10トン

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いろんな数字が乱立しているようです。

数字だけ見るとかなりまずい気がします。


しかし、どうまずいのか、どう危険か、と言われると、ただ何となくとしか答えられないと思います。

そこで、考えるための材料を提供しようということで、ちょっと書いてみます。


ちなみに、個人的には数字から受ける印象が、現実の危険度より衝撃的すぎるんじゃないかなと思います。

かなり簡略して書きますのでご了承ください。

書いてあることを全て理解しなくても、なんとなく分かってもらえれば幸いです。



****** まず基本的なところです ******


原子は、原子核と電子でできています。

原子核は、陽子と中性子でできています。


ウランは元素の一つです。

周期律表を覚えるのに、すいへーりーべーぼくのふね、と高校のときにやったと思います。

アレにウランが載っています。


元素に数字が付いているものがあります。例えば、ウラン235 とか ウラン238 などです。


235とか238の数字の意味は、原子核を構成する陽子と中性子の合計の数です。

陽子の数で何の元素が決まりますが、同じ元素でも中性子の数が違うものがあるのです。



****** ウラン燃料とは ******


ウラン235 は燃えるウラン

ウラン238 は燃えないウラン



原子炉の燃料は、ウラン235 が 5% 程度、残りがウラン238 でできています。

原爆は、ウラン235 が 90% 以上、残りは ウラン238

原爆はほとんど燃えるウランで、原子炉燃料は燃えないウランがほとんどです。


では、燃えるとはどういうことか。


ウラン235は、中性子を吸収すると核分裂を起こします。

核分裂を起こすと分裂した核から中性子が2,3個飛び出し、周りのウラン235に吸収されます。で、また核分裂を起こす。これが核分裂の連鎖反応です。


核分裂1回で発生するエネルギーは莫大です。これが連鎖的に起こります。


ウラン235 が1g(一円玉1枚分)の核分裂で発生するエネルギーは石油2000リットル分。

これが燃えるという意味です。

核分裂のエネルギーは桁違いに大きいのです。


知っている人は知っているあの有名な式 E = mc2 で計算できます。

核分裂を起こすと、質量がちょっとだけ減るのです。これが光の速度の2乗で効いてきます。


原爆は、一瞬で核分裂連鎖反応を起こさせて、数百万度まで一気に温度を上昇させて爆発させます。

原発は、この反応をゆっくりゆっくり起こさせるように制御し、発生した熱でタービンを回し発電します。


一方、燃えないウランであるウラン238 は、中性子を吸収すると核分裂を起こさずに プルトニウム239になります。

数字が一つ増えていますね。これは、ウラン238 に中性子を1つ足して ウラン239 になり、その中の中性子が1つ陽子に変わってプルトニウム239 になったのです(簡略してます)。つまり別の元素になったということです。


このプロトニウムは、少し前に福島原発周辺からプルトニウムが検出されたと騒ぎになったアレです。


つまり、中性子を ウラン235 が吸収する熱が発生し発電、ウラン238 が吸収するとプルトニウムになって燃料棒に残るというわけです。



****** 核分裂とは ******


核分裂とは、原子核が割れてしまうことです。


ウラン235 が核分裂すると、セシウムやヨウ素が出てきます。

最近水道から検出されたというヨウ素は、ヨウ素131 というものです。

セシウムはセシウム137です。


ウラン235 と ヨウ素131 の数字に注目してください。 235-131=104 ですが、これはヨウ素131 と 別の元素104に割れたということです。

104 のうちの2,3個が中性子となって飛び出し、別のウラン235に吸収されて核分裂の連鎖反応が起こります。

セシウム137の場合は、235-137=98 で 別の元素+中性子=98 に割れているということです。


ウラン235 が核分裂すると、ヨウ素、セシウムだけではなく、いろんな元素が出てきます。

騒がれたのは、出てきた元素の中のヨウ素とセシウムだけだったということです。


核分裂後に生成された元素も燃料棒に残ります。



****** 放射能とは ******


放射線を出す物質のことです。

放射線には、アルファ線(粒子がでかい)、ベータ線(粒子が小さい)、ガンマ線(レントゲンのX線と同じ)があります、


ヨウ素131 や セシウム137 は放射線を出すのです。


燃やした後の燃料棒にはこれらが大量に残っていて放射線を出します。



****** 放射線が人にあたると ******


総じて言えるのは、遺伝子を傷つけるということです。

遺伝子は全細胞に入っています。


遺伝子は傷ついても修復する機能がありますので、普段はそれほど心配する必要はありません。

しかし、まれに修復を間違えます。間違えたら普通はその細胞は死にます。細胞が1個死んでもどうということはありません。

問題は修復を間違えて、無限に無駄な分裂を繰り返す細胞が出来上がってしまった場合です。これがガンです。


それと、放射線は細胞を構成する原子レベルで作用するので、細胞の性質も変わってしまうということです。

つまり細胞が細胞ではなくなってしまうということです。



アルファ線は、粒子がでかいのです。なので、空気の分子にぶつかってなかなか前に進みません。紙一枚で防げるというのは、こういう理由からです。しかし、アルファ線を出すホコリなどを吸い込んでしまうと、肺の中からアルファ線を出し続けるのでまずいのです。


ベータ線は、粒子が小さいため皮膚を貫通して身体の中に入ってきます。

細かいことを言うと、ベータ線は、細胞を構成するタンパク質、を構成する分子の中の原子に作用しますが、その時に原子が振動します。

原子が振動するということは熱が発生するということですので、これがベータ線熱傷となります。

少し前に原発に入った作業員が放射能レベルの高い水の中に入ってなったというアレです。


ガンマ線もレントゲンと同じで皮膚を貫通して身体の中に入ります。

これも遺伝子を傷付けます。



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今日はここまでとします。

続きは後日、また書きたいと思います。



時間がはっきりしないのですが、昨日(4月5日)の東電の記者会見がネットで放送されました。内容は、コンクリの裂け目から高濃度の汚水が漏れている件についてです。東電は入浴剤を使い、どのようなルートで漏れているのかを突き止めようとしていました。


記者と技術者の間で、次のようなやりとりがありました。

(うろ覚えで申し訳ないのですが、流れはおおよそ正確です)


記者 「なぜ入浴剤なのですか?」

東電 「すぐに入手可能で、乳白色で夜でも見やすいからです」

記者 「入浴剤ではなく、専用の何かそのようなモノはなかったんですか?」

東電 (困惑し口ごもる)

記者 「乳白色でも夜暗いと見えないじゃないですか」


技術者なら誰もが、「この記者なに言ってるんだ?」と思うでしょう。

でも、技術者じゃないなら、こういうところで変に思っても無理はないかもしれませんね。

記者は、結構しつこく食い下がり、最後まで入浴剤を使うことに納得できていない様子で、東電も思わぬ追求だったのでしょう。困惑していました。


この記者には日本の科学技術信仰のようなものがあって、ここで入浴剤を使うなんぞふざけている!と思ってしまったのかもしれません。私はこの記者に対し、そう思っているんだろうなという印象を受けました。と同時に、この人が記事を書くのか?とちょっと恐くなりました。


技術に対して素人が記事を書く、というのは、根本的なところを勘違いする、間違える、分かっていない状態のまま、不正確なことが伝わってしまう可能性があります。


技術者が記事を書く、というのは、当然分かっているだろうという予測の元、結局、技術者にしかわからないような記事になってしまう可能性があります。


どちらがいいのか、悩みどころです。

うまくバランスの取れた人が書くのが一番いいのでしょうが。


エンジニアリングの現場では、実験や不具合の原因を突き止める、と言った場合には、使えるものは何でも使います。これは常識ですね。以前のNHKの番組、プロジェクトXでは、そのような例はいくらでも出ていましたよね。

すぐ入手可能ということで入浴剤を思いつき、夜、たとえ暗くて見えなくなるにしても、一番見やすいであろう乳白色を選択するというのは、まさに現場の技術者の力だと思います。分かってしまえば何でもないことなんですが、最初に思いつくのが大変なのです。


先の記者は、東電はこんなくだらない方法で漏れの原因を突き止めようとしている!とネガティブな記事を書くかもしれません。


ちなみに、この会見の後、乳白色の入浴剤のおかげで漏れているルートが分かったようです。


アイディア的にはたいしたことはないと感じるかもしれませんが、深刻な状況ではない平時であれば、

「よく入浴剤なんて思いついたなぁ。おかげで短時間で漏れの原因が分かったよ」

と褒められても良い場面なんですよ。




日本赤十字に届いた義援金の分配に政府が介入するというニュース。

朝日の記事


こういうことは、日赤の方々のほうが断然経験豊富なのに、なぜ何にもできない政府がしゃしゃり出てくるのでしょうね。日赤よりうまくできると思っているのか??非常に疑問です。

もうがっかりで、非常に申し訳ないが、これから募金するにも躊躇してしまいそうです。

素人(政府)が、やれると思ったからやる、という感覚でモノを言っているようで恐いのです。

できるなら、できる証拠なり実績なりをあげて、ちゃんとするから安心しろ、と言ってほしいのです。

分配は人の命がかかっているのですよ。


節電何とか大臣に電気のデの字も分からなければ、計画停電の本質的な問題がなんにも分かっていない人間(蓮舫議員)を登用したのもそうですが、この非常時にパフォーマンスにばかりの政府にはあきれてしまい、心が沈んでしまいます。


改めて考えるに、適材適所というのをまったく考えていないのでしょう。

有事なのですから、その分野での実績を上げた人、もしくは経験者を充ててほしいと切実に思います。

権力を振りかざして、じゃあ俺がやろうという人はいらないのです。



余談ですが、この記事を見て真っ先に思い出したのが、去年の長崎県知事選結果に対する長崎県民の対しての恫喝、そして、同じく去年、管内閣に否定的な意見をしたキャリア官僚に対しての恫喝を思い出しました。

産経の記事


もし義援金を政府が握ってしまうとしたら、被災地の人は、もう政府に対して不平不満は言えなくなってしまいますね。


岩手(小沢さんの地元)は、冷遇されてしまうのでは?

これが心配です。