時間がはっきりしないのですが、昨日(4月5日)の東電の記者会見がネットで放送されました。内容は、コンクリの裂け目から高濃度の汚水が漏れている件についてです。東電は入浴剤を使い、どのようなルートで漏れているのかを突き止めようとしていました。
記者と技術者の間で、次のようなやりとりがありました。
(うろ覚えで申し訳ないのですが、流れはおおよそ正確です)
記者 「なぜ入浴剤なのですか?」
東電 「すぐに入手可能で、乳白色で夜でも見やすいからです」
記者 「入浴剤ではなく、専用の何かそのようなモノはなかったんですか?」
東電 (困惑し口ごもる)
記者 「乳白色でも夜暗いと見えないじゃないですか」
技術者なら誰もが、「この記者なに言ってるんだ?」と思うでしょう。
でも、技術者じゃないなら、こういうところで変に思っても無理はないかもしれませんね。
記者は、結構しつこく食い下がり、最後まで入浴剤を使うことに納得できていない様子で、東電も思わぬ追求だったのでしょう。困惑していました。
この記者には日本の科学技術信仰のようなものがあって、ここで入浴剤を使うなんぞふざけている!と思ってしまったのかもしれません。私はこの記者に対し、そう思っているんだろうなという印象を受けました。と同時に、この人が記事を書くのか?とちょっと恐くなりました。
技術に対して素人が記事を書く、というのは、根本的なところを勘違いする、間違える、分かっていない状態のまま、不正確なことが伝わってしまう可能性があります。
技術者が記事を書く、というのは、当然分かっているだろうという予測の元、結局、技術者にしかわからないような記事になってしまう可能性があります。
どちらがいいのか、悩みどころです。
うまくバランスの取れた人が書くのが一番いいのでしょうが。
エンジニアリングの現場では、実験や不具合の原因を突き止める、と言った場合には、使えるものは何でも使います。これは常識ですね。以前のNHKの番組、プロジェクトXでは、そのような例はいくらでも出ていましたよね。
すぐ入手可能ということで入浴剤を思いつき、夜、たとえ暗くて見えなくなるにしても、一番見やすいであろう乳白色を選択するというのは、まさに現場の技術者の力だと思います。分かってしまえば何でもないことなんですが、最初に思いつくのが大変なのです。
先の記者は、東電はこんなくだらない方法で漏れの原因を突き止めようとしている!とネガティブな記事を書くかもしれません。
ちなみに、この会見の後、乳白色の入浴剤のおかげで漏れているルートが分かったようです。
アイディア的にはたいしたことはないと感じるかもしれませんが、深刻な状況ではない平時であれば、
「よく入浴剤なんて思いついたなぁ。おかげで短時間で漏れの原因が分かったよ」
と褒められても良い場面なんですよ。