最初に断っておきますが、私は機械、電気のエンジニアであり、原子力関係の専門家ではありません。
以下の文章は、昔、個人的に原爆に興味があって、いろいろ調べた知識ですので、正確である保証はありませんのでご了承ください。
間違いを見つけた人はご指摘をお願いします。
できればコメント欄にご指摘を残していただけるとありがたいです。
最近、ネットで福島と、広島、チェルノブイリを比較している記事をよく見かけます。
以下のような感じです。
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福島原発にはウランが 1048.8トン
広島型原爆リトルボーイは 850g
チェルノブイリは 10トン
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いろんな数字が乱立しているようです。
数字だけ見るとかなりまずい気がします。
しかし、どうまずいのか、どう危険か、と言われると、ただ何となくとしか答えられないと思います。
そこで、考えるための材料を提供しようということで、ちょっと書いてみます。
ちなみに、個人的には数字から受ける印象が、現実の危険度より衝撃的すぎるんじゃないかなと思います。
かなり簡略して書きますのでご了承ください。
書いてあることを全て理解しなくても、なんとなく分かってもらえれば幸いです。
****** まず基本的なところです ******
原子は、原子核と電子でできています。
原子核は、陽子と中性子でできています。
ウランは元素の一つです。
周期律表を覚えるのに、すいへーりーべーぼくのふね、と高校のときにやったと思います。
アレにウランが載っています。
元素に数字が付いているものがあります。例えば、ウラン235 とか ウラン238 などです。
235とか238の数字の意味は、原子核を構成する陽子と中性子の合計の数です。
陽子の数で何の元素が決まりますが、同じ元素でも中性子の数が違うものがあるのです。
****** ウラン燃料とは ******
ウラン235 は燃えるウラン
ウラン238 は燃えないウラン
原子炉の燃料は、ウラン235 が 5% 程度、残りがウラン238 でできています。
原爆は、ウラン235 が 90% 以上、残りは ウラン238
原爆はほとんど燃えるウランで、原子炉燃料は燃えないウランがほとんどです。
では、燃えるとはどういうことか。
ウラン235は、中性子を吸収すると核分裂を起こします。
核分裂を起こすと分裂した核から中性子が2,3個飛び出し、周りのウラン235に吸収されます。で、また核分裂を起こす。これが核分裂の連鎖反応です。
核分裂1回で発生するエネルギーは莫大です。これが連鎖的に起こります。
ウラン235 が1g(一円玉1枚分)の核分裂で発生するエネルギーは石油2000リットル分。
これが燃えるという意味です。
核分裂のエネルギーは桁違いに大きいのです。
知っている人は知っているあの有名な式 E = mc2 で計算できます。
核分裂を起こすと、質量がちょっとだけ減るのです。これが光の速度の2乗で効いてきます。
原爆は、一瞬で核分裂連鎖反応を起こさせて、数百万度まで一気に温度を上昇させて爆発させます。
原発は、この反応をゆっくりゆっくり起こさせるように制御し、発生した熱でタービンを回し発電します。
一方、燃えないウランであるウラン238 は、中性子を吸収すると核分裂を起こさずに プルトニウム239になります。
数字が一つ増えていますね。これは、ウラン238 に中性子を1つ足して ウラン239 になり、その中の中性子が1つ陽子に変わってプルトニウム239 になったのです(簡略してます)。つまり別の元素になったということです。
このプロトニウムは、少し前に福島原発周辺からプルトニウムが検出されたと騒ぎになったアレです。
つまり、中性子を ウラン235 が吸収する熱が発生し発電、ウラン238 が吸収するとプルトニウムになって燃料棒に残るというわけです。
****** 核分裂とは ******
核分裂とは、原子核が割れてしまうことです。
ウラン235 が核分裂すると、セシウムやヨウ素が出てきます。
最近水道から検出されたというヨウ素は、ヨウ素131 というものです。
セシウムはセシウム137です。
ウラン235 と ヨウ素131 の数字に注目してください。 235-131=104 ですが、これはヨウ素131 と 別の元素104に割れたということです。
104 のうちの2,3個が中性子となって飛び出し、別のウラン235に吸収されて核分裂の連鎖反応が起こります。
セシウム137の場合は、235-137=98 で 別の元素+中性子=98 に割れているということです。
ウラン235 が核分裂すると、ヨウ素、セシウムだけではなく、いろんな元素が出てきます。
騒がれたのは、出てきた元素の中のヨウ素とセシウムだけだったということです。
核分裂後に生成された元素も燃料棒に残ります。
****** 放射能とは ******
放射線を出す物質のことです。
放射線には、アルファ線(粒子がでかい)、ベータ線(粒子が小さい)、ガンマ線(レントゲンのX線と同じ)があります、
ヨウ素131 や セシウム137 は放射線を出すのです。
燃やした後の燃料棒にはこれらが大量に残っていて放射線を出します。
****** 放射線が人にあたると ******
総じて言えるのは、遺伝子を傷つけるということです。
遺伝子は全細胞に入っています。
遺伝子は傷ついても修復する機能がありますので、普段はそれほど心配する必要はありません。
しかし、まれに修復を間違えます。間違えたら普通はその細胞は死にます。細胞が1個死んでもどうということはありません。
問題は修復を間違えて、無限に無駄な分裂を繰り返す細胞が出来上がってしまった場合です。これがガンです。
それと、放射線は細胞を構成する原子レベルで作用するので、細胞の性質も変わってしまうということです。
つまり細胞が細胞ではなくなってしまうということです。
アルファ線は、粒子がでかいのです。なので、空気の分子にぶつかってなかなか前に進みません。紙一枚で防げるというのは、こういう理由からです。しかし、アルファ線を出すホコリなどを吸い込んでしまうと、肺の中からアルファ線を出し続けるのでまずいのです。
ベータ線は、粒子が小さいため皮膚を貫通して身体の中に入ってきます。
細かいことを言うと、ベータ線は、細胞を構成するタンパク質、を構成する分子の中の原子に作用しますが、その時に原子が振動します。
原子が振動するということは熱が発生するということですので、これがベータ線熱傷となります。
少し前に原発に入った作業員が放射能レベルの高い水の中に入ってなったというアレです。
ガンマ線もレントゲンと同じで皮膚を貫通して身体の中に入ります。
これも遺伝子を傷付けます。
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今日はここまでとします。
続きは後日、また書きたいと思います。